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初めて見たマーベルシリーズがエンドゲームだったが、そのマーケティングに感動した話

昨日友人に誘われて初めてマーベルシリーズの映画を見た。ただタイトルがエンドゲーム。今にもシリーズが終わりそうな予感がプンプンしているではないか。事前に10分くらいで情報収集したところ、どうやら前回の作品でサノスという最強の敵が石を6つ集めて地球上の人類の半分を消滅させてしまったらしく、エンドゲームではアベンジャーズが逆襲するということらしい。先に映画を観た感想を言っておくと、過去シリーズの知識がないと多分10%くらいしか楽しめていないんじゃないかと思うw エンドゲーム自体で何が起こっているのかはなんとなく分かるんだけど、登場人物のことが全く分からないため、背景にあるストーリーを楽しむことができない。まぁそれはそうだろうという感じ。一方で、映画自体よりもマーベル作品のストーリーやマーケティングに興味を持つことになった。

映画を見終わった直後に広告を出してくるターゲティング

映画を見た直後にInstagramのストーリーでディズニーデラックスという名のディズニーの動画配信サービスの広告が出てきたのだ。僕はアベンジャーズを見る前にスマホでは一切マーベルについて調べていなかったし(充電が切れていたので友人のスマホを使って事前情報を得ていた)、SNSでマーベル関係のアカウントをフォローしていたり、いいねを押した記憶もない。ということはおそらく、ディズニーは映画来訪者のデータをリアルタイムに購入し、デジタル上でターゲティングリストに組み込んでいるのではないだろうか(メールアドレスや電話番号を取得しているので技術的には出来るが、規約次第という感じか)。僕のようにマーベル知識がぴよぴよレベルでエンドゲームを見た人は、映画館を出た時には過去のシリーズにも少しばかりの興味を必ず抱くだろう。そのドンピシャのタイミングで動画配信サービスの広告を当てることが出来るディズニーのマーケティングに感動した。

過去作品の視聴を動機づけるマーベルの巧妙なストーリー

マーケティングが巧妙だと思った要因はアベンジャーズのストーリーの秀逸性にもある。マーベルはアイアンマンやスパーダーマンなどメジャーなヒーロー作品をまず世に生み出し、各ヒーローの集合体としてアベンジャーズシリーズを公開している。つまり、アベンジャーズシリーズを最高に楽しむためには、各ヒーロー作品に精通しておいた方が良い構造になっているのだ。最初からヒーロー作品を観ている人は自然とアベンジャーズも見るだろうが、僕のようにアベンジャーズから入った人はヒーロー作品に興味を抱かざるを得なくなっているのだ。

オフラインとオンラインの体験の掛け合わせ

秀逸なストーリーと高いターゲティング精度が「映画→動画配信サービス」への誘導を上手く引き起こしている。マーベル作品と接点がない人とはまず映画館で初回接触を持つ。映画は本人の興味あるなしに関わらず、友人や恋人に誘われたから、くらいのノリで行く人が多いので、オンラインよりも行動を促すのに向いているだろう。興味が高まったところで次は、サブスクリプションの動画配信サービスに誘導することで、継続的な課金を発生させようとするモデルになっている。ディズニー商圏に取り込むための見事なオフライン✖︎オンラインの掛け合わせだ。オフラインの価値はやはり体験にある。そのサービスや作品に対する解像度が劇的に上がる。そしてオンラインで売上の多くを取っていく。これは最近のD2Cなんかにも見られる形で、今後はより一層オフラインでの体験価値の重要性が高まっていくのだろう。

つまり何が言いたいかって、マーベルシリーズ全部見てからエンドゲーム見た方が10倍面白くなるよ!という話でした。

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