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一口推しゲーム紹介「control」〜ゲーム史上最高風速

物語には風速がある。いわゆる最大風速というのは、小説なら「私はあなたの破壁人です」だし、映画なら「ブラッド・ピッドが最後に撃つシーン」だ。
そして、ゲームなら「灰皿の迷宮」である。
風速とはいわゆる盛り上がり度である。理想は全てフルスロットルで盛り上がっているのが最高なんだけど、それは基本的には難しい。なので基本的には最後に最大風速をぶち上げて、後味を良くしてにするのが多い。
controlというゲームは、正直常に風速が高いゲームとはいえない。scp(いわゆるオカルトアイテム)を題材にしているゲームで、オカルトアイテム収容所(超絶めちゃくちゃ施設)でオカルト的脅威(実質ただのゾンビ)と死闘を繰り広げるアクションゲームである。
 収容所の異次元空間は最高に狂っているし、出てくるscpも奇妙で面白い。いわゆるワクワク感で物語を引っ張っていく物語である。一方、肝心なストーリーは難解で感情移入しづらい。
 しかし、ワクワク感の期待に応えるようなゲーム的演出の数々は物語の推進力になっていて、これは映画でも小説でもない「ゲーム」なんだという主張が伝わってくる。そして、その期待に応え過ぎたのが「灰皿の迷宮」という迷路を大暴れするチャプターである。
これは、動画で見てわかった気になってはいけないし、あらゆる情報が最高の体験の邪魔になるかもしれないから詳しくはいえない。言語化できる感動ならゲームにする必要がないのだ。
最大の風があるなら、それはきっと一回しか吹かない。


☆3.2(人を選ぶ。しかし灰皿の迷宮だけの加点で0.2)

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