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乳酸菌でお腹を壊す私の話

最近「腸活」という言葉が流行っていて、腸に良い食事を積極的にとることが奨励されています。

この動き自体はとても良いことであり、推進されていくべきだと考えていますが、私にとってはこの流行が少し困った事態を引き起こしています。

それは、予想されない食べ物に乳酸菌が入っていることが増えているということです。


問題の詳細

私は過敏性腸症候群(IBS)の病歴があります。
今では日常生活に支障をきたすことは稀ですが、特定の食品を口にするとお腹を壊してしまうことがあります。

誤ってNG食品を食べてしまうと、時には激しい腹痛や胃痛に見舞われ、のたうちまわりたくほどの強い痛みに襲われることがあります。

そんな私にとっての天敵が、実は「乳酸菌」なのです。


私の専門分野では微生物を扱うことがあるため、乳酸菌についてはある程度の知識があります。

乳酸菌といっても、その系統は多岐に渡るため全てが合わないという訳ではありません。
ですが、ヨーグルトやキムチなど、乳酸菌を多く含む食品は私の体にとっては悪いもので、食べるとすぐにお腹を壊してしまいます。

さらに、ビオフェルミンのような乳酸菌サプリメントも同様に避けなければなりません。


最近では、想定外の食品にも乳酸菌が添加されることが増え、これまで安全だと思っていた食品にも警戒が必要になっています。

特に驚いたのは、地元のスーパーで購入した鮭に乳酸菌が添加されていたことです。

幸いにも調理前に気が付き、食べずに済みましたが、もし食べていたら、一晩中苦しみ、眠れなくなっていた可能性が高いです。


このように最近は乳酸菌入りの飲料だけでなく、食品にも注意が必要となっています。

気付かない方が悪いのですが、製品のラベルに小さく「乳酸菌入り」と記載されていることがあり、見落としがちです。

私が見つけた限りになりますが、コンビニで販売されているサラダやサラダチキン、さらにはパンにも乳酸菌が含まれていることがあります。

このため、私は飲料やお菓子だけでなく、購入するすべての食品に注意を払うようになりました。アレルギーを持つ人が慎重になるように、私も自分の体を守るために警戒する必要があります。


ちなみに、乳酸菌入りの物が売れるのはニーズがあるからですので、一部の人に配慮する必要は別にないと思っています。

辛い物が嫌いな人がいても、激辛好きの人がいれば物は売れる訳なので、企業側としてはそれを作らない選択肢はありません。

ですので私がこの記事を通じて伝えたいのは、乳酸菌に敏感な人がいること、そしてそのような人たちも安心して食生活を楽しめるように、少しでも情報共有をすることの重要性です。

改めてになりますが伝えたいことは2つです。

1. 乳酸菌が苦手だと分かっている方がいらっしゃったらお気をつけください。

最近はお菓子のみならず食事にも乳酸菌が添加されており、注意が必要な状況となっています。商品ラベルをよく読み、予期せぬ乳酸菌摂取による不調を防ぎましょう。

2. 乳酸菌がすべての人にとって良いわけではありません。

一般的に健康に良いとされる乳酸菌ですが、人によっては逆効果となることがあります。最近お腹の調子が悪いと感じる方は、乳酸菌の摂取を一時的に控え、症状が改善するか試してみることをお勧めします。


この記事を通して、同じように食品の中の乳酸菌に悩む方々に対して、少しでもその不安を和らげることができれば幸いです。また、乳酸菌を積極的に摂取している方々にも、乳酸菌が全ての人にとって有益であるわけではないという視点を持っていただけたら幸いです。

ちなみにですが、私は納豆にもやられますし、FODMAP食を試したこともありますので、そのことについてどこかで記事にできたらと思っています。


参考
精読した訳ではありませんので参考情報ということになりますが、乳酸菌をはじめとする細菌摂取のリスクに関して調査を行っている引用数の多い論文も結構あるようです。

Abstractの訳文から抜粋
プロバイオティクスの主な副作用は、全身感染、胃腸の副作用、皮膚合併症、心内膜の炎症、プロバイオティクスから正常な微生物叢への遺伝子移入、プロバイオティクスの代謝的有害影響、免疫系の刺激である。最もリスクの高いグループは、乳幼児、高齢者、入院中の患者、遺伝的または後天的疾患による免疫不全患者である。既存のエビデンスは、プロバイオティクスの処方や使用を推奨する前に、リスクとベネフィットの比率を慎重に評価することを示唆している。

Sotoudegan F et al. Food Chem Toxicol. 2019


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