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心理的安全性はなぜ必要なのか

今回は書籍やネット記事でよく目にする「心理的安全性」について、私の体験談を交えながらお伝えしたいと思います。

「心理的安全性」とは?

「心理的安全性」という言葉をご存知でしょうか?
Google社が「効果的なチームを可能とする条件は何か」について調査し、心理的安全性が最も重要な要素だと発表したことで注目を集めました。

結果を出すチームにおいて重要な要素を順番に並べると次の図のようになります。

心理的安全性

参考:Google「効果的なチームとは何か」を知る

心理的安全性とは、自分の言動について自然体で表現できるような人間関係が構築できている環境のことです。

今まで働く中でこのような経験はありませんでしたか?

● 分からないことがあるけど、聞くタイミングが見つからないで数時間…
● チャレンジしてみたいことがあるけど、失敗すると責任を問われるからチャレンジしない
● 手を挙げた人が損するから、手を挙げない
● 意見はあるっちゃあるけど、何言われるか分からないから黙っている
● ミスしちゃったけど、怒られそうだからごまかそう

「報連相は仕事の基本」と新入社員に教えますが、報連相できない原因を考えてみると、実はチームの雰囲気にあるかもしれません。

お互いに対して弱い部分もさらけ出すことができる」ことが重要であるように思います。

安心感がある環境であれば、チャレンジしたり、質問したり、自分のミスをすぐ報告したりすることに対して、心理的ハードルが下がります。
自分の言動が表現しやすいと、情報の行き来が活発になるため、生産性の高いチームが醸成されます

生産性とは?

生産性という言葉は近年よく使われているように感じますが、あらためて「生産性」の意味について確認しておきたいと思います。

生産性はより少ない労力と投入物(インプット)でより多くの価値(アウトプット)を産みたいという人間の考えから生まれてきた概念である。リソースとリターンの関係性とも理解される。 -Wikipedia

少しかみ砕いた説明は下記

生産性=アウトプット/インプット
より少ないインプットからより多いアウトプットが得られるほど、より生産性が高いという関係にあることがわかる。

少ない労力(=時間)で多くの価値を生み出すことができたら、余った時間を別のことに使うことができます。

日本の長時間労働は良くないという文脈で、労働生産性について世界と比較するというグラフを見かけることがあると思います。

労働生産性

(画像:テレワーク継続9割・日経調査 コロナで変わる働き方

日本は少子高齢化で労働力が減少していくことが予想されます。
少子化対策で子育てと仕事を両立できるように働き方に柔軟性を持たせたり、定年後も働けるように再雇用制度があったり。

しかし、いくら制度があっても、当人一人が頑張ったところで限界があるので、チーム全体として生産性を上げていくことが必要だと考えます。

心理的安全性を高める方法

それでは、どうしたら心理的安全性を高められるのでしょうか?
施策として作れるもの、一人一人が心掛けること、様々ありますが、私が実践してきたことをご紹介します。

■ 一人一人”何者か”が分かるようにする

そもそもですが、よく分からない人に対して自分の弱い部分をさらけ出すことなんてできないですよね。
「名前と部署を知っている」というでは”分かる”とは言えません。「休日何をしているか」「趣味」「仕事のスタンス」…この辺りが最低限答えられていて”分かる”と言えると思います。

個人的なことを知るためには雑談が大事です。仕事以外の話をすることで、その人らしさを知ることができます。

とはいえ雑談が苦手な人もいると思います。
こういうときに私は「婚活パーティー作戦」をしていました。

婚活パーティーは、1人3分程でプロフィール用紙を見ながら雑談をします。会話のコツは「共通点」を見つけることです。
社員同士でも話しかけやすいように、プライベートな情報も記載されているプロフィール帳を作り記入をお願いしていました。
私はプラスアルファで、楽しんで書いてもらえるようにパワーポイントで昔流行ったプロフィール帳のようなフォーマットを作り配布しました。

他には、オンライン飲み会やオンラインゲーム大会など、コロナ禍でも雑談できる機会を提供すると良いと思います。
これらの施策は取り掛かりやすいと思いますので、取り入れてみてください。

余談にはなりますが、雑談が減少した場合の環境がどうなるかご存知でしょうか?

テレワークで雑談する場所・タイミングが激減してしまったとき、同じチームの人の体調がわからない、隣のチームが今何をしているか知らない、といった事態になりました。

その結果、困ったことがあっても体調が悪くても相談しにくい心理的安全性が低い環境になってしまいました

■ ポジティブな気持ちを言葉にして伝える

仕事を助けてもらったとき、教えてもらったとき、誰もやらない仕事を代わりに処理してくれたとき…私は本人に直接「ありがとう」と伝えるようにしています。

さらに、その人の良いところや凄いなと思ったところも、「あなたの○○というところ、凄いと思います。尊敬しています。」と伝えています。

人間は、返報性の原理(返報性の法則)という他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理が働きます。

自分がその人に対して良い感情を持つと、相手も自分に対して良い感情を持ってくれます。
なお、この返報性の原理を取り入れて会社経営されている岡部豊さんのストーリーをぜひご一読ください!

言葉にして伝えてもらうことが一番だと思いますが、恥ずかしくて気後れしてしまう方は、メッセージやプチギフトで伝えてみるのはいかがでしょうか?
オンラインからでも、缶コーヒーを買うくらいの気持ちでプチギフトとメッセージを送れるサービスがありますよ。

まとめ:心理的安全性を高めることは難しくない

労働人口が減少し、情報量が増え、スピード感が増している昨今、今までのやり方では労働者の労働時間が伸びていく一方です。

業務効率化をツールを導入しながら改善していても、ツールを使うのは人間なので、個人・チームの労働生産性も上げていかなければなりません。

生産性を上げるためには、自分が自然体でコミュニケーションを取ることができる「心理的安全性」が土台となるため、日本の企業でも心理的安全性を高める施策を考えています。

話題に上がることが多く、様々な施策が試されていて難しく感じるかもしれませんが、施策を取り入れりこと自体は難しくありません。

難しいとすれば、心理的安全性を高める必要性・心得について、社員に正しく理解をしてもらい実行してもらうことです。

この点は社員に丸投げしていては上手くいかないでしょう。
マネージャーとして、人事として、経営者として、自らが実践しつつもフォローに入ることが重要です。

社員にとって、会社に一人でも心理的安全性がある人がいるだけで違います。
ぜひその一人にあなたがなってください。

次回もお楽しみに!

**おまけ

私が参考にした、心理的安全性の高め方・生産性の高め方について、マネージャー視点で書かれた本です。こちらもご一読されると良いと思います。

◆◇しごとば劇場◇◆
会社の数だけストーリーがある
経営者と社員の物語


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