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本の話 小さくても画集

素敵なポストカードをもらった。

イギリス土産、コンスタブルの風景画のカードだった。


『Dedham Lock and Mill』(1820)

雲に覆われた空を背景に建物が並ぶ。
どこかで見たような、静かな田舎の情景。

イギリスの風景画といえば、ターナーが好きだったけど、コンスタブルもいいなと思った。


何を探すでもなく漂っていた情報の海で、ふと目に留まった1冊。
簡潔なタイトルに心惹かれた。

『Constable's Skies』

コンスタブルの空の描写を集めた画集だ。
装丁も美しい。欲しい。



大判のほうが良い?

レビューを見ると、本のサイズが小さすぎる、と言う人がいた。
この意見を見て、しばし迷った。

絵画を、美術館で鑑賞する気分で楽しみたいなら、大判の画集が良い。
肝心の絵が小さくて見づらかったら意味がない。

自分の本棚の美術関連本は、文庫サイズから厚みが3~4cmあるハードカバー本まで様々。
どの本もお気に入りだ。気に入った本しか本棚には置かないから。

しかしよく考えてみると、小さい本より大きい本のほうが特に気に入っている、とは限らない。
むしろ極端に大きすぎる(というより重すぎる!)本は、取り出す頻度が低い。………取り出すのが、めんどくさい(小声)。


そう、大きければ良いってものでもないのだ。

画集とは、自分にとっては解説を精読したり細かな筆致まで検分したりというより、気軽にぱらぱら眺めて楽しむもの。

美術館は好きだけど、毎日通いはしない。
美術館よりも、芸術をもっと身近に感じたい。

どうせ買うなら「つい開きたくなる」本が良い。
その条件は、「手頃な大きさ・重さ」ではないか。

ということで、購入を決めた。


約20×17.5cm、正方形に近い

確かに、実際手に取ってみると画集にしては小さいと感じた。

でも開いてみると手になじむ、コンパクトな一冊。

本の重さを気にすることなく絵の中の世界に入っていける。


気楽に読める文章量も嬉しい

収録されている作品のなかには元のサイズが1辺20~30cmくらいの小さなものも多い。空の部分は拡大写真が載ってるものもある。

ちいさくても画集として楽しむのに何も問題ない。

自分にはこれでいい、と思えた。


持ってる画集の中で一番大きいのとくらべてみた

画集を選ぶ基準って、今までは「好みの作品が載ってるか?」だけだった(予算は別として…)。
著名な画家でなければ選択肢は限られる。ネットで買うときには中身を確認できないから博打。届いてみて重量に驚く事も。でも好きな絵が載ってればラッキー。
そういうものだと思っていた。

「作品によって、鑑賞する目的によって、ふさわしいサイズがある」
今後また画集を探すときのために覚えておこう。


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