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ユニクロは価格競争からどう脱却したのか
ユニクロが年末セール中ですね。今年のユニクロはダウンアウターのカテゴリを3から6に倍増させ、ブランドの顔になりつつあるダウン商品に注力しているようです。
近年は成長目覚ましいワークマンが新たな競合として猛威を振るっていますが、百戦錬磨の経験を持つユニクロがどのような戦略で対抗するのか、今後の動きに要注目です。
今回はそんなユニクロがかつて成功させたと言われている、「フランカー・ブランド」という戦略を紹介したいと思います。
【フランカー・ブランドの成功事例】
フランカー・ブランドとは、自社の既存ブランドが競争相手から攻撃を受けた際、対抗ブランドを立てて、本来のブランドを守るようにすること。
例えば競争相手が自社の既存ブランドの類似商品を低価格で投入してきたような場合、それに対抗できる低価格の新製品を別ブランドとして市場に投入するような戦略です。
GUを価格競争に参入させて競合を圧倒。
ユニクロ自体は安いイメージからの脱却に成功
話は変わりますが、ユニクロの兄弟的な立ち位置にあるブランド「GU」は、ファーストリテイリングとダイエーの業務提携によって2006年に誕生しました。
今では、10〜30代の若年層をターゲットに、トレンドを取り入れた自由なファッションが低価格で楽しめるブランドとして、業界において確かな地位を確立しています。
でも、ブランド立ち上げ当時はとにかく「低価格」を前面に押し出したブランドであったことを覚えているでしょうか?
このGU、もともとはユニクロのフランカー・ブランドとして生まれたブランドではないかと言われているのです。
当時、ユニクロはファストファッション業界のトップランナーとして君臨していましたが、大手スーパーをはじめとする様々な競合がユニクロと同等の商品を低価格で販売するようになります。
このままいくとユニクロは価格競争に巻き込まれてしまう。
そこで、新たにつくった低価格ブランドがGUだったというのです。
GUはユニクロよりもさらに低価格で、しかも競合他社の製品と同じようなコンセプトを持っていました。
一方、ユニクロは高品質な素材へのこだわりや、ヒートテックをはじめとする機能性に優れた商品を訴求。「品質や機能性に優れたリーズナブルなライフウェア」というポジションを新たに確立していきます。
熾烈な価格競争はGUが担い、990円ジーンズを始めとする激安アイテム、全国への大量出店と大量販売、スクラップ&ビルドによる効率化を推進し、競合の進撃を見事に食い止めました。
そして、ユニクロは「安い」だけのイメージから脱却し、「機能性」や「高品質」のイメージを作ることに成功。
競合との差別化を確立したことで、さらなる売上アップに繋げることができたのです。
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