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多井隆晴と大山康晴

私は勝負事が好きだ。
いや、勝負事で勝つことが好きだ。
フレイザードだ。
中でも麻雀と将棋を愛好しており、今日はそれぞれの最強者と考える人物について書きたい。
なぜかというと、両者に共通点が多いことに気がついたためである。

①多井隆晴
麻雀部門の最強者。
麻雀最強の定義は数字でしか語れない。どれだけ素晴しい打牌があろうが、生涯未勝利な打ち手は「弱い」と言うべきである。
麻雀における全ての能力が最高峰と称され、誰よりも実績を持ち、自他共に最強と言われる状態が続いている。
万能型、バランス型と言われるが、全パラメータがカンストしているのでそう見えるだけである。
ビッグマウスで常に自分を最強と布教し、Mリーグでもアンチの数は星の数。
後述するが私は憎らしく、かつ誰も勝てないキャラが好きだ。だから多井が好きである。

②大山康晴
将棋部門の最強者。
昭和から平成まで50年間全盛期の異常者。
数字の上では羽生、才能では藤井がいながらなぜ大山かというと、大山が今蘇ったら誰よりも勝つと考えているからである。
理由として、晩年での異常な強さを挙げる。 
 ※棋士は加齢で棋力が何分の1にも落ちる。
デビュー間もない18歳の羽生と65歳で対戦し、何と2連勝。
18の羽生が18の藤井より大きく劣るとは思えず、藤井に65の老人が2連勝したと考えると狂気である。
また、44年連続、69歳までA級に在席
最期は末期癌を患いながら6勝3敗、名人挑戦プレーオフに進出する。
これこそが将棋史上最難関の記録であり、70歳A級者が出ない限り大山を超えたとは言えない。

③両者の共通点
・勝負スタイル
極めて高い技術に裏打ちされた徹底した減点法をとり、絶対にミスをしない。
多井は120点か50点のどちらにもなり得る打牌はしない。
無限に95点の打牌を続けることができ、相手はいずれ50点を出すため最後には自分が勝つ、という思想である。
統計全盛の昨今にありながら、相手の挙動、性格、傾向という属人情報を駆使して圧倒的な成績を継続中。
これなど宝石のような一局だ。

大山は輪をかけて顕著である。
「人間はミスを犯す動物だ」と公言し、絶対に危険な賭けはせず互角を保てばよしとする。
自分も稀にミスをするが、相手はそれを上回る頻度でミスをすると確信している。だから互角で延々とやっていればよい、と。
人間蔑視が大山の真骨頂だ。

・人間性
両者とも性格に難あり。
多井は常に最強を自負し、たまに負けると文句タラタラ、世で評価される打ち手はなかなか褒めない。
もっとも、これは半分は業界を盛り上げるためにやっていると思われる。
大山はそんな甘いものではなく、全盛期には相手に対局中、休憩中、移動中にパワハラをして萎えさせ、盤上ではノコギリで数時間首を切るような将棋で全部の駒を取り、PTSDに追い込んでいた。
あまりの強さとストレスを味わった対局者は以降大山との対局通知が来るだけで震えが止まらず、二度と勝てない。
内藤という今で言う豊島か斎藤にあたる棋士は「大山さんは普通にやっても誰も勝てないのになぜあんなことをするのだろう」と訝しんだ。

・アンチの多さ
性格と似るが、大量のアンチを抱える。
多井が負けようものならアベマのコメントは大騒ぎ、信者とアンチの大喧嘩。
大山も地蔵か仁王のような容姿から無限に繰り出される全く華のない手で勝ち続け、中世の暗黒期、将棋界を覆う黒雲と言われた。
余談だが全盛期は11年間全てのタイトル戦は大山VS誰か、であった。これは気が狂う。
要は両者ともに文句があるなら勝ってみやがれ雑魚共!と言って蹴散らし続けているのだ。

④まとめ
ビッグマウス、それと裏腹に極めて繊細な技術・戦略、クセのある性格、の三拍子揃った勝負師が大好きということ。
多井さんこれからもそのキャラでいてください。

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