見出し画像

本気で向き合うこと。

「OKIRIさんは日本人ぽくないですね」

社会人3年目くらいの人事面談。初対面の人事の方にそう言われた。

失礼な!…とは全く思わなかった。私が自分自身に関して同じ認識を持っているからだ。

見た目は、誰がどっからどう見ても純ジャパニーズな田舎娘ののっぺり塩顔なので、見た目の話ではない。(と思う)

そう、私は中身があまり日本人ぽくはない。

この多様性の時代に、1.2億人もの人々を日本人という一言でまとめてしまうのは少々気が引けるが、許してほしい。私は違うよ!という異論も大歓迎だ。

さて、ここで定義する日本人とは、どんな人を指すだろうか。皆さんは「中身が日本人ぽい人」と聞いてどんな人を想像するだろうか。

“反対意見を相手に率直に言わないこと”

私はこの姿に日本人らしさを感じる。

もちろんこれは良さでもある。時には言わない選択をすることも重要だ。郷に入っては郷に従え。長い物には巻かれろ。そんなことわざもあるくらいだし。

しかし、こと仕事においては私はこの姿は捨てるべきだと考えている。

職場では、とは言っていない。仕事では、だ。

職場だって人間関係は大事だから、職場の方にも相手を慮って言わない選択をすることが求められることもある。

でも、そこに仕事が絡んできたら話は別だ。

どんなに信頼している上司でも、どんなに仲の良い同期でも、どんなに好かれたい後輩でも、言うべきことは言うべきだと思う。

仕事は遊びじゃない。

仕事は良好な人間関係を築くことが目的ではなく、有形無形にしろ何か価値のあるものを作り出してそこに金銭という対価をもらうのが目的だ。

価値あるものが溢れるこの時代で勝ち続けるためには、高め合っていく必要がある。

スペシャリスト、カリスマ。そういう人たちが引っ張っていく会社もあるだろう。

でも、その人たちがいなくなってしまったら?

一代で終了で良いのなら別に良いのかもしれない。でも、続いて築いていきたいのであれば、より多くの社員が同じ方向を向いて高め合っていく必要があると思う。

同じ方向を向いていても、人それぞれ築いてきたものが違えば出てくる意見は異なったりもする。人はロボットではないのだから。

その意見を相手に伝え、相手の意見に耳を傾け、メリットデメリットを洗い出した上でお互いが納得したより良い案を選択していく。

そうやって、価値あるものは生み出されていく。

私はそう信じているから、何か思うことがあれば率直に言ってほしいし、自分も伝えるようにしている。誰に宣言して働いている訳でもないが、私が遂行している密かな #仕事のポリシー だ。

たまに仕事を超えてもズバッと言ってしまう時があるが、それは少し問題ありのため改善奮闘中。

…とは言うものの、実は仕事以外でも必要なのではないか?と思っているからこそ改善しきれていない実情がある。

それは、私が日本人ぽくない性格になった理由が、母の影響を受けているからだ。

私の母は、私以上に日本人ぽくはない。

誰に対してもどんな時でも母で在り続けるというか、思ったことは非常にストレートに言うのだ。

私は母の仕事姿を見たことはないので、仕事だけでそうなのではなく、友人に対しても家族に対しても(私から見た父からの祖父母(母から見た義父母)に対しても)ガンガン思ったことをぶつける。

嫁姑問題とかあると思うが、うちは祖母が根っから優しい人であるせいもあり、圧倒的に嫁が強い。

悪く言えば過激な性格な母なのだが、不思議なことに誰からも愛されている。

表面的に好かれているように見えるという話ではなく、傍から見ても心から愛されていると感じる。

その理由は、私が身をもって体験して知っている。

私自身も相当強めな教育を受けてきたと思う。駄目なことは駄目とはっきりガミガミ言われてきた。何度、母の琴線に触れて雷のような大目玉を食らってきたことか。

でも、母のその雷には愛があるのだ。

言い方には1ミリも愛はないが笑、言ってくれる内容は私のためになることばかりで、母に教え込まれたことは今の私の基盤となっている。(私が他人から褒められる部分は大体母の教えに基づく部分なので、客観的にも良い面が育ったのだと思われる)

人として。そういう大事なことを叩き込んでくれた。

そう。相手を慮って言わない選択をすることも大事だが、相手と心底向き合って相手のために言ってあげる選択をすることも大事だと、母は実地で私に教えてくれたのだ。

それが理不尽なことであればただの悪者だが、相手を思って伝えるならば相手は必ず理解してくれる。(時間がかかる場合もあるが)

母だけではない。中学時代の部活の顧問もそうだった。毎日毎日、怒られた記憶しかないが笑、嫌いになったことはないし、私を、チームを強くしてくれたことに心から感謝している。

さっきは、仕事は価値を生み出すものだからとか理論的に理由を綴っていたが、あんなのは嘘だ。(いや完全に嘘ではない)

私は、とことん向き合ってぶつかり合って作り上げる、深くて強い人間関係を築いていきたいからそうしているだけだ。

だから、仕事に関わらず思ったことを言ってしまう性格が抜けきらない。きっと、#仕事のポリシー ではなく私の個性、私の信条なんであろう。

でも。入社1年目の時からあーだこーだと物申す私のことを褒めてくれた上司がいた。

「そんな感じで新人ならではの目線でどんどん意見を出してほしい」

生意気だとか、仕事も知らないくせにだとか言わず、私個人を認めて向き合ってくれる人がいる会社だったのだ。だから私は今の会社で私の個性、私の信条を思う存分発揮する。

入社して6年が経ち、今年2023年で7年目になるが、今も私は上司にチームに会社に物申し続けている。言うだけではなく許可をもらって実際に手を動かして変えてきたこともたくさんある。

日本人らしくないこの姿はチームの中でも多少異質な存在ではあるが、それが私の武器だ。

気づけること、気づいたことを提案すること。それは違うと言われれば、理由を聞いて納得すれば良いだけの話。

私は私の個性、私の信条をもって貢献していきたい。