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チュニジアから日本へ。ふたりの理工系留学生が、シグマアイにエンジニアとしてジョイン。日本のスタートアップで学んだことを聞いてみた。

最先端技術の社会実装を手掛けるシグマアイ。チュニジアからの留学生で、アルバイトとしてプロダクト開発に従事している、ジャメルさんとフィラスさん。なぜ、日本に留学したのか、シグマアイで働くようになったのか、大分県と山口県からリモートで働いている中で、どのようなスキルが身についているのか、詳しく聞きました。

ラスエド・ジャメル(LASSOUED Jamel)※写真左
シグマアイ 開発担当
大分大学 理工学部 知能情報システムコース 在籍

アゲール・モハメド・フィラス(Mohamed Firas Aguel )※写真右
シグマアイ 開発担当
大島商船高等専門学校 情報工学科 在籍

チュニジアから日本へ。欧米よりも、遠い日本で技術を学んでみたかった

―おふたりはチュニジア出身ですが、まずは日本に興味を持ったきっかけを教えてください。

○ジャメルさん
子どもの頃から日本に興味があって、日本の歴史を勉強していました。中学生になってネットで調べてみると、技術先進国であることを知り、私自身がエンジニアを目指していたので、高校を卒業後に留学したいと考えるように。欧米は距離的にも近いので、どうせなら遠くのアジアに行きたいとも考えて、日本に来ました。チュニジアが国として日本への留学を支援しています。現在は、ふたりとも国費留学生として、日本の文部科学省からの奨学金を活用させていただいています。

○フィラスさん
私はジャメルさんの1学年後輩にあたります。ジャメルさんのお父さんが、日本留学の奨学金についてFacebookに投稿していて、私の母がその投稿を見て教えてくれました。私はチュニジアで高校を卒業した後に、東京日本語教育センターに留学。日本語を学んだ後に、日本の高専の3年生に編入したのです。

高専と大学では、機械学習やネットワークを専攻

―学校では、どのようなことを学んでいるのですか?

○ジャメルさん
現在、大分大学 理工学部 知能情報システムコースに通っています。昨年までは長崎県の高専に通っていて編入しました。高専では5年にわたって電子制御やネットワークの研究に携わっていました。大学では情報科学について幅広く学んでいます。現在、大学3年生なのですが、大学院に進学するかどうか、考えている最中です。進学するのなら、量子コンピュータや暗号化理論を研究したいと思っています。

○フィラスさん
私は、山口県の大島商船高等専門学校に通っています。現在は5年生で、ソフトウェア技術について、幅広く学んでいます。ソフトウェア工学や設計のための技術、計算機アーキテクチャ、コンピュータグラフィックス、ネットワークなど、専門科目以外の授業も受けてきました。加えて、自由課題では機械学習を活用してゲームをクリアするモデルを作ったり、卒業研究ではCTスキャン画像をガンの検診に役立てるアルゴリズムを開発中です。来年からは、東京都立大学に編入する予定です。その後は、大学院への進学を考えています。

エンジニアとしての成長環境を求めて、学生アルバイトとして、シグマアイへジョイン

―シグマアイでアルバイトとして働くようになったキッカケを教えてください。

○ジャメルさん
同じくチュニジアから留学して、シグマアイでアルバイトとして勤務している先輩から話を聞いて、興味を持ちました。開発チームに学生が多く在籍していて、一般的なアルバイトとは異なり、一人のエンジニアとして責任を持った仕事ができることに惹かれたのです。シグマアイで働けば、理系学生としてもエンジニアとしても成長できると感じて、アルバイトとしてジョインしました。

○フィラスさん
私もジャメルさんと同じく、チュニジア出身の先輩から話を聞きました。学生時代にアルバイトを通じて実務経験を積むことに、大きな意味を感じていました。そして、ロールモデルとしてその先輩がいることで、将来に役立つスキルが身につけられると感じて、働いてみようかと。 

畑を荒らすイノシシの捕獲情報を管理する。生態系を守るサービスを開発中

―お二人とも、2023年5月にジョインしましたが、どのようなプロジェクトを担当していますか?

○ジャメルさん
Webアプリケーションのバックエンド開発がメイン業務です。FlaskというPythonのフレームワークを活用して、Webアプリを構築しています。また、フロントエンド開発にも関与し、画像生成AIの開発にも携わっています。かなり幅広い業務を任せてもらっていますね。

現在は、フィラスさんと一緒に「Econnect」というプロダクトを担当しています。地域の生態系を保つために、害獣駆除のレコードを管理するプロダクトです。農作物や環境に被害をもたらす、イノシシや鹿を駆除した人が、以前はその情報を紙で役場に提出していました。これらの一連の作業をデジタル化したプロダクトが、「Econnect」です。まずはUIやバグの修正を通じて業務に慣れながら、現在はバックエンド機能開発に従事しています。駆除した動物の写真やデータを格納する、データベースの正規化にも取り組みました。

○フィラスさん
私はフロントエンド開発をメインで担当しています。「Econnect」では、駆除した動物と場所を地図上に表示する機能があるのですが、その実装を行いました。イノシシや鹿など、動物の種類をヒートマップで分かりやすく表示できるようになり、ユーザーには好評をいただいています。「Econnect」のユーザーは拡大しています。ユーザーの要望に合わせてプロダクトをアップデートするのも、私たちの重要なミッションです。

企画や上流工程にも関与。ここまで学生に裁量を与えてくれる会社は珍しい

―シグマアイでの仕事に、どのようなやりがいを感じていますか?

○ジャメルさん
プロジェクトの上流工程にも関与できているので、プロダクトに対する責任感を感じながら仕事ができています。お客様との会議にも出席できますし、提案内容の企画にも関与しています。また、バックエンド開発ではデータベースの設計の一部もやらせてもらっています。おそらく日本のシステム開発会社では、ここまでの裁量を学生に与えるのは難しいと思います。

○フィラスさん
プロダクトのアップデートに本気で取り組めるのは、やりがいを感じますね。私は主にフロントエンドのプログラミングを担当していますが、高い品質が要求されます。バグが無いのは当たり前ですし、スムーズに動かなくてはいけない。学校で学んでいることよりも、緊張感を持って取り組むことによって、エンジニアとしてのスキルも向上しています。

プロジェクト以外でも、多くのことを学び合える環境

―シグマアイの環境や社風はどのように感じていますか?また、どのようなことを学んでいますか?

○ジャメルさん
エンジニアとしてスキルアップできる環境だと感じています。分からないことをSlackに投稿すればすぐに返してくれますし、月に1回、エンジニア同士で技術について共有する会があり、そこで最新技術に触れています。皆さん優しく接してくれますし、100%リモートで開発していますが、仲が良くて楽しく働けています。自分が外国人であることを意識することは全くありません。

○フィラスさん
取引先とのコミュニケーションからは、プロジェクトを円滑に進める手法を学びました。経験豊富な先輩が多く、開発作業を適切にリードしてくれます。「こういう風にやった方がいいよ」と、教えてくれることもあります。また、社内はオープンなカルチャーなので、どんな話題でも気軽に質問できるのはありがたいですね。先日は、社内にサーバーを立ち上げる際に必要なことついて、丁寧にレクチャーしてくれました。プロジェクト以外でも、多くのことを学べる環境です。雑談も楽しいです。私がチュニジアのことを周りのエンジニアと話すと、皆さんもそれぞれの地元のエピソードを話してくれます。リモート環境で働いているので、直接お会いすることはありませんが、先輩たちの人間的な側面を感じながら、日々を楽しく過ごしています。

大手企業のインターンシップに参加したのですが、シグマアイの仕事の方が面白くて(笑)

―最後に、今後の進路やキャリアはどのように考えていますか、教えてください。

○ジャメルさん
大学院に進学したとしても、日本で就職したいです。日本語も学んで、エンジニアとしてのスキルも身につけることができました。これらを活かした仕事に就きたいですね。ネットワーク関連の研究を続けてきたので、サイバーセキュリティ関係の仕事に興味があります。大手企業のインターンシップにも参加したのですが、正直シグマアイの仕事の方が面白くて(笑)。色々な仕事を任せてくれたことに、改めて感謝をしています。

○フィラスさん
来年の4月から、東京都立大学に3回生として編入します。そこから2年間勉強して、大学院への進学を志望しています。そして、将来は日本で起業しようかなと考えています。シグマアイで、はじめて開発実務を経験しました。日本の取引先とプロジェクトを通じて、慣習を理解することもできました。この経験を起業という形で、将来に活かしていきたいですね。



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