課題別レポート「コロナ禍におけるひとり親世帯の子どもの状況」英語版が完成しました
シングルマザー調査プロジェクトでは、今年の春に発表した課題別レポート「コロナ禍におけるひとり親世帯の子どもの状況」の英語バージョンを作成しました。
原文の日本語版レポートはこちら
新型コロナウイルス感染症による感染者の増加や経済的な打撃の中で、多くの人が大きな影響を受けてきました。新型コロナ感染症が拡大する以前から、経済的に苦しい状況にあったひとり親世帯の子どもたちの暮らし向きは、収入の減少や感染対策の中で、さらに厳しい状況を強いられたことが明らかになっています。
米などの主食が買えない、学用品が買えない、衣服が買えないなどという声が多く上がる中、政府による給付金は日々の生活費や滞納分、子どもの学校関連の出費や住居費などに使われてきました。その一方で、住居確保給付金などの救済制度があっても「知らない」「要件を満たさなかった」など、困窮右する世帯になかなか支援が届かないという課題も見えてきています。行政や窓口など、支援を必要としている人と制度をつなぐことが求められています。
関連記事:傷つく窓口―児童扶養手当の現況届の実態と改善要望
母子世帯がこのような苦境に立たされてしまう背景には、日本における教育費用の大きさや、"家族"が担う役割の大きさ、非正規雇用の問題点、男女間の収入格差、ジェンダー意識など複数の社会課題が重なり合っています。レポートを通して、どこかのだれかの話ではなく社会全体が直面している課題だということを、少しでも多くの人に知っていただければと思います。