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キャリアヒストリー/ITから生産に事業まで

※サムネイル画像出典:ビズリーチ 公募ページ「資生堂インタラクティブビューティー株式会社」(2024年4月18日公開)より転載

みなさん、初めまして。資生堂インタラクティブビューティー(以下SIB)の元良(げんら)です。現在、SIBでは様々なバックグラウンドを持つ方が活躍しています。その一員として、今回は私のこれまでのキャリアについてお話させていただきます。

今も趣味のサーフィンに明け暮れていた19歳のころ

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IT担当としてキャリアをスタート

株式会社資生堂に入社し、生産技術部門:鎌倉工場管理部のIT担当としてキャリアをスタートしました。
当時は、DOS/VからWindowsへの切り替え(今となっては懐かしいワープロ専用機もあった)や2000年対応、アプリケーションもこの流れから生産拠点全システムのWindows化、ネットワークも高速ネットワーク規格での再構築や有線から無線LAN化と、工場のIT業務全てをカバーするチームの一員として、IT技術の節目から発生する業務に日々追われていました。
そのような中、2004年頃に当時国内にあった生産5拠点で、生産に関わる全業務プロセスの統合を図り、単一のシステムで運用するというプロジェクトが立ち上がりました。同じ資生堂の生産拠点であれども、ほぼ生産設備で自動生産するFA(Factory automation)を積極的に採用している工場もあれば、多品種を効率的に生産するためにフレキシブルな生産設備配置をし、多くの人で生産能力をカバーする工場もあり、 生産方式に差があることから、プロセスも異なっており、システムそのものも工場毎に違うものでした。
生産プロセスが異なることから、発生する工場間でのギャップを無くし、極めて効率的な生産供給体制を日本の工場としてとれるようにすることが経営課題のひとつでしたので、この実現に向けた全生産プロセス統合を図るため、全工場業務部門の現状プロセスの洗い出し整理、取るべきプロセスの策定、ギャップポイントの明確化、新システムの設計、新プロセス・システムの適用と上流工程のほぼ全てを社内リソースでカバーし、対応を図りました。これが最初に経験した大規模なITプロジェクトでした。そして、今もこのシステムは現役です。

事業を起こすか? or 資生堂でのキャリアを積むか?

この頃実は、会社を辞めて事業を起こそうかと考えている時期でした。
その一方で、資生堂のITという職域の中で、できることが増え、より責任ある役割で業務に従事できるようになり、資生堂での長期的なキャリアについても同時に考えるようになりました。社内でのキャリアとしては、もともと海外業務に従事したいという思いが強くあったことから、その機会を探していました。そのような中、生産技術部門内での海外短期研修制度があり、参加させてほしいと上長に直談判してエントリーし、審査をパスしました。
研修地域は欧州、米州、中国と3地域で、いずれもその地域の工場での研修なのですが、当時これから会社の発展に大きく寄与するであろう中国地域での研修を希望しました。これが将来、私の会社人生で半分近くを占めることになる現地駐在を含めた中国事業に関わる仕事に就くひとつの大きなキッカケとなりました。

IT職から離れる

生産プロセス・システム統合のプロジェクトを終えたのち、実はIT職から離れ、工場で外装設計を担当しました。海外研修時の気づきでモノづくりの本質をしっかりと理解するため実務として、実際の商品開発や量産の工程での仕事の経験をしたいという思いから、自分で希望し、異動が実現しました。主に商品の量産化に向けパッケージ類の設計や設備との調整などを行うのですが、もともと機械いじりが好きだったことや、学生のころには製図もやったりしていたことから、すんなり新しい仕事に入ることがでました。在籍が一年ちょっとの間と短い期間でしたが、複数ブランドのスキンケアを中心として、資生堂の誇る品質の高いモノづくりの本質を学びました。
資生堂という会社で働くことをこれまで以上に誇りに思い、会社の成長にもっと貢献したいと強く思うようになりました。

中国事業へ

2009年から、これまで所属していた生産技術部門を離れ、中国事業部への異動が実現し、ここから中国事業に関わる業務に就くことになりました。
当時、中国事業はまだまだこれからという市場でビジネス基盤の構築や事業の拡大期にあり、非常にやりがいのある時期でした。私は、主に中国地域現地法人のITや物流網の整備・構築を担当していました。2010年からは資生堂Chinaに赴任し、上海駐在がスタートしました。赴任時のミッションは、資生堂Chinaを含む中国本土の法人3社にプロセス統合を図り、SAPを導入することでした。約2年でこの導入を終え、その後、資生堂ChinaのITの責任者として、事業構造改革案件、販売会社、生産会社、研究所と現法で利用するあらゆる領域のアプリケーションの構築や運用、インフラ整備を推進しました。資生堂の成長エンジンのひとつという位置づけでもあったことから、Region体制が敷かれた際には、ChinaでのIT体制の整備や各社のシステム統合、大規模なCloud移行、デジタルマーケティング基盤の整備など、多岐にわたり将来のビジネスに耐えうる環境構築を進めていきました。
ビジネスや事業として思考の起点が重要であり、広く社内外の知識が行動のために必要なことや目的達成のための関与者を巻き込む力、そして何よりも自身の実行力を高めることはもちろん発揮することが強く求められるということを実感しました。と同時に、事業の中にいることからその成果の実感が持てるため、苦しいことも多いですが、非常にやりがいも感じることができました。

資生堂Chinaオフィスからの眺め
資生堂China在籍時に業務外で子供たちにサッカーを教えていた時(一番左上)

日本での再始動

2018年に日本に帰任し、新工場の設立プロジェクト(那須、大阪茨木、久留米)にITという立場で参画しました。何十年に一度あるかどうかという工場の設立に短期間で3拠点も経験できたことは非常に有意義なものでした。Made in JAPANの高品質のモノづくりの現場ですから。現在は、資生堂インタラクティブビューティー株式会社のIT ソリューション部を担当しています。資生堂の研究開発~生産購買~販売物流、人事・財務とビジネスの根幹となる領域、また資生堂関係会社に対してITで事業を支援する役目です。

2019年 Global Meeting時の移動中のエレベーター内(一番下真ん中)

後輩、入社検討中の方へのアドバイス

資生堂は1872年に創業され、150年以上の歴史のある会社です。これから先も輝き続ける会社を創るために我々はITの側面からビジネスをサポートし、貢献していきます。そのためにも多様な人材でより高いパフォーマンスを発揮していきたいと考えています。あなたの持つ、ユニークな能力を発揮すること、また他者の能力と掛け合わせて融合させることにより、資生堂の掲げる「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を実現していきましょう。

【ご参考】
■4/18 BizReach掲載記事

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元良 洋己(げんら ひろみ)

■株式会社資生堂に入社後、工場管理部門のIT担当として、システム開発・維持・運営を担当。その後、技術部門にてパッケージ設計を経験。
 ■2008年から本社中国事業部で中国各社のITと物流事業戦略立案と実行及び現地法人のITと物流領域の管理統制を担当。
■2010年より資生堂China(SCH)に、経営管理部長として赴任し中国3社へSAP導入(SCH、SZC、SLC)プロジェクトを実施。
■ 2012年より、資生堂China(SCH)、IT部長として、生産、販売、人事、会計、マーケティング、営業、店頭、EC、ブランドサイト、インフラ等幅広い領域でIT施策の実行やシステム開発・管理を担当。また、SCH事業改革案件を複数担当。
■ 2016年以降、China region IT directorとして各社ITシステムの統合を実施。管理対象に中国研究所を含み中国4社のIT関連の施策の策定、推進。
■ 2018年日本へ帰任し、大阪新工場立ち上げプロジェクトを担当。同年、本社GICT部に異動となり、サプライNWG GM、マスタデータマネージメントG GM
■2021年 資生堂インタラクティブビューティーサプライNWG GM
■2023年 資生堂インタラクティブビューティー、ビジネスシステム部長
■2024年 資生堂インタラクティブビューティー、ITソリューション部長