公園にて


 郊外の住宅地に点在する小さな公園は廃墟のように見える。鉄棒、滑り台、砂場、いつも誰もいない。

ベンチにのっかってスズメが盛んに頭をふってあたりをうかがっている。鳥というものはいつ見てもせわしなく頭を動かしている。

私は人間だから、せわしなく頭をふったりしない。スズメの頭の動きはわかっても、眼の動きまでは観察できないが、人間の眼に比べて可動範囲が狭いので、頭を動かすことで補っているのかも知れない。

ハトが上空を通過するのが見える。同じくそれを見上げるスズメ。今スズメの眼にはハトの飛ぶ姿が見えているだろう。私とスズメは同じものを見ている。

ハトが飛んでる、、、とスズメは思っただろうか。人間はいつもせわしなくなにか考えている。


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