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現実を直視して行動する

 昨年の出生者数が過去最少を記録したと報道されていました。

 政府も将来世代への財政負担の先送りを顧みずに子育て予算の拡充に動いていますし、マスコミも何とか対策を講じろの大合唱ですが、ここまでくると、傾向に拍車はかかることはあっても、急反転することはないですので、今後30年ぐらいは、少子化前提で物事を考えないと、すぐにひずみが生じて、政策の空振りになり、無駄な公金支出になってしまいます。

 結局、政治が短期でしかものを見ることができなくなっていて、政治家個人もキャッチーなところで勝負せざるを得ず、声を大きなところに引っ張られ、一時の感情で物事が決まりがちな状況にあり、種まきから収穫まで時間のかかる、息の長い政策とか、冷静な議論で落としどころを見出すとかは、少なくとも表面的には、やりにくい状況にあると思います。

 地方創生、保育所不足、DXと、一時的に祭り上げられ、もてはやされても、政治家にとっては一時のポジションを取るためのツールにすぎず、行政は政治やメディアに追い立てられて、パイの奪い合いに参入し、その結果、
儲かるのはコンサルだけで、当事者になった人たちは、話題の賞味期限が切れれば、捨て置かれるし、40年というなりわいのライフスパンを考えると、今の損得で入ることは危うい。

 教員の倍率低下や、その他子ども関係の業種も、冷静に次の40年を見据えると、先細りは目に見えており、覚悟を持った人しか志望しないというのは、むしろ自然な流れなのではないでしょうか。

 ここ10年ぐらいで人口減少対策に取り組んできたことは、地方創生であり、これは地域間の人の引っ張り合いに公金を投入し、効果も期待できない移住定住促進策の拡充に走らせた点では、むしろ罪の方が大きいように思います。

 是非はありますが、移民の問題にもう少し真摯に取り組んでいれば、少し状況は変わったかもしれませんが、基本的に、経済がシュリンクしても移民は入れないというスタンスであり、外国人の受け入れは、相手国の国民に対し、日本に入る「特権」を与えるという態度で、それを社会全体も是としてきました。。

 今に至ると、そもそもの経済の停滞による相対的な所得水準の低下と、円安により、少なくともお金を稼ぐ場所としては、海外から見ると魅力に乏しい国になっており、相対的な経済的地位の低下は続くでしょうから、今のように悠長に移民問題を議論しているうちに、そもそも移民問題がなくなるでしょう。

 政治には構造的に期待できず、経済全体の浮揚も難しく、人手不足によるひずみは大きくなる一方であり、今までの価値観とかやり方に固執しては、どうにも立ち行かなくなるように思います。 
 そこを、これまでの価値観により何とか打開しようという動きは、建前として続くとは思いますが、これに巻き込まれると、不毛なエネルギーを費やすことになるので、
少なくとも個人としては、こうした建前のところに吸い付いて、アリバイ作りの公金支出のおこぼれをもらうか、
政治や現在の社会制度の仕組みには期待せず、組織や地域にとらわれない経済基盤の確保と移動の自由を手に入れることに、注力することが大事なように思います。

 これ、簡単ではないのですが、この先、社会制度に守られているほど、真綿で締め付けられるように、身動きが取れなくなり、いずれ社会全体の落盤に巻き込まれかねません。

 今の日本は、普通に考えると危機的なんですが、頭のいい人たちの考えたからくりにより、今のところは何とか回っている、ただ、いつまで自転車操業が続くかわからないという、滝つぼの前にあるような危うさにあるわけで、僕自身、現在の立ち位置の居心地の良さ、何となく組織で役目を果たしているという満足感の先に何があるのかを冷静に考え、組織や地域にとらわれない経済基盤の確保と移動の自由の実現を目標に掲げ、心をそこに用いて、今日も生きていきたいと思います。

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