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好転させるためのビジネスヒント

折角の秋晴れが台無し。
朝から全国の営業責任者を集めてリモート会議。
販売目標達成のために...なんてお題目で。


どうして売ることだけを目的にしているのだろうか。
これでは全く楽しくないし結果も出ない。
何故分かって頂けないのか。


大事なことは、売るためにどうしたら良いかではない。これは随分前から後輩君たちに伝えて来ました。本当に大切なことは、販売した商品の先にあります。つまり、どうしたらお客さんに喜んで頂けるのかを真剣に考えるべきなのです。


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僕は医薬品の業界にいます。
顧客とは、基本的に医師や薬剤師などの医療従事者となりますが、ここで大きな誤解が生じています。顧客は本当に医師や薬剤師なかです。


実際にお薬を投与されるのは患者さん。
僕は患者さんこそが本当のお客様だと思っています。
だから、患者さんの具合が良くなったり、ご家族の方の喜びの声が聞こえる度に、嬉しくて喜びを実感するのです。


100%営業目標を達成できたから嬉しいのではなく、患者さんやご家族の方から喜びの声が聞こえるから嬉しいのです。


それなのに、いつまで経っても顧客は医師や薬剤師だけと定めた販売戦略を続けている。どうして分からないのかな。自社品の良い部分を更によく見せようとする。そんなに甘くないよ、医師や薬剤師の方は賢いので、そんな小手先のちっぽけな戦略なんて全てお見通しなのにね。


薬の販売は食品と違って副作用があります。特に、僕が関わっているのは癌の分野。癌は一人一人顔があり、同じ治療が奏功するとは限りません。個別化医療なんて言葉もあるように、医師は一人一人の患者さんと向き合って治療戦略を立てています。だから、僕は「止めてください」「他剤の方が適しています」を口癖にしています。


しかし、現状は90%以上の営業担当者は「試してください」と自社品を勧めています。でも僕は「止めてください」を軸に活動しています。


「止めてください」と言われた医師はどう反応するか。
殆どの営業担当者はここが分かっていません。



「止めてください、他剤を使ってみては如何でしょうか」と提案すると、殆どの場合「なぜ使えないのか」と切り返されます。
でも、大事なのはこの次です。


「では、どんな症例なら使えるのか」


そこから具体的な症例の話に展開するのです。
こうなったら勝ちパターンです。


「この症例は使えそうです、何故なら、、、」てな具合に。


だから僕は数字に困ったことがありませんでした。社会人になって営業を続け来た間は、一度も未達したことがなかったのです。自慢話ではなく、この思考を共有してたかつての同僚たちも、皆さん実績は良かった。全員でインセンティブを獲得して、年に何度も海外遠征に出かけたこともありました。


数字なんて軸が定まっていれば後からついてくるもの。
今でもそう考えています。


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朝から気合を入れて「売ろう、売ろう」といくら考えても、何も売れません。患者さんの笑顔が見たくて、一生懸命に勉強して提案する。そうすれば自然と結果はついて来る。患者さんの方が選んでくださるし、信頼を勝ち取れば医師も処方して頂けます。


そして自分の薬剤特性が医師の手の内に入れば、この分野でもはや宣伝は不要なのです。製品を売る前に自分自身を宣伝する。そして信用や信頼を勝ち取るのです。


SOV(share of voice)の時代からSOM(share of mind)の時代になって久しい。でも、まだまだ競争が激しい現場では、SOVが主流になっています。


僕は言い続けます。
使って欲しければ使わせるな。
使わせたければ信頼を勝ち取れと。
これが僕のビジネス方程式なのです。


最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
清々しい秋の夕暮れ。美味しいものが食べたいな。


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