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ショートカットだけじゃない!Excelの使い方をマスターしたい人へ | 外資系投資銀行のエクセル仕事術

今回ご紹介する本はこちらです。(記事中では省略して『エクセル仕事術』と呼びます)

この記事を読むと、

・本書の内容
・重要ポイント
・活かし方


が分かります。時間がない方は『重要ポイント』だけ読めば◎
最後まで読んでいただければ嬉しいこと限りないです!


前提

本書は、いわゆるエクセルの技術指南書ではありません。マクロはもちろんのこと、関数すら一度も登場しません。また、難しい財務会計の計算も出てきません。

本文 はじめに

実は、ここでいうエクセル仕事術=エクセルを用いたビジネスの話のことなんです。

エクセルが上手くなりたい!と本書を手に取る人も多いと思いますが、もしかしたらショートカットやマクロ、関数の使い方は『Excel関数ブック』等の方が達成できるかも…?

ですが、読んで損することは絶対にありませんので是非『エクセル仕事術』を読んで、広い視点でのエクセル活用を学んでいきましょう。

本書の内容

『エクセル仕事術』は全体が4つの章で構成されています。

第1章 見やすいエクセル 
第2章 ミスのないエクセル 
第3章 速いエクセル 
第4勝 エクセルで数字に強くなる

第1章では、”見やすい”エクセルの作成のために、揃えておくべき認識を確認しています。
例えば「文字は左揃え、数字は左揃え」や、行や列を隠したいときには非表示ではなく「グループ化」を使う、などです。
また、このようなエクセルの使い方のフォーマットを社内で共有しておくことの重要さにもふれています。

文字は左から読むため左揃え、数字は右から読むため右揃え

第2章では、”ミスのない”エクセルの作成のために、計算ミスを起こさないようにするエクセルの使い方と、計算ミスを発見するためのツールを紹介しています。
例えば「ベタ打ちの数字と数式は切り分けて使う」「シートの構成をチャートにまとめる」などです。
また、「トレース」というエクセルの機能を用いて関数の参照元を矢印で表示することで、計算のチェックをしやすくする方法も記載されています。

トレース:予算のセルには=(1日当たり)*(日数/月)が入っているので、上のような矢印になります

第3章では、”速さ”に注目し、エクセルでの作業をスピードアップするショートカットなどを紹介しています。
Ctrl+何か、Alt+何かのショートカットのほかに、PC環境によって作業を効率化する方法も。
また、エクセル・数字を使う機会を増やすなど、意識するだけで変えられる部分についても書いてあります。

テンキーは=を一手で押せる、数字を打つのが早くなるので必須アイテムだそうです。

第4章では、第1章∼第3章までのメソッドを活かし、実際の事例に沿ってエクセルでの収益シミュレーションを行っています。
マクドナルド、東京ディズニーリゾート、ソフトバンクなど身近な企業について、行っている収益シミュレーションの特徴や評価を述べています。
シミュレーションの構成、構築や感応度分析についても詳しく記載があるので、それぞれのケースに合わせた分析を自らで行うことが可能に!

重要ポイント

ここからはこのnoteの筆者である私が、特に重要だと思った事柄をまとめて2つご紹介します。

①フォーマットの統一を徹底する

一番問題なのは、「私はこのフォーマットが好きだから」という理由だけで、チームのルールを無視して、独りよがりのフォーマットでエクセルを使ってしまうことです。

本文 第1章

第1章では見やすいエクセル作成のための技法を学びましたが、それを自分だけ理解し使えるようになっても意味がありません。実際にエクセルをビジネスの場で使うことを常に想定している本書だからこそ、『社内でフォーマットを統一する』ことの必要性・メリットについて詳しく教えてくれています。

②計算ミスを防げるカルチャーをつくる

難しい計算をしている人がいたら、「これはわかりにくいから、もっとシンプルにして」と、はっきり言うことです。難しい計算をすることがカッコいい、と思うのは間違っています。

本文 第2章

第2章では計算ミスを防ぐというテーマでテクニックや知識を紹介しましたが、大体の解決策は「シンプルにする」というものです。
ベタ打ちの数字と計算式はきっちり別のセルに分ける。計算過程は縦に展開しておく。
このようなミスをなくすための作業をチームで徹底するために、シンプルにできていない部分を指摘しあえる環境をつくるということが重要になってきます。
これはエクセルに関してのことに限らず、他の業務に関してもメリットが享受できるはずですね。

活かし方

・エクセルを動かしてみる
文字で読んだだけではもったいない!トレースやF2キーなど、気になる機能は実際に使ってみることをおすすめします。

・エクセルファイルを評価する
機能やその使い方についての理解を深めたら、実際に今自分が使っているエクセルファイルについて、「いいエクセルになっているか?」と評価してみるのもまた、理解が深まります。
例えば「色を使いすぎてないか?」「シートに名前を付けられているか?」など、ちょっとしたところから改善の余地は見つかりそうですね。

感想

従来のエクセルのショートカットやマクロ、VBAに注目した技術指南書とは一線を画しているように思えました。
エクセルをうまく使うことが目的なのではなく、ビジネスにおいて分析を行ったり、数字によって説得力をもたせたりすることを目的とした、手段としてのエクセルについて詳しくなることができる一冊です。

補足

『エクセル仕事術』の著者である熊野整さんは、ダイヤモンド社のサイトで無料記事を公開しています。
以下の記事は、『エクセル仕事術』の内容に近いものがありますので、購入を迷っている方は一度読んでみてもいいかもしれません。

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