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『親指AF』が動く被写体に効く +レンズ1本で始める野生動物撮影/設定編3,#11

これから動物撮影を始めてみたい、という方に向けて書いてきた
『+レンズ1本で始める野生動物撮影』シリーズ。
最初の想定より随分と長くなり、ノウハウ系の記事が続いてしまったので
今回で一区切りにしようと思います。
なんだかタイトルもゴチャっとしてきたし…。笑)
というわけで、最後は動く被写体に欠かせない「AF」オートフォーカス
の設定についてお話してみたいと思います。下の写真みたいに、どこから出てくるかわからない被写体って、ピント追うの大変なんですよね。

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■ AF-C (コンティニュアンスAF)って?

まずはお手持ちのカメラのAFモードをチェックしてみましょう。
普段、スナップや風景が中心の方ならAF-Sをお使いの方も多いのではないでしょうか?AFモードの設定で、どういう機能の違いがあるのか、少し整理してみましょう。

● AF-S(シングルAF)
一度ピントが合うと、ボタンの半押しでピントを固定するモードです。止まっている被写体に確実にピントを合わせるのに適しています。キヤノンでの名称はワンショットAF
● AF-C (コンティニュアスAF)
ボタンを押している間、ピントを合わせ続けるモード。狙う被写体に常にピントを固定せずに合わせ続けるため、動いている被写体の撮影に向いています。キヤノンでの名称はAIサーボAF

お判りでしょうか。そうです!野生動物は動く被写体。
AF-Sをお使いの方は、一度AF-Cに設定して試してみてください。
動き回る被写体の場合、常にピントは変わり続けます。
だから押しっぱなしでピントを追い続けてくれるAF-Cは非常に便利。

これは被写体との距離が大きく変わる条件では特に威力を発揮します。
例えば、こちらに向かって飛んでくる鳥。AF-Sで撮ると、ピピッ、ピピッとピントを合わせるたびにAFが止まってしまいがちですが、AF-Cならこのような状況でも、押しっぱなしでずっとピントを追ってくれるのです。

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もちろん、野生動物が相手でも、全く動かない状態の被写体の撮影など、AF-Sが向いている場合もあります。
例えば木の上でじっとしている、あるいは眠っているフクロウ。AF-Sで被写体の瞳にピントが合ったことをしっかり確認してから、じっくりシャッターを押す、ということもできます。その辺りの使い分けは臨機応変に。ただ、動物が被写体の場合は、動く場合がほとんどです。僕の場合も野生動物は、9割方はAF-Cで撮影しています。
というわけで、是非カメラのAFモードはAF-Cに!

より詳しく知りたい方は下記のサイトを参照ください。

▽ Nikonユーザーの方 ▽
▽ CANONユーザーの方 ▽

AFモードの設定方法はカメラの機種によって異なるので、説明書を参照ください。ちなみに私の使う機種では、ボディ左全面にあるレバー(写真左)の真ん中にあるボタンを押しながら、ボディ右後ろ部のダイヤル(写真右)を回して設定します。ご参考までに。

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■ とっさの変化に対応できる『親指AF』とは?

さて、今回是非皆さんに試してほしいのはこのトピックです。
シャッターを切る前のピント合わせ、普段はどうしていますか?
シャッターボタン半押し、というのが一般的だなと思います。
順番で言うとこんな感じ。

1.構図を決める → 2.シャッターボタン半押しでピント合わせ → 3.そのままシャッターボタンを押しこんで撮影

このやり方って、ポピュラーなだけあって非常に便利なんです。「ピピッ」というピントの合焦音でピントの有無を確認しながら撮影できるというのは、実はとても安心。
でも、相手が動く被写体の場合、間に合わないケースも出てきます。そこで前述のAF-Cの出番なのですが、問題は構図。素早く対応しなければならない場合、構図を先に決めきれない場合も出てきます。 例えば下の写真。

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都内で撮影した河津桜の中を飛び回るメジロ。身近で愛らしい被写体ですが、ピント合わせと構図取りには、ある程度のスピードが要求されます。
ちょこまかと動き回るメジロがどこから顔を出すかもわからないし、構図を先に決めるのがとても難しい状況ですよね。
こんな風に、とにかくピントを合わせて、その後構図を少しズラして撮りたい、という場面も出てきます。その場合、下のような順番になります。

1.真っ先にピントを合わせる → 2.直後にカメラを少しずらし、構図を決める → 3.シャッターを切って撮影

でも、半押しでピントを合わせる場合、構図の先にピントを合わせることは非常に難しい。その問題を解決するために、ピント合わせとシャッターの操作を独立させたい。そこで親指AFの出番です。
▽ 親指AFボタンは、こんな場所にあります。(左のカメラ)

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ちなみに左のカメラはD800E。AF-ONの字が擦れて消えかけていて見苦しいですがお許しください。まぁ、それくらいこのボタンを常用しているということです。
ところで、カメラの機種によっては、親指AFのボタンが無い場合もあります。その場合は別のボタンにカスタム設定でAFの機能を割り当てます。上の写真の右のカメラはD750。赤丸の位置にあるAE-L、AF-LのボタンにAF-ONを割り当てて使用しています。

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D750の場合、カスタムメニュー f操作 から設定します。
さらに、シャッターボタンの設定で半押しAFを解除します。(上記D750の場合は、AF/AFロックボタンにAFの機能を割り当てれば自動的に半押しAFは解除されます)
設定後、シャッターボタンを半押ししてみてください。AFが動かなければOKです。これで、シャッターとピント合わせが切り離され、独立した操作が可能になりました。

■ 『AF-C+親指AF』 で撮影反射神経がアップする

AF-Cと親指AFを組み合わせることで、ピントを合わせ続けながら好きな時にシャッターが切ることができます。ピントを合わせた後に親指をAFボタンから外して、ピントをそのままに構図をずらしての撮影も可能に。
いかがでしょうか。この操作に慣れてこれば、ピントの変化への対応や、とっさの反応がし易くなり、撮影の反射神経が上がります。もちろん、これが絶対的な正解というわけではありません。この方法を使用しないカメラマンさんもたくさんいらっしゃいます。僕の場合は、この方法に慣れてしまって、動物以外の撮影でも、シャッター半押しAFはほぼ使っていません。
個人の考え方や慣れ次第。決めるのは本人ですが、まだやったことが無い人は、是非一度試してみてくださいね。撮影の世界が広がるかもしれません!

注意点:ピントを合わせてから構図をずらす場合、ずらす角度に気を付けないとピントも同時にズレてしまいます。とっさの撮影ではなく、撮影の時間に余裕があるなら、先に決めた構図に合わせて、ピントが欲しい部分にフォーカスポイントを移動して、しっかりピント合わせをして撮影しましょう。

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さて、『+レンズ1本で始める野生動物撮影』として、いくつか記事を書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
カメラの設定の話や被写体毎の実践編等、まだ書いてみたいと思うトピックもあるのですが、設定は個人の好みにもよるし、被写体へのアプローチもそのプロセスこそが面白いのだと思います。そこに決まった正解って無いんですよね。だからあまり僕の考えを書き過ぎても押しつけになってしまうかと思ったりしています…。とは言え、皆様それぞれの「自己流」を創り上げていく上で、ちょっとした気づきや発見のきっかけになれればという思いもあります。また折を見て続編を書いてみたいと思っています。
読んでみたいという方がいらっしゃれば、是非コメントやツイートでリクエストくださいね。
今回も最後までお読みいただき、有難うございました!


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二神慎之介 / 東京/道東。写真撮り。映画『草原の椅子』から写真の途に。 現在はヒグマを中心とする野生動物を被写体に活動中。 http://www.sinh11.com/
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