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私の考える「音ゲー」と「リズム感」について ~スクフェスの思い出~

2023年 1月31日。
アプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」が、今年の3月末にサービスを終了するとアナウンスされました。

リリースから9年。
ラブライブ!を一躍人気コンテンツに押し上げ、今やグローバルに展開するアプリが春に一区切りとなります。
この発表にネット上では悲観的や否定的な言葉は一切なく、「ありがとう」の言葉に溢れました。

それもそのはず。
昨年、スクフェスの続編となる「スクフェス2」のリリースが発表されました。
続編への移行のため、初代スクフェスはサービスを終了するのです。

このゲームをきっかけにラブライブ!を好きになったと言う人は数知れないと思いますし、キャストの皆さんの多くもラブライブ!を知るきっかけとしてその名を挙げています。
私も当然このゲームを相当やり込みました。

今回は、スクフェスに感謝すると共に、よく言われる「リズム感」についてもちょっとお話してみたいと思います。
リズム感に自信がないという方も、ちょっとお付き合いいただければと思います。


スクフェスとは?

スクフェスのジャンルは、いわゆる「音ゲー」。
スクールアイドル「μ's」のメンバーになぞって、9つのボタン目がけて落ちてくるアイコンをリズムよくタップしてゆくゲーム。
当初は数多くリリースされたμ'sの楽曲がプレイできる、唯一のゲームでした。

音ゲーであり、ソシャゲでもあるため課金要素がありますが、基本的には無料でプレイできるので、多くの楽曲の「試聴」にも繋がります。
スクフェスでμ'sの曲を知り、音源を聴いたりアニメを見たりしてラブライブ!にハマっていった人がほとんどでしょう。

スマホがあれば無料で多くの曲に触れる事ができるのですから、コンテンツに与えた貢献度は計り知れません。
その結果、μ'sの人気は社会現象にもなり、役を演じる声優さん達のライブにも多くの人が詰めかけ、ファイナルライブが東京ドームで開催されたほど。

そして、リズムゲームとしても秀逸でした。
私にとっては「HARD」モードの難しさがちょうどよかったのですが、それに慣れてくるともっと難しい「EXPART」モードが実装。長い間楽しむことができるようにアップデートされて行きました。

そして、2月2日のYoutube生放送でスクフェス2の情報が一部解禁。
2023年春にリリースされることが発表となり、事前登録の受付が始まりました。

ゲーム内容もスクフェスを踏襲するリズムゲームですが、ライバルチームも含む、登場したすべてのスクールアイドルの楽曲がプレイできるそうです。
実にその数500曲以上!すべてプレイし切るのにどれぐらいの時間がかかるのでしょうか…?

また、今までシリーズに登場したμ's、Aqours、虹ヶ咲、Liella!のメンバーがすべて登場し、それぞれのオリジナルストーリーが展開されるとのこと。
スクスタのような学校間のクロスオーバーは見られそうにないですが、アニメとは違ったストーリーは今から楽しみです。

「音ゲー」とリズム感

さて、「音ゲー」と聞くと「私はリズム感ないから…」と苦手意識を持っている方もいるかもしれません。
ここからはそんな方のために、私の経験上感じた「音ゲー」と「リズム感」の関係について少しお話してみようと思います。

リズムゲーム、上手い人は本当に上手いですよね。
はたから見ると何をやっているのかわからないような神技でプレイしている人をよく見かけます。
「リズム感がないから…」と尻込みしている人は上手い人を尊敬の眼差しで見るでしょうし、自身は余計に後退りしてしまうかもしれません。

でも、音ゲーが上手い人は、特別な才能を持っている人ばかりとは限らないと私は思うのです。
リズムに対するセンスが高い人もいるでしょうが、ほとんどが音ゲーが好きで、プレイし続けている人だと思います。
好きでプレイし続けるうちに上達していき、どんなタイプの音ゲーでもかなりのスコアを叩き出せるようになるのです。

形こそ変われど、音ゲーは基本的にタップゾーンやボタン目がけて落ちてくるアイコンをリズムよくタップしてゆくだけ。
必要なのはリズム感だけでなく、アイコンがタップゾーンに重なる瞬間、いかに正確にボタンや画面をタップできるか。

そう、反射神経です。

元々反射神経が天才的に優れている人…がいるかどうかはわかりませんが、反射神経もこういったゲームでトレーニングし、鍛えることによって上達してゆく。
つまり、音ゲーの上達は練習量に比例するのです。

好きなラブライブ!の楽曲を聴きながら反射神経を鍛えるつもりでゲームをプレイすればいいだけ、と思えば、リズムに苦手意識がある人も簡単に楽しく始められると思います。

私の考える「リズム感」とトレーニング方法

ここでさらに踏み込んで、私の考えるリズム感についてもお話します。

私は、人は誰でも生まれた時から「リズム感」はあると思っています。
リズム感がなければ、歩くことも、走ることもできません。

「イチ、ニ、イチ、ニ」と右足と左足を交互に動かしながら前へ進む。
そのイチ、ニ、イチ、ニ、というリズムを感じながら歩いているのですから、人間には生まれ持ったリズム感があるのです。
だから、「リズム感がない」という言葉は間違いなのです。

ただ、一般的に言われている「リズム感」とは、音楽的な表現に必要なリズムの事なのかな、と思います。

「歌を歌う」、「楽器を演奏する」、と言うのはもちろん、「リズムに合わせて手拍子する」ことも、音楽的な表現になります。

楽曲に使われるリズムは、一定にずっと続くこともあれば、遅くなったり早くなったりして複雑なものもあります。
また、楽譜の指示通りに表現しなければならないので、歩いたり、走ったり、好きなリズムで手拍子を打ったりする事よりも難しい場合が多いのです。

合図に合わせて手を叩く事は誰でも簡単にできると思いますが、複雑なリズムになるとできる人とできない人が出てくる。
すぐにできる人はセンスがいいのだと思いますが、すぐにできない人でも繰り返し練習すればできるようになります。

ではどのように訓練すればいいのか?
これは、スクフェスでも訓練はできると思います。

スクフェスには全曲でEASYモードがあります。
誰でもプレイできるレベルになっているので、EASYモードを繰り返し練習することで、ゲームにも慣れるし、音楽的なリズム表現も上達できると思います。

リズムを鍛えるには、そのEASYモードの曲を、心の中で、可能であれば口に出して「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントしながらプレイしてみるのです。
HARDモードではなかなか難しいですが、EASYモードならできるはず。

そうは言っても、まず曲を聴きながらカウントすることが難しいかもしれません。
それなら、スクフェスをプレイする前に好きな曲でカウントをとる練習をしてみましょう。

ここからは、リズムを鍛えるためのお勧めのラブライブ!楽曲と、使用されているリズムについて紹介してみます。

μ'sの「Music S.T.A.R.T!!」。真姫ちゃんのセンター曲。
この曲なら簡単にリズムが取れると思います。
4つ打ちのビートがグイグイ引っ張ってくれるような、典型的なダンスビートです。
Bメロで、いわゆる「PPPH」のリズムになるのが面白いですよね。

そしてもう1曲。Aqoursの「HAPPY PARTY TRAIN」。
果南ちゃんのセンター曲ですね。

この曲も4つ打ちが特徴的なストレートなビートなので、カウントが取りやすいと思います。
Aメロでしっかり「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントを意識しながら聞いてみてください。
4拍目にアクセントがついているので、面白い感覚になると思いますよ。

もう1曲Aqoursから「恋になりたいAQUARIUM」
曜ちゃんのセンター曲ですね。
この曲でカウントがキープできたら、初心者卒業です。

ビートがストレートでわかりやすい曲よりは、やや難解です。
これは、裏拍が強調されたグルーヴィなリズム。
これをきちんと感じられることができたら、音楽をより楽しむことができると思います。

ラブライブ!の曲は、ほとんどがシンプルな4つ打ちのビートです。
音楽的に言うと「4/4(4分の4拍子)」。
変拍子など、トレーニングを積んだ人でも苦手意識のあるような難しいリズムは出てきません。
したがって、ほとんどの曲を「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントしながら楽しむことができます。

カウントがとれるようになったら、ちょっと難しい曲もご紹介。
まずはこちら。

彼方ちゃんのソロ曲「Märchen Star」。
カウントを始めると「ワン、ツー、スリー、あれ?」ってなったと思います。

そう、この曲は3拍子。
3/4(4分の3拍子)の、いわゆるワルツのリズムです。
「ワン、ツー、スリー、ワン、ツー、スリー」と曲が進んでいきます。

他にもLiella!の「Sing! Shine! Smile!」でも、2番の後に恋ちゃんが歌いだすところから急にワルツのリズムになり、元に戻るという構成になっています。

いつものリズムの取り方とは違うので、「ツ・ク・タ、ツ・ク・タ」だったり、彼方ちゃん推しなら「カ・ナ・タ、カ・ナ・タ」など、自分の取りやすいようにリズムを取ってみてください。

そしてもう1曲。
この曲のリズムを感じる事が出来たら、リズム感はもう心配ありません。

Liella!の「ノンフィクション!!」。
すみれちゃんセンターのお洒落な曲ですが、ストレートなリズムとは一味違った感じだと思います。

「ワン、ツー、スリー、フォー」よりは、「ワ~ン、ツ~ゥ、スリ~ィ、フォ~ォ」ぐらいゆったりしています。
これは、日本人に苦手な人が多いと言われる、シャッフルビート。
ジャズの用語で「スウィングするリズム」とも呼ばれています。
裏拍を強調するリズムの作り方で、ポップスでもよく使われます。

シャッフルが使われている曲や、いわゆるハネた曲で思いつくのは、ラブライブ!の曲ではこの曲ぐらいですが、お洒落な雰囲気を作り出すのによく使われるので、ヒット曲も多くあります。

いかがでしたか?
リズムを取るのが苦手でも、「心の中でカウントしてみる」ことを意識すればリズムも取れるようになってきて、楽しくなってきたと思います。
どの曲でもカウントを取れるようになったら、手拍子してみる、体を動かしてみる、ライブのようにブレードを振ってみる、など次のステップを試してみてください。

曲のジャンルはリズムによって変わる、と言っても過言ではありません。
ジャズのスウィングの他にも、軽快なスカのビートだったり、熱帯を思わせるゆったりしたレゲエのビート、ラブライブ!でも多く見受けられる、ユーロビートをルーツに持つ激しいダンスビートなど。
リズムの世界に興味を持っていただけたのなら、リズムレッスンの動画や、実際に楽器を始めてみる、というのもいいかもしれませんね。

数人でサークルを作り、各々打楽器を持って規則性のあるリズムを叩いて楽しむ「ドラムサークル」なんてのもありますので、調べてみると面白いと思いますよ。

スクフェスの思い出

最後に、私のスクフェスの思い出を語ってみます。

初代ラブライブ!からリアルタイムでアニメを視聴し、2期からハマった私はそのタイミングでスクフェスをインストールしました。

元々音ゲーは好きなジャンルでした。
PSPでリリースされた「けいおん!放課後ライブ」を全パート、全レベルクリアを目標にやり込んだほど。
スクフェスも一時期、通勤途中の電車の中でずっとプレイしていました。
スマホの画面に9つの点々がつくほど熱中しましたね。
(あまり綺麗な表現ではないですが…)

印象に残っているのは、μ'sの「僕らは今の中で」でしょうか。
HARDモードで急に難しくなり、クリアするのに苦労しました。
今までやや高難度の曲もクリアは難なくできていたのに、突然クリアできなくなり、悔しくて何度プレイしたことか。

時は過ぎて、μ'sの5thライブ。
見たのはライブビューイングの映画館でしたが、初めてこの曲をライブで聴いた時、胸がいっぱいになって涙が出ました。
初めて見るラブライブ!だったこともありますが、きっとスクフェスで苦労した分、脳裏に焼き付いていたのかもしれません。

私は普段からあまりゲームをプレイしないのですが、好きなコンテンツであればゲームにも手を付けます。
そのため、ヘビーにゲームを楽しむ友達から課金について教えてもらうこともありました。

「スクフェス=リズムゲーム」という認識で、1回でも多くゲームを続けるために、細かく課金をしていました。
ゲームを1回プレイするたびにパワーを消費してゆき、パワーが無くなるとゲームがプレイできなくなります。そのため、パワーを復活させるために「ラブカストーン」を1個ずつ使うのです。
次第にラブカストーンも無くなってしまうので、課金してストーンを増やしていきます。
1回200円ぐらい。ゲームセンターで遊ぶような感覚です。

しかし、友達曰く「むやみに課金してはならない。ゲームを続けるためではなく、ガチャを回すためにラブカストーンを集めよ」とのこと。

ゲームをやり始めた頃はレベルも低く、パワーゲージの値も少ない。
しかし友達は、レベルが上がるにつれてパワーゲージが増え、自然とゲームをプレイできる回数も増えると教えてくれました。

ゲームを続けるためにラブカストーンを消費するよりは、500個貯めてガチャを回せば、より強いカードを得る事ができる。
ソシャゲすらやったことなかった私は最初理解できませんでしたが、やり続けるとその意味がわかってきました。
そして、友達の言いつけ通り、その後は課金を一切しませんでした。

ゲームを続けるうちに、より強く、より難解な曲をクリアしたい、フルコンしたいと欲が出てきます。
イベントにも参加し、順位を見ると私なんか相当下位にランクされます。
イベントの上位者はとても強いデッキを持っています。

恐らく多くが「課金勢」と呼ばれる人たち。
多額の資金を投入して大量のラブカストーンを買い、ガチャを回してより強いカードをそろえているのです。
資金力が相当ある人たちなのか、生活を犠牲にしているのかはわかりませんが、課金に興味のない私はその人たちの足元にも及ばない存在になっていきました。

この記事を読んでくださっている方にも、課金勢の存在にモヤモヤしている人もいるかもしれません。
でも、結局はただのゲームなのですから、自分が楽しめればそれでいいのです。

他のプレイヤーより強くなりたいのなら、課金し続けるのも手ですし、少しの時間を惜しんでプレイし続けるのもひとつの方法です。
でも、合間の時間にちょっと楽しむだけ、というのも楽しみ方のひとつです。

私はその後もゲームへの課金に対して興味が湧きません。
デジタルデータに対して多額の資金を投入することが全く理解できないのです。
実体が残らず、ゲームをアンインストールしてしまったらそれですべて終わりなのですから。

μ'sがファイナルを迎えた頃、Aqoursも実装されてメインストーリーも始まりました。
ただ、その少し後ぐらいからプレイをやめてしまいました。
理由はよく覚えていませんが、HARDでもフルコンできるようになり、途中から実装された「EXPART」でも何曲かクリアできるようになって、自分の中で満足してしまったのかもしれません。

その後、虹ヶ咲が登場する「スクスタ」がリリースされると、その後はずっとスクスタばかり。
こちらはリズムゲームの要素が薄い代わりに、虹ヶ咲のメンバーを中心にμ's、Aqoursもストーリーに登場。3校の仲間がクロスオーバーするストーリーを楽しむことができるので、リリースから飽きずにずっとプレイしています。

同じスクールアイドル同士、学校の垣根を越えて仲良くする様子はほっこりしますし、見ているこちらも楽しくなってきます。
音ゲーパートを自動再生できるので、ストーリーにも集中できますし。
もはや、小説を読んでいる感覚です。

スクフェス2がリリースされた後のスクスタの扱いまではアナウンスされていませんが、多くのユーザーがスクフェス2に流れる事は必至。
いずれはこちらもサービス終了になる運命にあると思うので、その時まで楽しみたいと思います。

ただ、スクフェス2が始まると私もそっちに夢中になってしまうかも…。
人間の脳は、常に新しいものを刺激的に感じるものなので、それは仕方ない事なのかもしれません。

今春リリースと発表になったスクフェス2。
どんなゲームになるのか楽しみですし、かつてスクフェスに夢中になっていた頃を思い出して、楽しくシャンシャンしようと思っています。
そして、ラブライブ!を世界的なコンテンツに成長させたスクフェスには本当に感謝しかありません。
私もたくさんの思い出をもらいました。本当にありがとうございました。

※タイトル画像は、スクフェスオフィシャルTwitterより使用させていただきました。素敵なキービジュアル。リリースが楽しみです。

※記事中のYoutube動画はラブライブ!公式チャンネル、およびランティス公式チャンネルより。

さて、ラブライブ!と言えば、今週末のA・ZU・NAのライブから声出しが解禁されました!

A・ZU・NAのライブは私も申し込んだのですが当たりませんでした。
楠木ともりさんがせつ菜として立つ最後のステージ。
現地で堪能したかったのですが、当然競争率はかなりのものだったようです。
当たらなかったものは仕方ありません。A・ZU・NA推し、そして優木せつ菜推しの人が一人でも多く会場で堪能できることを祈りながら、配信で楽しもうと思います。

しかし、翌週のAqoursExtraライブは現地参加の予定です。
会場も、コロナ禍前に参加した最後のライブ、GuiltyKissの1stライブと同じ武蔵野の森スポーツプラザ。戻ってきた日常を感じるには申し分ないシチュエーション。
どんなライブになるのか、今から楽しみです。

◆2024年1月27日追記
この記事で期待を込めてスクフェス2を紹介しましたが、2024年3月31日をもってサービス終了となる事が発表されました。
サービス終了についてこちらの記事を書きましたので、読んでいただけると嬉しいです。


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