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企業に合わせた採用手段を選びたい~中途採用編~

前回は新卒採用のルールのおさらいと、大手ナビサイトのようなマスの採用だけではない、私が実践してきた採用方法についてお伝えしました。

今回は中途採用について、こちらも私が実践している方法をお伝えしていきます。

前提の価値観:線としての採用

SNS採用ツール「YOUTRUST」の社長、イワヤンさんがこのようなツイートをしていました。

採用活動をする中で
・とても優秀な方だけど、今の会社ではお願いする仕事がない
・ポテンシャルは高いけど育てる余裕がない
・人柄、スキルがマッチしているけど、ポジションがない
という状況は往々にしてあると思います。

「タイミングが違えば内定だったけど仕方ないね」として不合格の連絡をしていると思いますが、普通にお祈りメールを送っただけだと、そこで一度関係が終わってしまいます。

せっかくマッチする人材なのにもったいなくないですか?

一度接点を持った方とタイミングを合わせられるかの採用が、これからの主戦場になるとイワヤンさんはおっしゃっているのだと思います。

線としての採用をするための方法① SNS

最初に注意点をお伝えしますと、出会ったきっかけがエージェント経由であったりダイレクトリクルーティングツールであると、規約で「不合格の場合も1年以内に採用した場合は手数料を支払う」としている場合があります。
企業トラブルに発展してしまうので、ルールはちゃんと把握しておきましょう

不合格になった方、選考辞退された方、転職活動自体を止めた方…この、関係が途切れてしまうタイミングで繋がっていても少し遅いと思います。選考終了のタイミングでSNS繋がりましょうと言われても、不信感がありませんか?

選考前にSNSで繋がれるような関係値を作れているかがポイントです。
そうすると、大人数に広報をしていく説明会よりは、カジュアル面談で個別で話ができていた方が繋がりやすいですね。

SNSは、年代や性別によってメインで使用しているツールが変わります。

①Facebook

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Facebookは、若い方よりも中高年の方が使っている印象がありましたが、データを見ると60代での利用率が高いことが分かります。マネジメント・リーダークラス、定年退職後のシニア層の方と繋がるならFacebookが適していると思います。

また、Facebookに登録するとMessengerが使えます。
私の場合、ビジネスのやり取りはメールよりMessengerですることが多いです。若い方でもMessengerで連絡を取っています。
「最近どう?」と声をかけやすいのはFacebook・Messengerかもしれません。

ただ、実名登録でアカウントは1つしか作ることができないため、先に知り合いになっていないと繋がることはできないことが多いです。

②Twitter

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Twitterは、若い方を中心に一番使われているSNSツールではないでしょうか。とくに、情報のインプット・アウトプットを活発にする方はTwitterを活用していることが多いです。

Twitterを実名で使用している方ばかりではなく、匿名で使用している方もいます。ビジネスで使用していない場合は、Twitterで繋がることを嫌がる方もいるとは思いますので注意が必要です。

一方で、Twitterで転職活動や複業募集をしている方もいるので、SNS採用する場合はTwitter運用をしていると便利です。

③LinkedIn

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LinkedInは、最近盛り上がっているように感じるSNSツールです。ユーザー数はまだまだ少ないですが、LinkedIn活用Tipsをよく見かけるので、今始めるにはちょうどいいSNSツールかもしれません。

繋がり方の感覚としては、Twitter→LinkedIn→Facebookの順でゆるいと思います。Facebookのように元々知り合いではなくても、気になった方に友達申請を送ることが気軽にできます。ただ、発信する内容はTwitterほどゆるくはなく、そこそこの文字数で記事を書いている方が多いです。

情報感度が高いビジネス職の方なら、LinkedInのアカウントを持っているかもしれないので、繋がることができるかもしれません。また、LinkedIn上で知り合った方を採用している企業もあります。

他にもSNSツールはありますが、今まで知り合った方と繋がるには、ユーザー数が多いツールの運用をしていくことをオススメします。

※図はすべて「ガイアックスソーシャルメディアラボ|2021年6月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ」から引用しています。

線としての採用をするための方法② 複業

今まで、採用=直接雇用というイメージが強かったと思いますが、ジョブ型が注目されてから、業務の整理をする企業が増えました。社内の工数ではなく外部へ委託した方がメリットがあることに気付き、代行してくれる企業に発注するシーンが増えてきたと思います。

全国の地方自治体でも複業採用が増えていています。

「自社の社員の複業を認める『複業解禁』のみならず、組織外の優秀人材を複業で採用する『複業採用』の動きが広がっている」

直接雇用では採用が難しかった優秀人材が、複業ならば採用できます。詳しくは下記の記事の通りです。

記事内でも語られていますが、在宅勤務で自分の時間が増えた人が複業を始めることも増えました。
複業は、金額よりも自分のスキルアップややりがいを重視している方もいます。有償社会人インターンシップのような一面があるとも言えます。

今の採用課題が、もしかしたら複業人材で解決するかもしれませんし、将来的にフルコミットが必要だとしても、まずは複業でコミットしてもらい一緒に働くイメージを持った上の方が、お互い検討しやすいと思います。

線としての採用をするための方法③ アルムナイ

アルムナイとは

英語で「卒業生」「同窓生」といった意味です。人事分野では定年退職者以外の退職者を指す言葉して使われています。
欧米の企業では、このアルムナイを貴重な人材リソースと捉え、退職後もコンタクトを取り続けて組織化し、そこから再雇用する「アルムナイ制度」が、一般的なものとなっています。 ーHRpro>用語集>アルムナイ

当然ですが、元々働いていた社員なので、自社のことをよく分かっていてキャッチアップが早いです。
アルムナイ採用をするためには、自社の退職者の退職理由がネガティブなものでなくしていくことが大事です。

そもそも「転職したくないと思われる会社をつくりましょう」というのがベース

ということが、下記の記事では述べられています。

私は、退職を伝えたときからその人を冷遇するような会社を見聞きしたことがありますが、言語道断です。退職手続を適当にやって労務トラブルになっていた例も知っています。辞めるときはとくに、丁寧に、真摯に対応すべきだと思います。

退職理由を本音で伝えてくれる社員は少ないかもしれませんが、本音で話してもらえるような関係値を作っていくことが、今後アルムナイやリファラル採用では重要だと思います。

退職するからといって関係が終わりではなく、また違うタイミングで一緒に仕事ができるように、相手の情報をキャッチしたり、自社の情報を伝えられるようゆるく繋がっていくと良いと思います。その場合も、やはりSNSで繋がることが便利です。

まとめ:これからは母集団形成は必要ない、かも

中途採用では、必要なスキル・人物像が新卒よりもピンポイントです。
100名200名と採用する場合は、ダイレクトでは間に合わないと思いますが、少ない人数であれば、母集団形成をするよりも、ピッタリな人材に濃くアプローチした方が採用に繋がります。

ご縁があって自社にピッタリな人材と出会えたとき、タイミングが合わないから関係が終わりになるのは非常にもったいないです。
今は人と繋がる手段は選べるので、自社や候補者にマッチした手段でゆるく繋がってみるのはいかがでしょうか?

今回はここまで!次回をお楽しみに。

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