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【蒸留日記 vol.130-2】スペアミントを粗刻みで蒸留してみる!

スペアミントの粗刻み蒸留編!

前回vol.130-1は蒸留部位を「花穂のみ」に限定して蒸留し、精油を採りました。
前回主旨としては収油率データを採るほかに香り味を確かめる!といった面が強かったのですが、今回は収油率のデータ取りが主旨となります。
花部分以外の茎と葉っぱ、全草を蒸留対象とします。

昨年、家の近場にミントの野生化群落をみっけまして、調べてみるとメントールを含まないスペアミント(Mentha spicata)でした!
ヨーロッパでのごく普遍的なミントのはず。確か!
発見当時は普遍的にスースー成分(いわゆるメントール)を持っているもんだと思ってたんですが、成分をまとめた論文なんかを読んでみるとメントールをまったく含まないことが判明…あーららといった具合でした。

昨年のミント蒸留記事を見返してると、抽出効率を工夫・改善する内容では記事を分けて書いてたんですけど、愚かなことに収油率を算出しておらず!

ということあって、再度!ということで素材の処理方法違いによる抽出率の異なり(粗刻みか粉砕するか)を検証してみることにします。
"より科学的な目線で"ってカタチですね。

■蒸留準備!

材料集め

これだけでは500グラム程度分しかないので外にもう1束同じのがある

スペアミントの採集場所は前回130-1の花を採った野生化ミントと同じ。
花を採った子たちを茎ごと全草収穫してきた。
見ての通り8月にもなるとミントは大きく育っているのでかなりかさばる。
なので刻んで蒸留しやすくする。

材料処理

葉っぱを刻むことはせず、10センチサイズほどにコンパクトに茎を刻む。

スペアミントは花を咲かせる段階となると草丈は60~70cmにもなり、茎もかなり太くなって非常にかさばる。
茎も葉っぱも硬めで無論そのままでは蒸留釜に収めることができないので、一応刻んでコンパクトにする。

いわゆるこれが今回の処理パターン②の検証理由ですね。
収穫したそのままでは釜に突っ込めないが、粉砕とまではいかない原型を保たせての蒸留、これで収油率をみてみたい。
これがvol.130-2の理由となってます。
最低限の処理というか、あまり植物の中身を露出させず蒸留するってイメージですね。

全重量から容器重量を差し引いて1060グラム
とりあえず1キロ分のスペアミントは確保できた!やや大変だった。

スペアミントの葉っぱって茎の上の方にしか付いてなくて、素材量を稼ぐのにそれなりのスペアミントを大束になるレベルで集めにゃいかんのですよ。
硬くかさばるわりに重量を稼ぎにくい。なので収穫にやや労力がかかったんですわ。

原型を保たせた状態と粉砕した状態とで精油の採れやすさを比較して
葉の内外どこに精油が存在しているのかを探る

若干押し込んだがギリギリ収まってくれた。
素材が大きく隙間だらけなので蒸気はスムーズに抜けてくれそう。

蒸留時間は花穂蒸留と同じ条件→1時間半としました。

■蒸留結果は…!?

抽出開始10分でのセパレータのようす。
ミント系蒸留ではお決まりなのか、刻んだことによって精油成分の溶出が激しくなっているのかで、蒸留水が白く濁る。

それから30分ほど経過すると蒸留水の白濁は収まり、蒸留水が透明になった。だいたい精油が出始めて40分ほど経過時点でのこと。

個別の精油保存ビンを用意せず昨年度のスペアミント精油のボトルに足してしまったのでピペット計測からの数値ですが4.8mLの抽出結果となりました!
ではこれを収率計算してみます。

1.収油率 - EO Yield

[ 抽出量 4.8ml ]÷[素材重量 1060g ]x 100 = 0.452%

8月末スペアミント粗刻み1kg蒸留の収油率

まず採ったままのミントをなるべく手を加えることなくそのままフレッシュ状態で蒸留すると、収率は0.452%となるようでした!
花穂からは0.720%だったので半分くらいの収率といった値になりました。

次はグラムと時間を揃えて、粉砕加工しての蒸留を試してみます。

2.香りとか - EO Scent

スペアミントの花精油と比べてみたんですが、花精油のほうが甘みが少なくて鋭い香りがしますね…花の方が甘みが少ないんですよ。
葉っぱから得た精油のほうがまだ親しみを持てる香りのようです。

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