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スウェーデンの高齢者の暮らし

スウェーデンの人口約1045万人で、平均寿命 女性 84.7歳 男性 81.3歳で世界の中でも日本と同じように長寿の国と言えます。

医療機関や、福祉の枠組みのなかで高齢者とされるのは65歳以上の高齢者で、 人口の約20%です。この割合が10-20年変わってないことが日本と違うところです。

年金開始は個人の希望や生まれた時期によって異なりますが、61歳から支給されます。
多くの高齢者は65歳~70歳までは労働時間を少なくして、プライベートの時間も楽しみつつ社会との繋がりを持ち続けるために働く人も比較的多くいますが、退職後の生活に対しては若いときから夢があり、『自分のために時間をたっぷり使える時期』という思いがあるようで、新しい事へ挑戦する人もいます。


私のパートナーの叔母は以前学校の先生をしていましたが、リタイア後自分の親族について調べはじめ、ついにはその親族についての本を出版することになり、夢だった作家デビューをしました。


スウェーデンでは子どもが18歳になると育った家をでて、独立します。親に介護が必要な状態になっても、子どもと暮らすことは稀で、高齢者の4%しか子どもと暮らしていません。
スウェーデンでは親を介護する責務は市町村の行政にあり、その子供への扶養義務は廃止されているからということもあります。

65歳以上の3-4割が独居暮らしで、85歳以上では6割以上にもなります。そして、そのほとんどの人達が自宅で暮らしています。それは、高齢者がそれを望んでいるということもありますし、国が高齢者に対しできるだけ自宅で暮らし続けられような政策を作ったことによります。

ケアマネジャーの審査により入居が許可され、介護職、看護師、理学療法士、作業療法士の常勤する高齢者のケアホームで暮らす高齢者は全体の5%に過ぎません。


森の中の農家に一人暮らしをしている方ももちろんいますし、介護は必要ではないが日中看護師の訪問があり、食事やアクティビティーを高齢者同士でできる「サービスハウス」、元気な55歳以上を対象にした「シニアハウス」、高齢者が暮らしやすく設計された「安心ハウス」など様々なタイプの高齢者向け住宅があります。

高齢者はどのような住宅に暮らしていても、訪問介護や訪問看護が必要になれば、ケアマネジャーの判断により、公的なサービスの種類や時間をうけることができます。


多くの高齢者は、できるだけ住み慣れた自宅で、公的サービスを受けつつもその人らしい暮らしを最期まで送れることが幸せだと考えているようです。
 

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