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公式SNS「中の人」本を読み、"アイデア実行術" について考えた。


友人が編集した以下の本を読みました。
『自由すぎる公式SNS「中の人」が明かす 企業ファンのつくり方』


語るまでもないスゴ腕の企業Twitterアカウント「中の人」たちの金言が詰まった一冊でした。おすすめです。

僕も著者の皆様すべてのアカウントをフォローさせて頂いていますが、全員Twitterが生んだ化け者だと感じています。最高に良い意味で。

戦略性・機転力・社内外巻き込み力・言語非言語コミュニケーション力・リスクマネジメント力・言葉の編集力...。「中の人」の方々に、たぐいまれなる能力が身についたのは、毎日Twitterで発信を続けるという高頻度のPDCAによる成長、それ以外の何物でもないと想像します。おそらく失敗もあったり、試行錯誤したりしながら、Twitterの達人なんて遥かに超えて、一流のビジネスパーソンかつ究極のアイデアパーソンになった軌跡が、この本です。

で、読んだ感想を書こうと思うのですが、Twitterで身につく力の話は各所で語りつくされているし、Twitterはすべての個人や会社がやらなければならないものだとも思わないし、その話はしないのですが、

会社内でも、自分がしたい小さなアウトプットをみんながしやすい世界になったらいいよね、と思いました。

アイデア発想術、もとい、アイデア実行術は何かと聞かれると僕は「アウトプットファースト」と答えます。「じっくり考えたことを勇気を出して実行してみよう」ではなく、「思いつきを即やってみて、返ってきたリアクションを勇気をもって咀嚼しよう」でないと、だいたい何も起こりません。

ビジネス書を読んで、リラックスや安心感を得て心地よくなって、得たヒントをやってみることもなく、「ためになった」と言っていたら何も変わりません。他人や会社に迷惑をかけない(ちょっと迷惑をかけても許される)レベルで、間違いを次から次とやって、恥をかいたり、懺悔をしたり、その積み重ねで人は成長していきます。

ところが、今の社会、特に大きい会社などは、アウトプットが意外と難しい構造になっています。正確に言うと、リバイスをかけずに個人の意志や考えをアウトプットするのが難しくて、アウトプットを「させられている」。

僕はおもちゃ開発者なので、一緒にお仕事をさせて頂いている会社などは、年に数百点~数千点もの商品を世に送り出します。それはもちろん、その会社のとってのアウトプットです。でも、そのアウトプットはスタッフにとって、「している」つもりが、「させられている」アウトプットかもしれません。

大切なのは、いずれアウトプットを「する」ようになることです。

※ちなみに、僕もTwitterで、気づくと、つぶやかず「つぶやかされている」ことがあります。これ、やっている方は身に覚えがありませんか?


自分がやりたい企画を具現化させることはもちろん一筋縄ではいきません。それは当たり前ですが、発言とか、SNSとか、下手をしたら社外活動やプライベートの活動まで、自由にアウトプットできない力が働いていることがほとんどです。別にそれは悪いことではなく、何かの力にアウトプットさせてもらうことで、能力や人生が開けていくこともたくさんあります。それが第1段階の進化。最初はそれでいいです。でも、どこかの段階で、「自分の意志でアウトプットしてみる」ということが始まらないと、第2段階には進めません。

会社員時代に、僕は誰よりも社内の会議でボツ企画を提案してきた人だったことが自慢でした。あまりにもダメな企画で怒鳴られたりしたこともありましたが、それでも、それをやっている自分が好きでした。そんな中、ある時期の上司に、「ボツになりすぎると評価が下がるから、提案し続けることを一旦やめよう」と言われたことがありました。これは完全に、僕を気遣い、守ってくれようとした提案でしたが、僕はとても寂しく残念でした。そう言われたことが、ではなく、それで提案ペースを実際に落としてしまった自分に、がっかりしました。

評価、みたいなことがアウトプットを邪魔することがあるのも現実です。でも、アウトプットできない、は、会社の責任でもなんでもなく、個人個人の心ひとつによるものです。

Twitterをやろう、とは僕は薦めません。僕はやっていますが、不特定多数が見る世界に発信をするのは、対面で人と話すことに比べて正直怖すぎます。ただ、人それぞれ、小さなアウトプットを楽しんで「する」毎日にできたら、いいなあ、と思います。細かく言うと、一人で密かにやる活動ではなく、他の人最低一人のリアクションをもらえるアウトプット、です。

ネットでも、もちろん良いです。文章でも、作品でも、動画や音声でも、アウトプットすれば簡単にたくさんの人からのリアクションをもらえます。


でも、まずは敢えて、リアルでやってみませんか? その方が、実はネットより、リスクも難易度も低いです。リアルの方が怖くて緊張する、と思うのはやや誤解です。


会社で思いついたアイデアをさらっと話してみませんか? 逆に他の人がアイデアを話してくれたら、リアクションしてみませんか? リアクションも立派なアウトプットです。

企画書を書いて提案してみませんか? ボツなら、どうしてボツか、自分や他者と対話してみませんか? 紙に文字や絵を描く形でも何でもいいから、プロトタイプを作って人に見せてみませんか? 社外秘なら、社内でいろいろな人にちょろっとずつ意見を聞いてみませんか? 実は、リアルで人と対面して行うアウトプットは、一文字間違えただけで誤解されるネットより安心で、怖くありません。最後は話せばわかり合えるから。

僕たちは行動力を今の10倍身に着けて、社会に幸せを与える仕事をしていかなければなりません。なんちゃってイシューに対してアウトプットさせられているだけでは、社会も自分も変わりません。自分の意志で間違いだらけの小っちゃな行動をすることが、自分の人生にどれほど大きな価値があるかを体感していく必要があります。

この本に出てくる「中の人」たちは、Twitterでつぶやくだけでなく、現実にも対話し、行動している点が最大のポイントです。この本から読み取って得られる最大の価値はそこだと思いました。「つぶやく」とは本来、小さい声でひとりごとを言うという意味ですが、中の人たちはバーチャルに存在してひとりごとを言っているだけではありません。リアル世界の仕事が9割なんです、当たり前だけど。


繰り返しですが、
みんなが、自分がしたい小さなアウトプットをしやすい世界になったらいいよね。

その世界を正として作るために、最初にやり始めるのは、僕たち、みんなです。頭に浮かんだことを隣にいる人に口でつぶやいて、一歩行動してみましょう。以上、読書感想文でした。著者の皆様、貴重な教えをありがとうございました。 


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