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IT系フルリモート進行は地方になにをもたらすのか?

フルリモート移住から2か月が経ちました

8月に移住して約2か月が経過しました。
東川町は稲刈りも終わり、旭岳もうっすら雪化粧し
峠では積雪のニュースも出てきました。

この2か月は「日々国内旅行しながら仕事をしている」ような感覚の中で
仕事自体は東京の自宅とほぼ変わらず過ごしております。

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移住自体のメリットデメリットは本当にその人の価値観やライフステージ/スタイルに依存するので、すべての体験談はあくまで私の感想に留まりますが、少なくとも私個人としては今のところQOLは大きく上昇しております。

要因は本当に色々あるのですが、正直個人として一番大きいのは、
私が子供のころからかなりのアレルギー体質であり、
1年中不調を抱えながら生きていたのが、
北海道に来てかなり緩和したということです。

北海道全体で水も空気が綺麗というのはイメージ通りです。
加えて、東川町はほぼ町内全域が井戸水であり、
毎日入るお風呂の水が「天然水」というのが大きいのかなと。
(※先日近隣の温浴施設に行ったら肌がピリピリしてしんどかった、、、)

憧れど、なかなか具体的にならない移住

私自身も大学時代の圧倒的体験もあり、
何度も北海道に帰りたいと思いながらも、妄想の域を出ない願望でした。

一度でも「移住」を検討したことがある人が必ず直面する”壁”ですが、
結局のところ一番大きいのは「仕事(とお金)」です。

様々な移住事例や体験談を見ては憧れるものの、
お仕事は何されてるのかな?と見ると
「写真家」「アーティスト」「クラフト作家」「Webデザイナー」
「フリーランスで〇〇」etc
という形で、やはり地方にいても自活できる人たちが中心でした。

比較的自由なIT業界勤務とはいえ、
いわゆる「サラリーマン」の自分にはなかなかイメージできない
とはいえ「フリーランス」で地方に根を下ろすほどの意欲と自信もない。
そんな「憧れど遠い世界」が移住でした。

しかしその状況はコロナにより一変しました

リモートワークが当たり前になり、
提供するサービスだけでなく、仕事のフィールドもインターネットの世界

ITを中心に「オフィス減床による固定費減」などのメリットも相まって、
皆が会社に出社して仕事をするということは物理的にもなくなりました。

コロナが移住の最大の障壁を壊した

主たる仕事の場が自宅になると、
インターネット(とセキュリティ環境)さえあればどこでも仕事ができるようになり、今まで一番大きな障壁だった「仕事」の壁が無くなります。

更に、業務環境の自由度が会社選びの一つの大きな選択肢になるようになり、人材確保の差別化ポイントとして使われる潮流が起こります。

(※事例 DeNAの人事制度)

直近では一部リアルに回帰した企業を除くメガベンチャー系の多くは

・ 日本全国どこでも勤務可能
・ 交通費の支給額拡大(15万円/月まで)
※各社それぞれ諸条件あり

がベースになり、更なる差別化による人材確保を模索しています。

地方で仕事ができる人材が増加中

新しい働き方を推進するメルカリさんが
現在のワークスタイルの近況をリリースしました。

東京オフィス勤務の10%程度の社員が既に首都圏以外で勤務しており、
16.3%の社員が地方に既に移住/移住予定という結果が出ています。

同じような制度を取っている会社をひっくるめると
かなりの数の「地方移住者/予備軍」が増加したことが予想されます。

裏返すと人口減や労働力/IT対応力に悩んできた自治体にとっては
今までとは違う層が移住してくる可能性が上がっているということにもなります。

新たな移住予備軍とのWin-Win Pointはどこか?

これまでは住宅の手配や移住支援金の支給、
企業支社/サテライトの誘致などに力を入れてきた自治体にとっても
「新しい移住検討層」と「これまでの施策」がマッチするのか?
も一つのKey Pointになります。

・ 二拠点生活など場所に縛られない生活も視野
・ 支援(金)の多寡より、自分がそこに住む必然性のストーリーが何か?
・ 今の会社に定年まで働くわけではない
・ etc

そもそもこういった今までではメジャーじゃなかった志向の
IT系の移住予備軍を獲得すること自体が
自治体にとってプラスに働くのか?チャンスなのか?
を見極める必要がありますし、
価値があると判断したとして、どういう施策で獲得するかも
今まで通りというわけにはいかないなと思っています。

より「新しい層」と「自治体」がコミュニケーションを
お互い取っていく必要があるなと感じています。

逆に移住する側である私のような人間も、
移住先でどういうストーリーを紡いでいくのかを
「ソト」からでなく「当事者」として主体性を持っていく必要があります。

新しいから難しい、だからこそ面白い

これから17年ぶりの「雪がある生活」が待っています。
今のリモートの潮流もいつまで続くのか?も確証もありません。
いいことばかりでない、大変なこともあるなと思っていますが、
だからこそ面白いなとも思っています。

今は17年ぶりに北海道に「帰れた」ことを噛みしめながら
東川町でどういうストーリーを紡いでいくのかを考えていきたいと思います。


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