僻地
魂は「他にもある」って
ずっと思って、
絵に描いたようなあほだ。
(疲れた)
そのうえ
何も持ってないから、
文字に並べてもバカまるだしだ。
かっこいい誰かも、かわいいあの子も、かしこい大人も、私ではない。
そのことが
「色も見えない、内臓を苦しくさせて、砕けてもまた砕けて、
目にも見えない、無限に細かくなって、それでも痛い」って、
(いかれてるよ、おまえ)
誰にでもいえることを
まだ誰もいってない方法で
なんて、私に見つけられるわけがなくて、
探しまわって、歩くのをやめたくなる
(端などない 誰も知らない順序で愛されたい)
「この前たまたま、たどり着いたお店で、拾ったもの、なーんだ?」
「ありがとう、こんなところまで、きてくれて。隣に、いてくれて」
「(無視して)なーんだ?」
「(きみの一握の砂金がキラキラとひかったので)おうごん?」
「そう。小さい、金色」
「そうなの?」
「そうだよ。星みたいでしょ?」
(ここが僻地でも歩くのをやめないでいいかな……)
「知らんがな」って、
きみは手のひらの星を
最果てにばらまいた。
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