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生き地獄!?灼熱の部屋で得たものとは…?

今週も少しずつ記事の準備をしていましたが、週半ばで体調を崩してしまい、週末までにアップできそうにありません。

ああ、今週も「つぶやき」でお茶を濁すかな?と思っていましたが、体調を崩して療養に充てた日があまりにも壮絶すぎたので、その様子を書いてみようと思います。

まさに生き地獄。灼熱地獄の中での闘い。
一体どんな闘いだったのか?

クーラーはもはや、「暑い中快適に過ごすことができる便利なツール」ではありません。
現在の気象状況では、「生命維持装置」
電気代が高いから、とケチっていては命が危うい。
ましてや、壊れなんてしたら…

エアコンが故障した!?

6月17日
まだ気温はさほど高くないものの、何となく蒸し暑さを感じる。
「除湿」にすれば快適だろう、とエアコンのスイッチを入れる。

いつもならしばらくすると涼しい風が吹き出すはずなのに、しばらく待っても涼しい風が感じられない。

これはおかしい。
送風口に手を当ててみると、暑いんだか涼しいんだかわからないような風がヌボ~っと出てくるだけ。

私の部屋は2階にあり、室外機は部屋の窓を開けたすぐそこ、屋根上に置いてある。
手を当ててみると、振動が伝わってこない。
どうやら動いていないようだ。

エアコンとは、室内機と室外機がタッグを組んで働くもの。
冷房は中に流れる冷媒の熱だけを取り出し、それで得た冷たい空気を室内機から出す。
冬はその逆で、冷媒を室外機で圧縮して得た熱を帯びた空気を室内に放出する。

すなわち、タッグパートナーである室外機が動かなければ、涼しい風が出る事はなく、部屋の温度も湿度も下がらないわけだ。
リング外で室外機が敵の仲間に押さえつけられている間に、室内機がリング上で二人の敵を相手に孤軍奮闘している状況。

何か対処はないのか…?
ネットをくまなく探したところ、必ず最初に出てくるのは…

「フィルタを掃除してください」

ついこの間やったばかりだ。
まぁお手軽な解決方法と言えばその通りだが、部屋が涼しくならないぐらいフィルタ掃除をサボることなんてあるのだろうか?

さらに調べていくと、原因が限られてきた。

・室内機のセンサー故障
・室外機のセンサー、及び制御基板の故障。

いずれも素人ではどうにもならない。
ここはプロに任せるしかない。
すぐさま、購入した電気店のWebフォームから出張修理を申し込んだ。

ほどなくしてメーカーからショートメールが届く。
記載してあるURLをクリックすると、最短で翌週の平日に訪問可能だが、土日しか対応できないので、仕方なく次の土曜日に来てもらうことにした。

その時のつぶやきがこれ。

6月24日
朝からエアコン周りの荷物を別の部屋へ退避させる。
実に1500枚ほどのCDがうず高く積まれているのだ。
退避するだけなら1時間程度で済んだが、暑い中の作業は過酷。

エアコン付近に置いてあったものを退避
ラインナップの一部
好きな1枚だったり、影響を受けたアーティストだったり

メーカーの作業員がやってきた。
状況を説明すると、作業員はひょいっと屋根に降り、室外機を確認し始めた。
あらかじめ持ってきていた制御基板のユニットを交換している模様。

やはり思った通り、室外機の制御基板の故障だったらしい。
修理が完了し、スイッチを入れると、今までの不調が嘘のように順調に動き出し、涼しい風が勢いよく出てきた。

急に壊れるのは困ったが、このタイミングでよかったのかもしれない。
涼しい部屋で安堵しながら、残りの時間は退避したモノを部屋に戻す作業に没頭したのだった。

ちなみに、購入してから5年が経つエアコンだが、購入日の事はあまり覚えていない。
部屋をくまなく探して当時の伝票は見つかったが、延長保証に入っていたか記憶にない。

延長保証の有無は天と地の差。
今日の作業なら、3万円程度は覚悟していた。

しかし、延長保証の証書が見つからない。
高額な買い物だけに、延長保証をつけ忘れたか…。
当時を覚えていないだけに、諦めは早かった。

しかし、作業員から作業伝票を受け取り、お代を聞いたところ…
「延長保証が適用されるので、無料ですよ」

あれ?証書もなかったのに?
じゃあ一体何年保障に入っていたのだろう?

最近の家電はよくできているので、メーカー保証の1年で壊れるものはよほどの不良品だけだろう。
高額な買い物ほど、延長保証は入っておくべき。
でも、証書ぐらい発行してほしいものだが…

とにかく、これで平穏な日々を過ごすことができる。
・・・と安心していたのだが…。

事象再発!よぎる不安。

7月2日。
この日はよく晴れて気温がぐんぐん上がった。
洗濯物の処理をしようとエアコンのスイッチを入れたところ…

吹き出し口からはまたも生ぬるい風がヌボ~っと出るだけ。

おかしい!と思って窓を開け、室外機に手を当てると…
やはり動いていない!

この状況、誰もが混乱するはず。
室外機の制御基板は新品のはずなのに、正常に動いてくれない。
まさか、初期不良品だったのだろうか?

その日はやることが山積み。
仕方なく諦めて出かける事に。

ようやく平穏な日々が送れる・・・と思っていたのに、なぜこんな仕打ちが待っているのか?気持ちはだんだん沈んでいく。

でも、何かの間違いかもしれない。
帰宅後、もう一度スイッチを入れたところ…
吹き出し口からは涼しい風が。

結局、その晩も何の問題もなくクーラーは正常に動いていた。

翌日は出社日。
職場は当然のことながら涼しい。
我が家のクーラーの事は忘れ、涼しい一日を過ごす。

そんな中、ずっと気になる事が。
私の部屋は家の中で一番日光がさす場所にある。
その屋根に室外機を置いておいたら、そりゃ壊れる可能性も高まる。
購入してから5年。壊れるタイミングとしては絶妙とも言える。

そのため、こんなのを買ってみた。

室外機周りの温度を下げる、日よけの屋根のようなもの。
クルマのフロントガラスに内側からつける、サンシェードのようなアルミ素材のもので直射日光を避けよう、という作戦。

遂に、恐れていたことが…

7月4日。
この日は在宅勤務。

昨晩からクーラーをつけた部屋で寝ていたので、当然陽が昇ってからも冷房は効くだろう、と思ってスイッチを入れた。
すると・・・。

三たびヌボ~っとした風が吹き出し口から吐き出され、相棒の室外機は黙ったまま。

この日は30度を余裕で超える真夏日の予報。
陽がよく当たる私の部屋は、確実に灼熱地獄と化すだろう。

いやいや、これはあってはならない。
これからのんびり過ごすわけでも、日焼けに勤しむわけでもない。
仕事をしなければならないのだ。

しかし、何もせず諦める訳にはいかない。
コンセントを抜いて数分待ち、再びコンセントを入れてスイッチを入れる…効果なし。
室外機に水を撒いてみる…効果なし。
我慢してしばらく動かしてみる…余計に部屋が暑くなるだけだった。

最後まであがいてみても、結局効果なし。
完全に故障してしまったらしい。

仕方なく、仕事の合間に家電店のWebフォームから再修理を申し込むのだった。

でも、その日は体調が悪くなることはなく、なんとか乗り切れた。
熱中症予防用の塩タブレットも買ってあったし、水分もしっかり取った。
35度を超える灼熱の夏になってから数年。さすがに熱中症予防のための知識はみんな板についてきたと思う。

ただ、人百倍汗をかく私でも、この過酷な状況下では汗もかかない時間があった。
人はその環境にすぐ慣れてしまうのだなぁ、と感心してしまうのだった。

7月5日。
この日も出社日。
昨日の灼熱の部屋から、涼しい職場へ。

朝いちばんにメーカーから連絡がきた。
仕事中に電話してくるのは勘弁してほしいが…合間を見て折り返す。
受付のお姉さんに、次の土曜に来てくれるよう手配した。
明日も在宅勤務の予定だが、仕事の都合でここは我慢するしかない。

ひとまず、ひと時の涼しい時を過ごす。
明日になるとまた灼熱部屋が待っている。
土曜日までの辛抱だ、と思っていると…

午後から急に体調が悪くなってきた。
体のだるさが徐々に増し、腰のあたりがじわ~っと痛く感じる。
少しずつ寒気もしてきた。

この症状は初めてではない。
私は子供の頃から扁桃腺が大きく、疲れがたまるとすぐに真っ赤に腫れ上がってしまう。

この感覚は…きっと今晩高熱を出すやつじゃないのか??

だんだん悪くなる体調の中、何とか業務終了までこぎつけた。
帰宅途中でハレナースを買って一包だけ飲み、帰宅の途へ。

300円ほど払えば着席できる有料特急に乗り込み、とりあえず寝る事しかできなかった。
気づくと降りる目的の駅を通り過ぎていた。
特急だけにかなり遠いところまで連行され、戻るのに30分もかかった。
ただでさえ体が辛いというのに…。

自宅から駅まで車で通っているが、こんな体調の時に車の運転は危険すぎる。
止めていても1日400円のコインパーキングなので、ここは迷わずタクシーで帰宅。
数百円をケチったために、天に召されてしまっては元も子もない。

ようやく帰宅して熱を測ると、38度7分。
思った通り、会社にいるときから既に熱が出ていたのだ。
だが扁桃腺に違和感があるのみで、気管の痛みもなく、咳も全く出ていない。

以前処方されて余らせてあった解熱剤を飲み、とりあえず寝る事に。

ただ、熱帯夜になってもそれを冷ます術が扇風機ぐらいしかない。
病人にとって劣悪な環境での闘病になる。
果たしてマトモに寝られるのか??

思った通り寝たり起きたりを繰り返す状況。
覚えているのが、部屋の暑さに自身の悪寒が勝ってしまったこと。
この蒸し暑い最中、布団を引っ張り出してかけて寝ることに。
そうでもしないと身の危険を感じたのだ。

こうして、まんじりともしない一夜を過ごした。
翌朝、熱を測ってみると…なんと39度。
完全にノックアウトだった。

上司に連絡を入れ、この日は休むことに。
ちょっと熱が出ても、解熱剤を飲んで一晩寝ればホラこの通り、なんて、若い頃の特権だったんだ…としみじみ感じた。

灼熱の寝床での闘い

休みをもらったのはいいものの、真の休養を取るには整った環境が必要。
しかし、今の私にそんな環境は用意されていない。

あるのは、クーラーが壊れた私の部屋のみ。
つまりは、灼熱の病床。
ここで一日、高熱の病と闘わなければならない。

当然、寝るに寝られず、奪われるのは体力のみ。
食料は買い溜めた菓子パンと、体調不良の日のために常備してある、腹持ちのいい甘いお菓子だけ。
とにかく、体へのエネルギー供給が急務なので、糖質補給が最優先。
水分も十分にある。

それらをすこしずつ摂取しながら、体調がよくなるのを待つしかない。
少しでも熱が下がったら、病院へ行かなければ。

しかし、この日も時間を追うごとに気温が上がってゆく。
室内もみるみるうちに温度が上がり、35℃を差している。

まさに灼熱地獄。
普段は90℃を超えるサウナに嬉々として入り、至極の時間を過ごしているというのに、35℃の部屋がこれほどまでに辛いとは…。

うたた寝と覚醒をくりかえす。
体温も一時37度まで下がったものの、あまりの灼熱に38度に戻った。
汗も出ず、肌も熱を帯びている。
こんな苦しい状況があるのだろうか…。

気休めにクーラーのスイッチを入れるが、状況は変わらず。
灼熱の環境で、極限の状態。
このまま熱は下がってくれるのか?はたまたここで果ててしまうのか…。

その時、ふと思い立った。
体温が高いのは、この暑さのせいでもあるのではないか??
とにかく、体を冷やせば何とかなるのではないか??

保冷剤は使っていたが、既に生暖かくやわらかい物体へと化していた。
モノが古かったのか、端から破けてゲルが飛び出した。
保冷剤だけでは埒が明かない。

意を決して、布団から身を起こす。
風呂場へ行き、服を脱いで冷水シャワーを体にかけた!

思った通り、幾分意識がしっかりしてきた。
このままでは熱中症併発の恐れもあった。
もうしっかり熱中症だったのかもしれないけれど。

サウナでのととのいが役に立った。
20度前後の冷水シャワーなんて、いつも入っている水風呂に比べたらまだ温かいほう。
おかげで、これで出かけられそうだ。

時間は15時過ぎ。
ようやく病院へ行けるめどが立った。

続く灼熱!発熱外来

かかりつけの病院は徒歩20分ほど。
さすがに歩いたり、自転車で行けるほどの状態ではないので、タクシーを呼ぶことにした。
配車アプリが使えるか試したところ、タクシーを捕まえてくれた。
ウチの地元でも配車アプリが使えるようになっていたのがありがたい。

ついでに駅に寄って車を取ってこようと思ったが、さすがにまだ危ないかもしれないと思い、車のキーは家において出かける事にした。

ほどなくしてタクシーが到着。
病院へは5分程で到着した。

いつも高血圧の薬をもらうためだけに訪れるので、それ以外の用事で来たのは初めて。
到着してすぐ目についたのが、「発熱外来はこちら」という看板。

病院の横の方に小窓があり、傍に問診票がいくつも置いてある。
そこに症状を書いて、インターホンを押して渡す、という方法らしい。
言われた通りに問診票に必要事項を書き、インターホンを押して係の人に渡した。

「今日は車ですか?」
熱があるのに車で来られるワケがない。

「いいえ」
「では、あちらでお待ちください。先生が電話で問診しますので」

指をさされた先には、ちょっとした屋根付きのついたてに仕切られたスペースの中に、小洒落た庭用のベンチとテーブル。
まさか…ここで待てと言うのか???

そういえば、発熱外来は車の中ですべて完結する、と聞いたことがある。
しまった…駅に寄って車で来れば、快適な空間の中で待つことができた。
運転は不安だが、30℃を超えるこの場所で、この小洒落たベンチで待つよりずっと楽じゃないか!

しかも、病院の混み具合では待ち時間が発生する。
この仕切られた場所で、小洒落たベンチでただ延々と電話を待つだけの時間。しかも、いつ終わるかわからない。
こっちは、朝から涼しい空間に1分たりとも居たことがないのに!!

とにかく涼しい空間が恋しい。
その一心でインターホンを押し、係の女性に声をかけた。

「時間かかりますかね?もし時間がかかるなら、車取ってきたいんですけど…?」
「あ~、もうすぐ呼ばれると思うので、この場でお待ちいただけます?」

淡い期待は露に消えた。
切ない気持ちで小洒落たベンチに戻る。

ただ、本当にほどなくして先生から電話が入った。
本当に電話だけで完結するのだろうか??

「コロナがまだ流行ってるので、これから検査しますね。お待ちください」と言われて電話を切られた。
また待たなければいけないのか…。

しばらくすると検査キットを持った看護師が現れた。
「5秒ほどがんばってくださいね~」
と言われ、鼻に棒を突き刺される。

だいぶグリグリやるじゃないか。
そこまでする必要ある?という具合に。
おかげでしばらく鼻水が止まらなかった。

しばらくして先生から再び電話が入る。
「検査は陰性でした」
そりゃ当然だろう。咳ひとつ出ずに、ただ扁桃腺が痛いだけなのに。

「解熱剤と喉の炎症を抑える薬をだしておきますからね~」
と言われて電話を切られた。

たったこれだけ。
喉の調子も見ることなく、聴診器も当てられない。
そこそこ長い人生の間で熱を出す度に何度も診療を受けてきたが、こんな経験は初めてだ。

しばらく暑い中待っていると、今度は受付から電話が入る。
「丁度あります?いくらお支払い予定ですか?」
え?そんなことも聞かれるの?

つまりは、5000円か1万円しかないなら、先に教えてくれればその分のお釣りを用意する、という意図での質問だった。
接触を最小限に食い止めるためだ。

「1万円です」
「では用意して窓の前でお待ちください」

しばらくして窓が開くと、トレイを出されたので1万円を置く。
お釣りはあらかじめ用意されていたので、スッと出てきた。

「処方箋はあらかじめそちらの薬局にFAXしておいたので、こんどは薬局から電話が来ます」
この病院の隣には薬局が併設されている。

「え?薬はいつもドラッグストアの方でもらってるんですけど…?」
病院併設の薬局は混雑するので、少し離れたドラッグストアをいつも利用しているのだ。

「発熱外来はそちらの薬局で処方することになっているので、ご了承ください」

まぁ別に薬をもらえるのならどちらでもいいが、いつもの薬局は歩ける距離にあり、当然店内は涼しい。
という事はつまり、薬が用意できるまで、またあの小洒落たベンチで待たなければならない。

自宅の部屋に比べればまだ涼しいが、それでも30度を超える暑さ。
だんだん意識が朦朧としてくる。
いったいいつまでこの空間に居続けなければいけないのか?
病院ってこんなに過酷だったっけ?

ほどなくして、今度は薬局から電話があった。
3種類薬が出るらしい。
5時間が云々、5時間ですよ、云々…
という事をしきりに言っていたが、意識朦朧であまりよく覚えていない。

ここでも、「いくら払いますか?」と言われる。
「1000円です」「ではお待ちください」
特殊なやりとり。どうも慣れない。

しばらくすると、薬剤師が薬を持ってやってきた。
領収証と一緒のビニール袋に、お釣りが入っていた。
まるで小学生のお使いみたいじゃないか。

意識も朦朧で、ずっと暑い中待たされたのもあり、対応がぞんざいになってしまったかもしれない。
すべて終わっても、ぐったりしてその場からしばらく離れられなかった。
結局、この小洒落たベンチにお世話になりっぱなしだった。

もう、何とか涼しい場所に居たい。
頭の中はそれしかない。
このまま車を取りに行くことにした。
ささやかながら、車にはクーラーがある。ようやく涼しい場所に行けるのだ。

究極の凡ミス!闘いは意識をも困惑させる!

再び配車アプリでタクシーを呼ぶ。
画面を見ると、担当するタクシーのナンバーが表示された。
あれ?行きと同じタクシーじゃないか。
アプリに対応している車の数が少ないらしい。

乗り込むと、「あれ?さっきの!」と運転手も気づいた。
道中、今までの顛末を話し、行きとは逆に和気藹々な車内。

最寄り駅に到着。
病院からも5分ほど。

駅の隣にスーパーがある。
そこで追加の食料と飲み物、明日の食料などを買い込む。
あとは車に乗って帰るだけなので、気持ちも楽。
しかも、店内の涼しいこと!!

パーキングは自走式のタワーで、スーパーとは対面の方向にある。
あとは車に乗って帰るだけ…とバッグをまさぐっていると…。

あれ?ない?
クルマのキーがない!??

そうか…まだ危ないからとキーを持ってこなかったんだった…。

ここで気づく痛恨のミス。
脳内が「涼しい場所」というワードで埋め尽くされた結果だった。

しかし、駅と自宅の近所までは路線バスで結ばれている。
あまり規模は大きくないが、待てばすぐ来るはず。
急いで停留所の時刻表を見ると…。

今から20分後!
仕方なく、タクシーで帰宅することになった。

昨日からタクシーにいくら使っているのだろう?
運転に不安があるのだから仕方ないのだけれど…。
普段タクシーを使わないので、ものすごく散財した気持ちになってしまう。

こうして病院からようやく帰宅。
しらべると、近くの停留所にバスがくる時間が間近なので、急いで向かう。
やってきた小型のバスは朝乗る時よりも混んでいた。
そういえば、この時間にバスに乗った事なんてなかった。

数十分ぶりの最寄り駅。
バスは駅で待つ人を乗せて走っていった。
ひょっとして、あのまま待っていたらこのバスで帰宅することになったのか。

駐車場で自分の車に乗り込み、エンジンをかける。
ようやく待ち望んでいた涼しい空間。
・・・だが、ひと工程多かった。

その後も灼熱の寝床で休んだが、もらった薬が効いたのか、だいぶ楽になった。
おかげで、22時からの坂本龍一スペシャルも見ることができたし、その晩も何とか眠りにつけた。
波乱万丈の一日が終わった。

まさかのエピローグ

翌日は在宅勤務をしていいと上司に言われたので、そのお言葉に甘える事にした。
感染症の疑いがある中での出社は認められないが、検査の結果は陰性。
あとは体調の回復を待つだけだし、何より昨日できなかった洗濯ができるのもありがたい。

会社で働く数人のメンバーともTeamsでやりとり。
私が発熱したことは関係するメンバーには知れ渡っているようで、温かい言葉をかけてくれた。
「今日はクーラーの効く部屋で寝てくださいね」
確かにその通りだ。今日はそうしよう。
居間にもクーラーがあるので、そこに布団を敷いて寝ればいい。

地獄のような1日を経て体は多少楽にはなったものの、まだ熱は37度台。
それでも部屋を冷やす術が無いのだから、知恵を絞らなければならない。

何より、灼熱の寝床の中で「30℃以上の部屋で長い間汗をかかない状態になったら、危ない」という教訓を得たので、今日は積極的に体を冷やしにかかる。

保冷剤は家にあるものをローテーションしながら複数使う。
上着はノースリーブのものを着る。
午後には定期的に水シャワーを浴びる、など。

万全の体制で午前中を乗り切った。
幸い胃腸に変化はないので、普通に食欲があるのは助かった。
朝からきちんと食事ができるし、エネルギー切れを起こさずに済む。

午後。
少しでも部屋が冷えてくれれば助かるよね…と思い、ダメ元でクーラーのスイッチを入れてみた。すると・・・

ゴーッという音と共に、勢いよくクーラーが動き出した!
昨日までウンともスンとも言わなかったのに。
しかも、確実に昨日よりも直射日光が降り注ぐ暑い日中なのに。

この3日間の苦労はいったい何だったのか?
高熱に侵されながらも、必死に灼熱地獄に耐えた、あの時間は…??

結局、夜までクーラーが止まることはなく、動き続けてくれた。
そして、涼しい風を大量に運んでくれて、快適な在宅勤務環境を整えてくれたのだった。

この1週間、私は自室のクーラーに弄ばれただけだったのだろうか?
こっちは死ぬ思いだったのだが…

7月8日。
メーカー作業員が2度目の訪問。

クーラーは変わらず順調。
作業員曰く、室内機のセンサーに異常があると、暑い部屋でも設定温度に達していると誤認識してしまい、室外機も動かなくなるのだとか。

つまり、戦う意味がないと勘違いした室内機が「十分涼しいじゃねぇかオラ!エーッ!」とコンビ造反を企てるのだ。
それなら、室外機も怒ってケンカになり、結果お客さんに「こんなしょっぱい試合ですみません…」と謝るのだろうか?
室外機…お前は平田なのか?

そのため、室内機の制御基板も交換してもらうことになった。
作業は30分ほどで終了。
その後の動作も問題なく、今も快適にクーラーは動いている。

室外機の日よけパネルも購入した翌日には到着。
作業員が帰った後に屋根に降り、自分で取り付けてみた。

・・・なんだかちょっと心配になるような質感だが、日差しは避けてくれるはず。台風の季節が来る前には取り外すと思うけど。

まだ体調は本調子ではないが、灼熱地獄での激しい闘いは終わりを告げたのだった。

おわりに

この灼熱の闘いで得たものとは、この先暑くなる今年の夏への教訓です。

・クーラーは「生命維持装置」。極力使うようにし、心身の安定を継続する。

・30℃を超える環境下で、汗をかかなくなったら危険なサイン。汗をかくまで水分を摂取し、極力肌を冷やすこと。

・発熱外来へは車で行くこと。

注意:無理はしないでください。家族に運転してもらう等の方法を取ってください。私は同居の父が既に免許を返納してしまっているので無理でした。

発熱外来の対応も、目下高熱を出している状況の私には応えました。
でもきっと、3年ほど前からずっとこの体制でやってきているのだと思います。

感染者をこれ以上出さない工夫。
機械的ではありましたが、無駄は一切なし。
この3年、何百人、何千人もの患者さんに対して繰り返してきたのでしょう。

中には感染者もいたはず。
そう考えると頭が下がる思いです。

新型コロナが5類相当になっても、この状況はしばらく続くでしょう。
いつも本当にありがとうございます。

さて、手短に済ませるつもりが結局長くなってしまいました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
体には気を付けて、楽しい夏にしましょうね。

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