試読シドク

リアルな場でマンガをオススメし合うコミュニティ、「試読シドク(ex.生マンガ試読同盟)…

試読シドク

リアルな場でマンガをオススメし合うコミュニティ、「試読シドク(ex.生マンガ試読同盟)」のnote。イベントレポートやマンガレポートを公開中。

最近の記事

マイペースに未知のマンガと遭遇できる「試読シドク」

先日、「試読シドク」というイベントに参加した。 隔月で行われているこのイベントの5月回の会場は、「R crazy」という六本木のキャバクラ。天井にはミラーが張られ、きらびやかなボトルや照明が並ぶ、この空間で行われるのは、なんと「マンガ」を取り扱ったイベントなのだという。 ▲キャバクラに続々と集まる参加者の方たち 試読シドクとは、その名の通り、面白いマンガをリアルな場で共有し、試し読みをするコミュニティ型イベントのこと。 書店やコンビニで立ち読みが規制される一方で、マン

    • #試読シドクってなに?

      みなさん初めまして。 イベント『試読シドク』の運営スタッフ よこみ(@yokomi_zzz) と申します。 今回は、 「試読シドクってどんなイベントなの?」 「どんな人が来るの?」 「どうやって行けばいいの?」 について書いてみます。 試読シドクってどんなイベントなの?試読シドクは、都内某所にマンガを持ち寄り、時には勧め合いつつも、基本的にただひたすらに読み続けるリアルイベントです。 書店やコンビニでは立ち読みが規制されるようになり、マンガの刊行件数が年を追うごとに増

      • 人形の国/弐瓶勉

        『BLAME』、『シドニアの騎士」で知られる弐瓶勉の最新作の舞台は、生けるものたちの繁栄を拒む白銀の世界だ。 体積の大半が地底空間で占められている人工天体アポシズム。地底との戦争に敗れた人々は酸素も薄い極寒の地表部分で暮らしている。 攻撃的な自動機械や、現在の連載では詳しく説明されてはいないが、読み切り版で ”体が少しずつ機械に置き換わってしまう病気”だとされている「人形病」などに苦しめられながらも、なんとか人々は生き延びている。 そんな過酷な状況の中で、主人公のエスロ

        • わたしの宇宙/野田彩子

          今回、ご紹介するのは『潜熱』が話題を呼んでいる野田彩子の『わたしの宇宙』です。 フランス人の祖母を持つクォーターのヒロイン、津乃峰アリスは、主人公であり同級生である星野宇宙と、同級生男子の祖谷とのあいだで起こったとある事件をきっかけに宇宙の家を訪れます。 そこで宇宙は、この世界は「漫画」のなかの出来事であり、自分たちはその登場人物であること、そして宇宙こそがこの漫画の主人公であるということを語り、そこから物語は一気にメタフィクションとして展開していきます。 メタフィクシ

        マイペースに未知のマンガと遭遇できる「試読シドク」

          狭い世界のアイデンティティー/押切蓮介

          「まんが道」「編集王」「バクマン」…いままで、漫画家や編集者に焦点を当てたマンガは少なくなく、多くの漫画家や編集者、そして読者が勇気付けられてきたのではないだろうか。 そして2017年、「ハイスコアガール」「ピコピコ少年」で知られる押切蓮介が、この聖域に文字通り"殴り込み"をかけた。それが今作、「狭い世界のアイデンティティ」。 [あらすじ] マンガの持ち込みをした結果、串刺しにされてしまった兄の仇を討つため、そしてマンガ業界を"暴力"でのし上がるため、神藤マホは新人漫画家

          狭い世界のアイデンティティー/押切蓮介

          「排泄」の欲動|水色の部屋/ゴトウユキコ

          押見修造に「どうしてこんなに男を描くのがうまいのか。」(※1)と言わしめるほど、男性の深く暗い欲動が溢れているのが「水色の部屋」だ。 主人公の柄本正文は、母である沙帆の性的な魅力に動揺しつつも、母子の二人で暮らしている。沙帆の無自覚な性的魅力に、正文の同級生である河野洋平は次第に惹かれていき、そこから物語は大きな展開をみせます。「母さんがレイプされた」という衝撃の冒頭シーン、正文の幼馴染である三好京子と河野の恋愛とその顛末、そして正文の決断。物語が進展していくほどに、作品の

          「排泄」の欲動|水色の部屋/ゴトウユキコ