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私はなぜ行動できないのか

 自己啓発書を何度も読む。そこに書かれていることについてなるほどと思い、頭の中に入れる。そして、実際の場においてそれを「行動」に移す。この、「行動」に移すということがとても難しい。

多くの人は「行動」できずに、また思い悩み、もう一度同じ本を読み始めるか、新たな自己啓発本を購入する。自己啓発本が売れ続ける所以はここにあるのだろう。

多くの人が悩む、「行動」に移すことを阻害する要因はなんなのか。

それは、「思考」であると筆者は思う。

実際に行動に移す際、思考は行動の邪魔をする。本当にこれでよいのか、自分にできるのか、などあらゆる不安や心配事を考えてしまい、最終的に実行に移せなくなってしまうのだ。

たしかに、偉人や自己啓発本の著者が示した法則や原則は、一般人が実行しにくいような代物である場合が多い。例えば、心理学者アルフレッド・アドラーが提唱した「課題の分離」という原則である。これは、他者に最終的な責任や決定権のあるもの(他者が自分に対してする評価等)を、自分のコントロールできる範囲外のものと考え、バッサリと切り捨てるというものである。

このような原則は、それが合理的だとわかっていても、実行に移すのは難しい。実行に際してあれこれと思い悩んでしまいやすいのが実情である。

しかし、それらの不安や心配は、考えれば考えるほど増えていく。思考する時間が増えるほど、新たな心配事や不安が際限なく生まれる。そして、それらは行動しないことに対する保険や言い訳として機能し始めてしまうのだ。

したがって、行動する際にはそれらの思考は捨て去るか、始めから考えないようにするべきである。思考することによって生まれた心配や不安が行動を阻害するのであれば、「思考」を捨てて始めから不安や心配を抱かないようにすることが大切である。

行動に移した結果成功したとしても失敗したとしても、単なる書籍上の文字から得られる学びではなく、より実践に即した学びを得られる。文字の上だけではわからない学びが行動の果実として現れる。

であるならば、行動をすることでより実践に即した学びをし、これを繰り返していくことで実践に耐えうる能力が身についていくのではないかと筆者は思う。