【蒸留日記vol.59】プンゲンストウヒの蒸留。
実は去年ちゃっかりこのプンゲンストウヒの蒸留やってたりするんですよ。
やってたりするんです。精油めっちゃ採れないし匂い超くっさいって事知ってるんですよ。
けどまた蒸留しちゃってましたね。2度とやるもんかって言ってたのに。
2度とやるもんかって。(理由はしっかり後述)
■材料の調達
エフゲニーマエダの主宰する平成林業。は"たいへんエコな活動体"なので、SDGsよろしく冬の間に発生した落ち枝のみを蒸留素材に使います。
むしろたくさんの落ち枝を発見してしまったので、そのまま土に還すのはもったいないな〜と思い、この蒸留回が急遽行われたワケなんすよね。
●プンゲンストウヒ(Picea pungens)のサクッとしたプロフィール!
プンゲンストウヒは別名コロラドトウヒ、アイダホトウヒ、英語圏ではブルースプルース(Blue spruce)だって呼ばれています。
名の通り、アメリカはロッキー山脈周辺(コロラドやアイダホあたり)に育つトウヒ属針葉樹(Picea)になります。
名の通り、枝葉の先端・1年枝・新芽がとにかく浅葱色・明るいミントグリーンをしていて目立ちます!
なのでわりとすぐに「あ!プンゲンストウヒだ!」と見抜くことができます。
北海道ではヨーロピアンガーデンをつくる景観樹・コニファーとしてコントラストの映えるこのプンゲンストウヒが好んで使用されるようですよ〜
もちろん街路樹に使用する自治体も多いそうな。
プンゲンストウヒは名の通りトウヒ属なので、とにかく葉っぱがチックチク!!
おそらく北海道でみられる針葉樹のなかでイッチバン葉っぱがチクチクしてるんじゃないかと思っています。
この超チックチクせいで2度とプンゲンスの蒸留やりたくないって思ってました!
・・・個人的な推察なんですが、アメリカはロッキー山脈周辺の乾燥帯に生育するプンゲンストウヒをはじめとした針葉樹ってキツく強いアロマを持った植物が多い気がしています。
暑いし虫も多い厳しい環境だからでしょうかね?
アメリカ本国でのプンゲンストウヒの活用例は、高い樟脳含有率による防虫剤としての活用があるようです。あーれソース資料どこいったっけな…
学名'Pungens'の意味。
原書房「松の文化誌」という書籍を読んでいて初めて知ったんですが、プンゲンストウヒの学名Picea pungensのPungens/プンゲンスというラテン単語は、なんと「突き刺す」という意味なんだそうな!
文字通りプンゲンストウヒは葉が北海道のトウヒ属でも特にチックチクで2度と蒸留やりたくないほど痛みを伴うチクチク加減なので、学名のラテン語がそのままプンゲンストウヒの形態特徴を表していたという発見がありました!
■いざ蒸留!
葉っぱは比較的硬めでパリパリしていて蒸気が抜けやすいので、可能な限り蒸留釜にギッシギシに詰め込みます。
少しは水蒸気が葉っぱに当たってから冷却管へ入ってきてくれることを狙います。厚手のゴム手袋はかないと本当に痛い。
いつも通りの光景ですね。
そして素材の余り具合からおそらく蒸留4回分になるんじゃないか説。。。
■蒸留結果は…!?
やはりトウヒ属さながら精油の抽出量は少なめでしたね…本場アメリカじゃどんな抽出方法やってるんだか気になりますね。
プンゲンストウヒ精油の香りは…?
香りに関しては、青トマトのソレ!!!
蒸留したてのプンゲンストウヒ精油はかなりすっぱいアロマをしています。
他の針葉樹(アカマツやエゾマツなど)に感じられるような甘み成分を感じないのであえて青トマトと表現しております。
ドライかつ酸っぱい香りなんですね。突っ込んだこというと植物の成長が鈍る冬葉素材だからって理由もありそうではありますが…。
時間が経ってミドル、ヘビーノートの香りは針葉樹、トウヒ属特有のスッキリしたアロマへと変化していきますが、総じてアロマテラピーなどに使えるような癒される香りではないと思う。。。
ま!ウチではサンプルがてらいくらかストックしておきますかね。
ではでは!
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。