#クラクフ
欧州旅行記❼「暗くクラクフ」
クラクフ、そしてその西にオシフィエンツィム。耳慣れないポーランドの都市を、独語の名にした瞬間誰もが思い出す。アウシュヴィッツ。クラクフは暗く、寄る辺が無かった。
プラハからおよそ半日高速鉄道に揺られ、カトヴィツエという街で乗り換える。クラクフの街に辿り着いたのは、既にとっぷりと暮れた夜だった。街灯の少ない夜の街には私が曳くトランクの音だけ響き、心底寂しげだった。唯一、朧に滲むカメラ屋の小さな
クラクフ、そしてその西にオシフィエンツィム。耳慣れないポーランドの都市を、独語の名にした瞬間誰もが思い出す。アウシュヴィッツ。クラクフは暗く、寄る辺が無かった。
プラハからおよそ半日高速鉄道に揺られ、カトヴィツエという街で乗り換える。クラクフの街に辿り着いたのは、既にとっぷりと暮れた夜だった。街灯の少ない夜の街には私が曳くトランクの音だけ響き、心底寂しげだった。唯一、朧に滲むカメラ屋の小さな