マザー・テレサから学ぶ 組織と教育
マザー・テレサ
まず、知らない人は是非こちら ⇑ ただのWikipediaですが。
一言でいえば『ノーベル平和賞』を受賞した偉大な人です。
しかし、こんな偉大な人にも『黒い噂』がある。そんな記事や動画を見かけたことがあります。しかし、それらは実態を知らない表面的な出来事をそのまま感じ思ったことを提言している、正にそれこそ「それってあなたの感想ですよね」状態であることに残念な気持ちで一杯です。
その『黒い噂』というのを少し簡単に紹介すると
・貧困層へ厳しいことを唱え、自身の資産は数億と持っていてそれを分け与えなかった。
・痛みや苦しみは試練と言い医療を施し助けなかった。
・裏社会との繋がりがあった。
など…
これだけを見て聞くと「酷い！」と、平和賞を受賞しているという正に世界最大の「好感度」を得て、その好感度が高ければ高いほどちょっとしたことで印象が最悪になる芸能人のような民衆の声が聞こえてきそうですね。
では、少し考えてみましょう。
優しさと教育
「優しくする」ということって、そんなに素晴らしくて難しいことですか？
・・・では言い方を変えて
「優しく接する」と「優しい人を育てる」
どっちが簡単で、どっちが難しいでようか。
お仕事でも
「自分でやる」と「人にやらせる」
どっちが簡単ですか？
子供に優しく甘やかせて育てるのと
厳しく逞しく自立し立派な大人に育てるのと
どちらが楽でしょうか。
しつこいようですが、申し訳ありません。視点を変えて
物や作物などを開発して育て、作るより
力で奪い搾取し盗んだ方が楽ですよね。
世界中には様々な人、様々な考え方があります。日本人のように義理堅く、恩を仇で返さないのが常識、サムライだとか、礼儀なんて知らない人、そもそも義務教育なんて受けることもできない、学校という設備がない国なんかも沢山ある中で、そういったまるで『エゴ』のような偽善的な「優しさ」が通じるでしょうか。
「優しくされたから、自分も優しく接していこう」
なんて思想は、義務教育や倫理観をすでに持っている人への「施し」であり基礎教育をまだ受けていない貧困層や子供にその倫理と理論は逆効果でしかない事例が沢山あります。
新興国の実状
まだまだ先進国などと違い、日本でいう「縄文時代」や「弥生時代」「平安時代」の様な国や地域も多数あり、大昔の日本やヨーロッパも同じく「教育」が行き届くのは貴族や王族、ごく一部までにしか行き届いていないのが実状です。そして多くの”余裕がある”先進国や人々はずっと「間違えた支援」を続けてきた結果、どうなっていくのか・・・・・・
もちろん全ての地域という訳ではありません。
マザー・テレサに苦言し求めていたような「無償の愛」を期待している勢の考え方のように、毎年、何兆円という援助と「要らなくなった物の寄付」として”余裕”や”優越感”を満たしていく施しにより、現地の人達の『自立』と『開発意欲』『向上心』などを悉く奪っていったのです。
その結果が、中でも一番分かり易い例えが
『要らなくなった服の支援』
アフリカの奥地では大量の先進国から送られてくる「服」により、もはや「アパレル業界」や生地、繊維工場などの普及は不可能に近い。現地で「服屋さん」を営んだとしてもだれも買わない。何故なら国から無償で配られるから。
そういった事象が他にも多くあり、悪い表現で言ってしまうと先進国の善意な「お節介」と「マウント」が現地で「生産」の邪魔をしている。
もしくは・・・・・・
どこの国かは言えないが「過保護」なほど過剰な善意をアピールしインフラの強制や宗教観、優しさという武器を使った洗脳に近い云わば「調教」と「侵略」が行われ民主主義を利用し操作している場合すらある。
小さな恩を売り、その見返りは国土と資源と現地住民の労働力の全てというわけです。
現地での有識者の一部ではその侵略に気付き懸念を感じている者もいますが、もちろん国民や村民からすれば何もしてくれない自国の政府や軍隊等に比べれば通路や建物などが充実し便利になって喜び、感謝すらしている者もいてます。しかし、原住民の皆が気が付いた時には既に各会社の上層部や社長、役員、資産家、財閥などが占領され意見や政治に口を出せるポストに着き、自分たちの優位で楽な場所から楽な様に自分たちの都合良く指示が出せ、自国の民はほぼ永遠に労働力としてしか利用され生活ができなくなる。原爆と空爆で焼け野原となった第二次世界大戦直後の日本のように・・・・・・
やらせて理解させる労力
日本のボランティア団体の中には「侵略」「利用」といった思想とはかけ離れた正しい考えの元に活動していらっしゃるＮＰＯ団体も多くあり、そこの話でもこういった懸念やテレサのような考えで現地の人の「教育」と「成長」をしっかりと支援している方々もいます。
彼らの支援とはただの御恵み、施し、提供ではなく「学校の設立」「農業知識」「企業援助」という方向性で活動していらっしゃいます。これらが過去にも日本が植民地を”都合よくただの緩衝地”としていたのではなく、本当に復興が可能な様に教育をしている証拠でもあるかと感じます。現に台湾や中東でも多くの国が「日本の植民地時代の方がマシだった」と口々に証言されている由縁だとも思えます。
歴史的な偉人で言えば、『勝海舟』は「開国派」で有名でしたが、中国と朝鮮と日本で力を合わせてインドの復興に尽力しようとしていたほどです。
（その際に皆がお馴染みの福沢諭吉が「中国と朝鮮に他国を復興させる気なんて何一つ無い！」と断言したそうな）
その他アジア諸国が実際にどうだったかはもはや分かりませんが、勝海舟を筆頭に福沢諭吉も「そんなのやらない」と言っているのではなく、日本以外は奉仕精神など無いと言っているだけな部分がポイントだなと、私は思います。
こういった考え方というのは子供や部下、社員への「教育」にも当てはまります。
まだ何も知らない人へただ分け与える。そんな残酷な話があるでしょうか。目先の感謝と優越感だけは得られるでしょう。
餌の取り方、仕事の仕方、作物の育て方、経営の仕方、接客の方法etc…
動物で例えるのは失礼かもしれませんが、子供に餌の取り方や狩りの仕方を教えない動物たちの親がいますでしょうか。その子供は今後どうなりますでしょうか。一生、その子供の面倒を見るつもりなのでしょうか。それは件の奴隷としてでしょうか・・・・・・
良い組織や団体というのは「成長し合える」ということであり、上は下への教育方法を、下はその教育を受けた自分自身が実行できるようになるための創意工夫を続ける。そんな場に属するべきであり昨今、流行りの「パープル企業」に居るのは労力だけでなく時間すらも無駄と言えます。
カール・マルクスが『マルクスの資本論』の中にも記されているように「時間と労力の搾取」が資本主義への懸念点であり、貧困や差別が生まれる原因だと定義しています。しかし、ただ優しいだけの平等という偽善の裏に忍ぶ資本主義の最悪を利用する独裁者が存在し、その民主主義をも操作し絶対的な正義を掲げようとしている完全なる悪魔が牛耳ろうとしているやもしれないのです。
そんな価値観と世界にて育つこれからの世代にあなたはなにを託しますか？ただ楽に与えるだけでその場を凌ぎますか？それが本当に良い行いでしょうか・・・・・・
私個人的に、そのような名声や感謝が見返りとして欲しいだけの人物ではなく、本当に大変で面倒くさいことを継続的に努力し、嫌われてでも信念を貫いているような人たちが日の目を浴びて欲しいのと、テレサのように穿った捉え方がされるのは本当に可哀そうだと真摯に遺憾に思います。
身近な親や上司に対してもただ表面的な今の言動、行動を感じるがまま受け止めるのではなく、その少し先を見て判断が出来るようになってもらいたいと切実に願います。
マフィアとの癒着
そしてテレサが裏社会との繋がりを批判する声も聞こえるのですが、その定義を論する方々はそもそもスラム街や貧困エリアに現状を知っているのでしょうか。
安全な場所の安心な人たちの範囲で行われる善行と、危険で地獄のようなエリアで行われる善行では雲泥の差があります。
スラムでの権力や国民、村民のヒーローと呼ばれる者の殆どが現地のマフィアであります。もちろん、ショバ代やみかじめ料と銘じた搾取しかしない組織もありますが、何もしないくせに小さな事件で国民を逮捕しポイント稼ぎなだけの国家よりも、ご近所で頼りになる裏社会の人たちの方がそこに住む貧困層にとっては頼りにしているのが殆どです。
マフィア同士の抗争と軍隊や現地警察との睨み合いにより毎日のように銃声が聞こえ、外部からやってきた人物は武器や薬物の輸出業者だと思われたり敵対組織や国からのスパイと真っ先に疑われマークされる。もしくテロリスト、反乱軍が牛耳っている。そのような場での活動に、あなたは無力に無知に行かれますか？
筋を通し、面通しをしなければたった一発の銃弾で逆に消されてしまう恐れもある地で、何もしない私たちと比べてもそれでもテレサを凶弾するに足ることでしょうか。組織同士の争いもあり、国家からも指名手配されている裏社会の人たちと接触し、救済のためにそこまでできるでしょうか。某テロ組織のように拉致られ利用される可能性しかない状況で、表社会の偽善な価値観で渡り歩ける世界ではありません。
日本では侵略され布教されそうになった背景が過去にあり、いいイメージが無い方々もいらっしゃるかと思いますが、私自身も全くの無神論者であり、キリスト教徒でもありません。しかし、マザー・テレサのこういった現実的で実質的な功績と、その思想には尊敬の念があります。理想だけを掲げて謳うただの偽善者な理想家なんかよりも、ずっとずっと”ちゃんとした人”なんだろうなと思える記録と証拠ばかりです。
最後に、昨今の組織について
そんなテレサの思想とは裏腹に、更にそういった状況を利用し正当化しようとしている某教会により、もっと良くないイメージへの助長にしかならずテレサの想いが捻じられ意味が変わってしまっていることにも悲しみを感じます。決して私は何派だとかどこかの者でもありません。全てを客観的に視た上で、実際に行ってきた経緯とその趣旨を考えれば分かることでもあると思います。
人間はどのような形であれ「群れる」と最悪なことにしかなりません。群れの中での無心と無意識化にて、大きな全体の流れに身を任せて身体だけ行動するというシンプルな構造行為は、一種の快楽物質が誘発され「群集心理」としても証明されています。責任と使命から解除され、好き放題に行動ができる中に身を投じ、歴史的にもそれが人類における最悪で最低な結果がジェノサイドや集団公開処刑、村八分、粛清や差別と繋がるだけである。
実際の実験にて「ＭＫウルトラ計画」というものすら存在するのです。⇩
人というのは無心でどこまでも残酷になれる生き物である。
一時の支配者が誠に正しかったとしても、その後継者が正しくなる訳もなく、その部下が正しくなる訳もなく、必ず争いと廃退の繰り返しであり団体を推奨することは決してありません。
ただの個人を尊敬し推奨することはある。それだけです。
組織を作る場合、それは宗教であれ会社であれ、トップとなる人物はそういった人間と組織、群れるという心理を理解しておかなければなりません。
そのイデオロギーもなく、目先の利益しか見えていない組織があまりにも多く、その審美眼も持たずに無思考に、そして残酷な正義感にてそれすらも利用される「鉄砲玉」のようにその手先にしか成っていない人たちが多い時代だからこそ、このマザーテレサの件は多くの人が考えていくのに良い材料かとも思いました。
是非、道徳ある方々から、まだ確立されていない方々も、一度『マザー・テレサ』を考察してみてはいかがでしょうか。
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