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もっと旅しよう。新しい価値観を見つけよう。

以前も書きましたが、日本の文化が東京を中心に画一化されてきていることに、かなり危機感を抱いています。
有名なインフルエンサーやネットの書き込みなどによって「稼げない奴は無能」「人生の負け組」「お金を持っていない奴は意見を述べる資格がない」「金持ちの税金のお陰で貧乏人が生かされている」といったような煽り言葉が標準化され、まるで社会の常識のように受け入れられている現状があります。

何とかしてこの社会全体を覆う閉塞感を打破したいと、いつも考えています。
文化研究についての項目でも述べたように思いますが、我々アーティストが作り出す世界は常に文化の特異点であり、新たな文化や価値観を生み出して世に問うことが、我々の大切な役目のひとつであると思っています。

そもそも日本は世界で最も多彩な文化や価値観を持つ国です。
ところが近年、「恨み」や「妬み」を中心とした文化が海外から大規模に流入し、それがドラマやポップソングなどの多方面で抱き合わせて受け入れられたことによって、負のエネルギーが急速に増大しつつあります。

八百万やおよろずの神に象徴されるように、日本は本来、唯一神を持たない自然信仰が根底にあり、あらゆる価値観を受け入れる自由な風土が日本を発展させてきました。
この要因のひとつは、日本そのものが、世界でも断トツに複雑な気候や地形から生まれてきたことにあります。

しかし近年ネットやメディアによって、東京を中心に文化統合が加速度的に進みました。
人間には人口過多となると他者を攻撃し排除しようとする本能が働くため、人口が極度に密集し過ぎた東京で受け入れられる文化は、前述した「恨み」や「妬み」を中心としたものになり、それがネットやメディアを通じて日本全土を蝕み始めています。

こんな時代だからこそ、もっと旅をしてみましょう。

海外でも良いのですが、個人的には日本国内の旅をしてみて欲しいのです。
海外の旅はそりゃあもちろん素晴らしいに決まっています。海外も是非行ってみてください。きっと素晴らしいカルチャーショックが待っていると思います。
ただ、私としては本当の日本をもっと知ってほしいのです。
日本の多彩さを、自分自身で体感して欲しいのです。
どんなところに人が住んでいて、どんな生活をしていて、どんな考え方をしていて、どんな人生観があって、どんな一生を過ごしていて。
その驚くほどの多彩さを知ってほしいのです。
東京を中心に常識化されている考え方が、日本全体で見たときに、非常にちっぽけなもので実はほんの一部でしかないという現実を、是非体感して欲しいのです。

「ひょっとしたら、自分は変わってる??」

なんて思って悩んでいる人もいるかもしれませんが、旅を通じて多彩で自由な風土を知ることで、自分自身のその「ちょっと変わった価値観」を認めて、自分自身の人生を楽しんで欲しいのです。
自分自身の価値観に自信を持って欲しいのです。

「オレって変わってる!結構面白い!!」
もっと自由に。もっと楽しく。常に笑顔で。常に前を向いて。
昨日のことなんか忘れてしまえ。

というわけで、さあ、ちょっと旅しよう。


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