想いを伝える
執筆者 minori
私は、今回のMother's Dayキャンペーン2023で紹介されるエッセイの数々の音読を担当している。
エッセイは、シングルマザーひとりひとりの個性を尊び、祝福する取り組みとして、生き方や家族の多様性を啓発するMother's Dayキャンペーンの中で発表される。現役のシングルマザーや経験者が地域を超えて執筆者やスタッフとして参画するプロジェクトだ。
私はひとつ前のキャンペーン(寄付月間キャンペーン2022)からエッセイを音読している。私自身もシングルマザー当事者だ。
ずっと以前にナレーションについて少し学んだことがあり、子ども達が小さい時はよく絵本の読みきかせをしていた。保育園で紙芝居を披露したり、小学校の朝の読みきかせに出掛けたりもした。
そんな私だが、ずっと音読が身近にあったわけではない。子どもたちが大きくなるにつれて、本を読みきかせる機会は減り、声を発する時は、子ども達を叱っている時だけという時期もしばらくあった。
仕事も、家事も、子育てもあれこれ手をつけては、全てが中途半端。落ち着いて、1つのことに向き合う、そんな時間も持てなかった。
そんな中、シングルマザーたちが作成したエッセイを音読で発表するという機会に出会った。
「是非読みたい!エッセイがより鮮やかに遠くまで届く様に羽をつけて、私に読ませて欲しい!」
断られたらどうしようという不安を覚えながらも、想いの方が強くなり、名乗り出た。
幸いにもその想いを受け止めていただき、今こうしてエッセイを声で伝えるということができている。
なぜ強く読ませてほしいと思ったのか、それは、前回のキャンペーンで私自身もエッセイを執筆し、校正者や仲間と制作する作業を通じて、自分たちが持つ力の大きさを改めて感じたからだった。
そして、完成された仲間のエッセイを読むことで、私自身がとても勇気づけられたということもある。
どのような状況にいても、私たち自身が持つ力を、ひとりひとりの素晴らしい人生の一編を、まだ出会っていない、たくさんの人達に届けたい。そんな風に思ったのだ。
エッセイを音読するときには、執筆者の紡いだ言葉が秘めた気持ちに想いを馳せる。騒がしい日常から離れ、文字と自分の声だけに集中する。
あれこれ気が散って日々を過ごしている私にとっては、一種のセルフケアにもなっている。心を研ぎ澄まし、集中できるとても貴重な時間だ。
自分の想いを実現することが、誰かの心の琴線に触れるなら、そんな嬉しい事はない。
今日も執筆者の気持ちが、あなたに届きますように、願いを込めてお届けできることを私はとても嬉しく思う。
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