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短歌:虫たちが起きる頃

水槽の蟻の巣に住む蟻たちは何を思うか啓蟄来る/銀猫
すいそうのありのすにすむありたちはなにをおもうかけいちつきたる

 小学生の頃、アリの巣の観察をするために、プラスチックの水槽にアリを入れて飼っていました。さすがにアリですから家の中には置かず、庭の隅の、屋根が掛かっていて雨が当たらないところに置いていました。あの頃は虫が平気だったのだと思うと、なんだか不思議です。

 アリは働き者ですね。巣の断面を見ているとよくわかりました。

 冬が近付いてきて、雪が降るから水槽をどうしようかと思い、家の中に置きたいと母に相談しました。母がいいという訳がありません。翌日だったか翌々日だったか、学校から帰ってきたら、水槽はなくなっていました。捨てられた、というよりは、庭に帰されていました。それでも、ひとこと断ってほしかったな。毎日観察日記を書いていたのですから。
 たぶん、勝手に家の中に持ち込んでくると思ったのでしょう。当時から、母は虫が大嫌いですから。

 さて、啓蟄です。いったん相当量の雪が解けたのですが、降り戻りがあり、当地はまだまだ雪深い。でも、地面の下ではそろそろ虫たちが起き始めているのでしょうか。

 ヘッダー画像の絵は、五歳のお子さんが描いたそうです。天才ですね。

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