12年の時を経て、ホームベーカリー再始動。
イーストで生地が発酵する香り。
パンが焼ける香ばしい香り。
思わずほほがゆるむ幸せな香り。
私はパンが焼ける香りが好きだ。
パン屋さんで一日中パンの香りを浴びていたいと思うほど。
パンの香りに魅了されている。
遡ること12年前、友人がホームベーカリーを購入して、パンを振る舞ってくれました。
焼き立ての香りに包まれながら、ふわふわの出来たてパンに、ジャムやバターを塗ってお腹いっぱい楽しみました。
それからしばらくして友人が
「パン焼き器やっぱ使わんからあげるわ。」と。
面倒くさがりの私がホームベーカリーを使いこなせる自信はありませんでしたが、いつか結婚したら焼き立てパンで迎える朝もいいなー。という、安易な妄想のもとありがたくいただくことに。
そうして我が家にきた象印のホームベーカリー。
初めは楽しくて食パンだけでなく、ロールパンやピザなどを作っては友人に配っていました。
しかし、あるとき急に飽きてしまい、ホームベーカリーはドライイーストと強力粉を道連れに、深い眠りにつくこととなりました。
そんな自分の怠惰と向き合いたくなくて、寝かせたままの2008年製のホームベーカリーが、まさか2021年に再始動することになるとは。
そのきっかけは、ホームベーカリー愛用家の母からのLINEでした。
「『はるゆたか』をネットで買ったんだけど、2.5kgが4袋で送料無料だったから、10kgもあるんよ。ホームベーカリーあったよね?焼くならひと袋送ろうか?」
ちょっと面倒なきもちもありましたが、せっかくの母からの提案を断るのも申し訳なくて、前向きに検討することに。
ただ、このホームベーカリーはまだ動くのか?
譲ってくれた友人と母は「動かない」に1票。
夫は「動く」に1票。
多数決だと「動かない」になりましたが、とりあえずスーパーで強力粉とドライイーストを買ってきて、食パンを焼いてみることにしました。
箱から出して、材料を入れスイッチオン!
愉快なメロディとともに問題なく始動しました。
3時間ほどしてくると発酵の香りがしてきました。気になって覗き込むと、ちゃんと膨らんでいるご様子。
それから約5時間。
小ぶりながら、どうにか無事に焼きあがりました!
焼き立てのパンに包丁を入れると、中がふわっふわで、思わずそのままつかみ取って食べたい衝動に襲われました。
急いでテーブルに着き、バターを塗って大きな口でかぶりつきます。
耳はカリッカリで中はふわっふわ。その食感とパンの香りに魅了されて手が止まりません。
いくらでも食べられちゃいそうで、自制することにひと苦労。
母に報告すると、さっそく「はるゆたか」を送ってくれるとのこと。
「はるゆたか」は数少ない国産小麦で、膨らみ方、香り、風味が他の小麦とは段違いなのだそうです。ホームベーカリー歴20年近くになる母のイチオシです。
私の面倒くさがりが発動しても、ホームベーカリーが2度目の眠りにつかないよう、パン好きの夫も巻き込んで楽しみたいと思います!
12年間も休んだ分、これからしっかり働いていただくこととします。