奈良 啓佑

にわか劇団けだものの界隈主宰脚本演出 筆名はヘッダーに 文藝賞第55回四次通過作「わり…

奈良 啓佑

にわか劇団けだものの界隈主宰脚本演出 筆名はヘッダーに 文藝賞第55回四次通過作「わりと痛い」 個人誌 「友だちの国」未定 「夜の鷹は嘘つき」(仮題) 2022年秋頃発売予定 イキウメ文芸部 小説、詩、短歌、作詞など

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  • にわか劇団けだものの界隈

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    📌「たかが移動」 2024/03/16(土) ~ 2024/03/17(日) 劇場 イズモギャラリー

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にわか劇団けだものの界隈「来世センターにて」

期間 2023/05/28 (日) ~ 2023/05/29 (月) タイムテーブル 5月28日(日)15:00/19:00 5月29日(月)15:00/19:00 上演時間: 約1時間15分(休憩なし)を予定 劇場 下北沢 Reading Cafe ピカイチ 出演 中川映子、モリサキミキ、鈴木麻美、田原ノブヒデ、他 脚本/演出 奈良啓佑 料金(1枚あたり)1,500円 チケット代と別に1ドリンク制(500円~)です。 あらすじ あらゆる魂が命を終えると来世を決めるため

    • 最近のこと

      本を読んだ。ワクチンを打った。ずっとくりかえし同じ歌を聴いていたら思いつく場面があった。たとえばそれは、俺でもあの子でもアイツでもない誰かと誰かで、ただ俺とは関係のないことを会話している。ベケットの「ゴドーを待ちながら」みたいに何かを待っている「誰か」たちだ。俺はいいたいことがあるくせに何をいいたいのかは自分ではわからず、そのためにこうして突然誰かと誰かが頭で会話しはじめるのだ。いいたいことは遅れてやってくるので、その会話のどこの部分を、一体誰にいいたかったことなのか、それが

      • 彼方

        血を分けたはずの肉親が彼方からきた遊星Xの住人にいつのまにか、なっていて、私とは違う言葉で叫んでいて、私はいうことをききたくないので、そもそも何をいっているのかわからないので、だけど目や鼻や口は同じ数だけついているので、その姿と形で、ああ、きっと、命令なんだとそれだけはわかってしまうので、どうしてこの血であるかぎり、あなた方にそんな資格があると思うの、と訊きたくなってしまった。 〇月×日 この星にしがみついているだけなのに、なんて冷たい海にいるのと、まるでここには太陽がいな

        • 銀河

          もしかしたら いわれたことが あるかもしれないけど きみはかわいいよ もしかしたら 何度もとどいて あきているだろうけど 無限ループラブだよ とてもね もしかしたら 銀河なんて 果てしないけど どんな果てでも きみが生まれて よかったよ ぼくらは 知っている範囲でしか 生きられないけど きみがしっていることを おしえてくれたら その銀河だけで ずっと生きて いけるよずっと

        にわか劇団けだものの界隈「来世センターにて」

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          僻地

          魂は「他にもある」って ずっと思って、 絵に描いたようなあほだ。 (疲れた) そのうえ 何も持ってないから、 文字に並べてもバカまるだしだ。 かっこいい誰かも、かわいいあの子も、かしこい大人も、私ではない。 そのことが 「色も見えない、内臓を苦しくさせて、砕けてもまた砕けて、 目にも見えない、無限に細かくなって、それでも痛い」って、 (いかれてるよ、おまえ) 誰にでもいえることを まだ誰もいってない方法で なんて、私に見つけられるわけがなくて、 探しまわって、歩くのをやめ

          束ねる季節

          暴露 酔っ払った アシュレイが ついつい 口を滑らせた。 「絶対、誰にも言ってはいけない 国家機密を 教えてあげる。 日本語で 書かれた本を ひらいたら いたるところに ついている 本の、メールの、さいごの「。」 どれでもいいから、 じーっと、 じーっと、 見てごらん。 全てのまるは ゆっくりと 自転している、 君が昔書いた作文の 全てのまるが たとえ実家の引き出しにあっても 回り続けているだろう あれはすべて 小さな星さ 今生きている ぼくらの星も だれかの終わり

          束ねる季節