暑すぎる夏、冬の味覚のあんこうに思いを馳せながら共和えで冷酒晩酌
昨日、ツイッター上でのやり取りの中で、「茨城をたべよう」というサイトを教えていただいた。
茨城県にも、美味しい海の幸や果物がたくさんある。
特に「常磐もの」と呼ばれるブランドものの海産物の美味しさは、全国に知られているところである。福島県産の「いわき常磐もの」については過去のnoteでも何度か紹介してきたが、そもそも「常磐(じょうばん)」とは、かつての常陸国(ひたちのくに=現在の茨城県の大部分)と磐城国(いわきのくに=現在の福島県浜通り、中通り南部、宮城県南部)の総称である。
そんないばらき常磐ものの代表的な海産物といえば、やはり「茨城あんこう」だろう。
こちらのサイトを見て、思い出した。
あんこうと言えば茨城県なのだが、我が宮城県でも、頻繁に食べている。
昨日のnoteで私が北海道から東北に移住後に初めて目にした魚をいくつか挙げた際には触れていなかったが、「あんこう」もまた、私が移住後にスーパーの店頭で見てビックリしたもののひとつだった。
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私があんこうを初めて食べたのは、まだ宮城に移住してくる前、旅行で東北に遊びに来ていた際のことだった。
せっかくの機会だからと宮城県内在住の友人たちが牛タン専門店に連れて行ってくれたのだが、そこでサイドメニューにあったのが、あんこう唐揚げ。私があんこうを一度も食べたことが無いというと、友人たちが注文してくれた。
初めてのあんこう唐揚げ。それは、ぷにぷにふわふわの食感が楽しく、白身魚のような優しい味だった。しかも唐揚げなのに低カロリーと聞けば、ためらうことなく箸も進む。
あんこう唐揚げはサイドメニューの中でも若干高めの価格設定だったのだが、この美味しさなら納得だった。
その時は、次はいつ食べられるか分からないぞと思いながら、友人たちの厚意に甘えてバクバク食べた記憶がある。
いつ食べられるか分からないと思っていた「次」の機会は、2年前の宮城移住から半年ほど経った冬にやってきた。
しかも、居酒屋等ではなく、スーパーで。
仕事帰りによく立ち寄るようになった、近所のスーパーのお惣菜コーナー。そこに、鶏のから揚げやイカゲソとともに、あんこうのから揚げが並んでいた。
それだけではない。鮮魚コーナーの目立つ場所に、まるごと1匹のままのあんこうが置かれていた。あの、ぬめっとした茶褐色の大きな姿のままで。
これにはさすがにビックリした。
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勿論、私が目にしたスーパーのお惣菜になっていたのは、茨城県産の常磐ものの高級品ではなかった。
けれど、あんこう自体は冬になると当たり前のようにスーパーに並んでいたし、唐揚げだけでなく鮮魚の状態でも普通に販売されていた。
さすがに自宅で吊るし切りは出来ないので、まるごと1匹買うことは無かったが(でも、スーパーで売られていたということは、あれを買って帰るお客さんがいるということなのだろう)、そのまま鍋や唐揚げに出来るようひと口サイズに切られたパックのものは、よく買って食べるようになった。
買って帰ったあんこうは、さっと洗ってペーパータオルで水気をよく取ってから、塩・胡椒・片栗粉をまぶして唐揚げに。
美味しかった。
少ない油で唐揚げに出来る上に、骨が無いので短時間で火が通るのもありがたい。鶏のから揚げより手軽に作れる一品である。
旬の季節が短いので「我が家の定番」とまではなっていないけれど、一昨年も、昨年も、あんこうの切り身が手頃な値段で店頭に並ぶ時期には買い求めて自宅で唐揚げを作るようになった。
あんこうの旬は、冬。
今は、自宅であんこう唐揚げを作ることは出来ない。
その代わり、火を通したあんこうの身と肝を和えて味噌や砂糖で味付けして作られた保存食の「あんこう共和え(肝和え)」は、一年を通して販売されている。
まろやかな味わいが冷酒によく合う一品。あん肝は栄養価が非常に高いので食べ過ぎ注意ではあるが、日本酒のアテにつまむくらいなら、ちょうど良い。
クソ暑くて料理したくない日 猛暑日が続くこの夏は、我が家の晩酌のお供の定番になりつつある。
今回買ってきたのは青森県産のあんこう共和えだったけれど、福島県産のものも、よくいただいている。
調べてみると、あんこう共和えは青森と福島とで味付けが違うらしい。確かにこれまで買ってきて食べた物は味付けがそれぞれ異なっていた。そして、どれも美味しかった。
東北各地でも、茨城でも、あんこうを使った料理は地域の伝統として根付いているのだなぁとあらためて思う。
海の幸の食文化は、奥深い。
なんせ、暑すぎる今年の夏。
仕事も家事も、無理は禁物。料理する気も起きないような時は、共和えをはじめ買ってきたお惣菜や洗って切っただけの野菜でもいいのだよね、と割り切るようにしている。
もちろん、バランスに気を遣いつつ、呑み過ぎにも注意しながら、だけれど。
いばらき常磐ものの美味しいあんこう鍋を楽しむ冬を心待ちにしながら、この夏を元気に乗り切りたいと思う。
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