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『さいはての彼女』女性が女性をスキになる瞬間がカッコ良い

そんな「線」は、どこにもない。もしあるとしたら、それは耳が聞こえる人たちが引いた「線」じゃない。お前が勝手に引いた「線」なんだ。

-「さいはての彼女」抜粋-


先天性の疾患で、小学校4年性から完全に耳が聞こえなくなってしまった娘のナギちゃん。音が無くなった世界にいる自分。そして友達との間に「線」があると涙ながらに語る。その時父親が放った言葉が素敵すぎる。


お前が勝手に引いた「線」なんだ。
そして父親は魔法の乗り物を紹介する。ハーレーダビッドソンだ!


いいかナギ。こいつは魔法の乗り物だ。こいつに乗れば、どこまでも行ける。どんな遠くまでも、さいはてまでも。「線」なんか、どんどん越えて。

-「さいはての彼女」抜粋-


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今日紹介する著書は「さいはての彼女」少し前の原田マハさんの作品です。
音を失ったナギちゃんは、父の勧めもありハーレーの魅力にどっぷりハマって行く。そして自由に一人旅に出かけ、旅先で多くの友人を作り人間関係の和を広げていきます。



本作品は、バリバリ仕事をしてきた女性の一人旅を綴った短編集ですが、旅先で自由に生きるナギちゃんと出会い、自分のストレスフルな生活を客観視できるようになって行きます。気がつけば、ナギちゃんの魅力に吸い込まれ、人との接し方が優しくなる。そんな素晴らしい作品なのです。


毎日、ただ慌ただしく過ぎて行くのではなく、確実に前に進んでいる。完璧でなくても良いではないか、嫌なことがあっても解決する方法がきっとある。そんな感情も強く抱かせてくれる作品です。


また、女性が女性を愛おしく思う感情が本当に素敵です。
吹き出してしまう部分があったり、共感して泣けてくる部分もあったりで、読んでいるとあっという間に時間が過ぎてしまいます。


原田マハさんの作風は、どれもユーモアがありスッキリします。
読書の秋です。是非「さいはての彼女」を読み進めてみては如何でしょうか。毎度お馴染みですが、Kindle Unlimitedで無料なのです。


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