全人代 習氏異例の3期目突入

〜これまでの中国〜

10日、中国は北京で開かれている全国人民代表大会(通称:全人代)において、習近平(シーチーピン)国家主席が異例の3期目に突入することが正式に決まった。過去、中国の国家主席は習氏を除いて4人おり、建国の父と呼ばれる毛沢東(マオツォトン)氏を除いて1期5年、最大2期10年勤めてきた。しかし、習氏は2018年2月25日に国家主席の任期を最大2期10年とする条文を憲法から削除し、任期の制限を撤廃していた。

〜戦狼外交〜

習氏は戦狼外交と謳って強気な外交や、一帯一路と呼ばれる中国からヨーロッパやロシアまで繋がる現代版シルクロード構想を持っていた。(結局は失敗に終わった)さらに、東シナ海、南シナ海では日本・台湾・フィリピンと、カシミール地方ではインドと領土問題を抱えており、勝手に南シナ海を埋め立てて軍事拠点化したり、尖閣沖では中国海洋警察(通称:海警)の機関砲に70ミリ超の大型機関砲を携え、日本の海上保安庁の巡視船に対する威嚇行為に拍車が掛かっている。

〜核心的利益〜

習氏は2012年の国家主席就任時に核心的利益という簡潔に述べれば、「如何なる代償を払ってでも手に入れる利益」を掲げており、核心的利益の中身は「チベット・ウイグル・香港・台湾・尖閣諸島」の5つで、習氏が国家主席である限り、この5つは何が何でも奪取するだろうと考えられている。
では、現在の進捗状況を見てみるとどうだろうか?なんと、恐ろしいことに「チベット・ウイグル・香港」は既に中国の手に落ちており、そこでは口に出すのも憚れる程の人種弾圧、文化破壊、言論弾圧が行われている。そして残るは「台湾・尖閣諸島」だ。台湾は本来、中華民国という別の国として筆者は考えるべきだと考えているが、国際的には国交を結んでいる国は少ない。台湾は、蔡英文(ツァイ インウェン)総統が治める民主主義国家だ。もちろん、彼ら台湾人は中華人民共和国の一部になることに抵抗するだろう。その際に起こると考えられるのが中国による武力行使だ。これがいわゆる台湾有事である。日本でも、安倍元首相が生前から警鐘を鳴らし続け、アメリカやNATO諸国も目を光らせている恐ろしい事態だ。台湾有事が起こればアメリカのジョー・バイデン大統領は米軍による支援をすると明言しており自衛隊も集団的自衛権行使の一部容認により、後方支援をすることは間違いないであろう。台湾有事の発生は中国と日米台による戦火の火蓋が切られることを意味するのだ。

〜注視すべき今後の展望〜

習氏の出す政策や人事や外交には常に目を光らせておかねば次に狙われるのは我々、日本であることは断言しておく。

今後、「如何にして台湾有事を発生させないか」、「中国による凄惨な人権弾圧問題」、「ロシア−ウクライナ戦争が東アジアに与える影響」など筆者の所感を綴ろうと思うので、乞うご期待!

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