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今夜は宮城•女川のさんまの寒風干しで瓶ビールを

 昨日、仕事帰りに立ち寄った地元スーパー「つかさ屋」さんでは、宮城•女川町のサンマの寒風干しがお買い得になっていた。

 2匹入り。
 今夜はこれで晩酌にしようと買い物かごに入れる。
 野菜売り場では、宮城県産の茹でとうもろこしにも値引きシールが貼られていた。とうもろこしは夫の大好物。こちらも買い物かごへ。さらに宮城県産の大根や福島県産の桃など、あれこれと。
 「フードロス解消」という言葉は大義名分ではないけれど、仕事の後に閉店間際のスーパーに駆け込んで買い物をする身にとっては、良い品を定価ではなく見切りシールが貼られてから買う心苦しさを和らげてくれるありがたい言葉だと思う。
 昨夜も地元食材のおかげで、節約晩酌かつ幸せ晩酌となった。

今夜の晩酌風景

 宮城•女川港水揚のサンマの寒風干しと大根おろし
 岩下の新生姜の豚肉巻き
 宮城県産の茹でとうもろこし
 宮城県産のつるむらさきのおひたし

宮城•女川港水揚のサンマの寒風干し

 しっかり干されて水分が抜け旨味が凝縮されたサンマは、焼くとさらに旨味が増す。
 最近の生サンマは、流通の進化のおかげでいつも新鮮で、焼けば脂が滴り落ちる極上の美味しさである。その反面、あまりに鮮度が良すぎるが故にアニサキスも元気だったりするので、ここ数年、スーパーで生サンマを買ってきた際にはワタを取り除いてから焼くのが習慣になった。もちろん、和食料理店などで職人さんが焼いてくれたものは安心してワタまでいただけるのだが。
 しかし、こうしてしっかりじっくり天日で干されたサンマなら、そのままグリルで焼くだけで、ぎゅっと旨味の詰まった身の美味しさに加えてサンマのワタ独特の甘味とほろ苦い旨味も堪能出来るのが嬉しい。
 美味い。


 日本酒にも勿論合うのだが、今夜の一杯目は瓶ビールにしてみた。

瓶ビールはサッポロの赤星
その向こうには我が夫の青春の握りこぶし


 私がビールという飲み物の美味しさを実感したのは、三十路に近くなってからだった気がする。
 苦さの中の甘さ、いや、苦さの旨さというべきか。その美味しさに気づいてから二十余年が経つが、サッポロの「赤星」ことサッポロラガービールはその頃から今に至るまで私のお気に入りである。
 特に、瓶ビールが大好きだ。
 初めての居酒屋で、ビールメニューにサッポロラガーの瓶ビールがチョイスされていると、もうそれだけでそのお店への信頼度がアップする。
 注ぐグラスは小さいほうがいい。ジョッキならば取手までキンキンに冷えているのが嬉しいが、個人的な好みを言えば瓶ビールを注ぐグラスは常温でいい。それも、薄く口当たりの良い繊細なグラスとは対極の、多少乱雑に扱っても割れなさそうなコップがいい。そう、グラスというよりコップ。居酒屋のカウンターの奥に無造作に並べられている昔ながらのあれ。ひと口あるいはふた口ほどでグイっと飲み切れてしまう小ささがいい。コップの横に出されたビールと同じ銘柄のマークが印刷されていたりすると、さらに嬉しくなる。


 などと思いつつ、昨日はステンレス製の保冷タンブラーで飲んだ。
 のんびり家飲みの夜は、ぬるくならないのが一番。
 保冷タンブラー最強。

 サッポロラガービールには、いくつもの思い出がある。
 好きだったお店のいくつかは、けれど今となっては、思い出の中でしか訪れることが出来ない。
 ありがとうの気持ちをいつか文章に出来たら、と思いながら、昨夜は久しぶりのサッポロラガーを味わった。
 美味しかった。




 


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