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【文章作成の基本】呼称(志望大学の呼び方など)について

 学校推薦型選抜(公募制推薦・指定校推薦)や総合型選抜(旧AO入試)などでは、志望理由書の作成が求められます。その中での適切な各呼称(呼び方)について、ここではまとめます。志望理由書は「書類」です。「書類」に書く上で適切な呼称がありますので、それを確認しましょう。

1.一人称は「私」で統一。

 「僕」は不可です。もちろん「俺」はもってのほかです。意外と多いのは「自分」。運動系部活動の出身者の文章にまま見られますが、これも不可です。志望理由書や小論文では、「私」で統一してください。

2.身内の呼び方は「父」、「母」など。

 「お父さん」、「お母さん」、「パパ」、「ママ」は不可です。「父」、「母」としてください。「お姉ちゃん」、「お兄ちゃん」は不可です。「姉」、「兄」としてください。「おじいちゃん」、「おばあちゃん」、「おじさん」。「おばさん」は不可です。「祖父」、「祖母」、「叔父(自分の父母の弟)・伯父(自分の父母の兄)」、「叔母(自分の父母の妹)・伯母(自分の父母の姉)」としてください。

3.志望先の敬称(呼び方)は「貴学」、「貴校」など。

 志望先が大学の場合は「貴学」。専門学校の場合は「貴校」。各種学校は「貴校」となります。意外と間違いで多いのは「本学」。「本学」は、その大学の職員や教授が自らの属する大学に対して使う呼称です。受験生は、その大学の関係者ではないため、「本学」は不可です。なお、就職希望者においては、就職希望先が会社法人ならば「貴社」、店舗なら「貴店」が適切です。同じく就職希望先が官公庁の場合は「貴庁」、役所の場合は「貴所」が適切です。また面接(口頭)では、「御大学(御校も許容)」、「御校」、「御社」、「御所(おんしょ)」など。

4.志望先大学に在籍する学生の呼び方は「在学生」。

 大学生に対して「在校生」は不可です。小学校・中学校・高等学校に在籍する生徒は「在校生」です。対して大学に在籍する学生は「在学生」となります。なお専門学校など各種学校に在籍する学生の場合は「在校生」。

5.大学の「先生」の呼び方は「教授」、「講師」など。

 大学の「先生」は、先生ではなく「教授」、「准教授」、「講師」、「助教」、「助手」と呼びます。大学の「先生」を包括的に呼ぶ場合は、「教授や講師など」でよいです。「貴学は充実した教授・講師陣で……」のように使います。専門学校を含む各種学校の「先生」は、「教員」です。「オープンキャンパスでは、教員の方から丁寧にご指導をいただきました」のように使います。なお、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の「先生」は「教諭」です。「私は小学校の先生になりたい」ではなく、「私は小学校教諭になりたい」という表記が適切です。保育園の「先生」は「保育士」。「保育園の先生になりたい」ではなく、「保育士になりたい」と表記します。その他の「先生」はその職業名を使います(養護教諭、医師や弁護士など)。

6.幼稚園の「子ども」、「生徒」の呼び方は「園児」。

 幼稚園や保育園の「子ども」は「園児」。小学校の「生徒」は「児童」です。「小学校教諭になるためには、児童の心を理解できるようにならなければならない」のように使います。中学校、高等学校の「生徒」は「生徒」でよいです。大学・専門学校・各種学校の「生徒」は「学生」。

7.大学の長は「学長」。

 小学校・中学校・高等学校・各種学校の長は「校長」ですが、大学は「学長」です。大学によっては「総長」(旧帝大)が使われていますが、「学長」でよいです(学校教育法による)。私立大は各大学によって異なる呼称があるので、自身の志望先大学の資料等で確認のこと。

 これらを間違えて使って、それだけが原因で落ちるということはまずありえませんが、その書類に目を通したとき、読み手の「大人」としては大変違和感を覚えます。志望理由書や小論文では、正しい呼称を用いましょう。


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