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Spotify

書名:Spotify
著者:Sven Carlsson, Jonas Leijonhufvud

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目次
1. 概要&読んだ理由
2. 構成
3. 感想

概要&読んだ理由

前提として、僕はSpotifyについてあまり詳しくありませんでした。超有名な音楽ストリーミングサービスであることは知っていたのですが、AppleMusicを利用しているためSpotifyは数年前に無料トライアルをしてみただけ、といった状態でした。しかし、そういえばSpotifyってどんな企業なんだろうと思い本書を手に取ることにしました。また、この本の表紙がカッコ良かったというのも読んでみようと思ったキッカケです(笑)
本書では、ダニエル・エク(Spotifyの創業者兼CEO)の生い立ちからSpotifyが上場するまでのストーリーが描かれています。実は、Spotifyはスウェーデン初のスタートアップです。スウェーデンのスタートアップがヨーロッパで市場拡大し、アメリカでAppleやAmazonなどが提供する競合サービスと凌ぎを削る様子まで詳細に描かれています。レコード会社、アーティストとの権利をめぐる争いも記録されており、様々な問題を解決していったSpotifyメンバーの苦悩も窺い知ることができる一冊です。

構成

第1章  秘密のアイディア

第2章  リーダル通りのエンジニアが実現したとてつもない技術

第3章  労働階級の街に生まれた野心家

第4章  スポティファイ前史

第5章  違法コピーサイトよりもいい製品が作れたら

第6章  富裕層マネーが流れ込む

第7章  すべての音楽を無料で

第8章  フェイスブック経由でアメリカ進出

第9章  スティーブ・ジョブズ、いよいよ立ちはだかる

第10章 ザッカーバーグとの駆け引きと、密かに生まれた最大のライバル

第11章 規模を追い求めて

第12章 幻のプロジェクト「スポティファイTV」

第13章 アップルとビーツ、ライバル2社が手を組んだ

第14章 スポティファイ史上最大の危機

第15章 テイラー・スウィフトがボイコットし、ジェイ・Zが競合を立ち上げる

第16章 ビッグデータでアップルミュージックに対抗せよ

第17章 スウェーデンが生んだ「成功物語」として

第18章 ストリーミング戦争をいかに生き延びるか

第19章 いざウォールストリート

第20章 次なるステップへ

計20章、420ページで構成されています。各章の概要はネタバレになるので書きません。気になる方は読んでみてください。

感想

本書はあくまでドキュメンタリー本だったので学びは省略しました。この本を通して、よく知らなかったSpotifyについて知ることができました。僕が思う、Spotifyの強さは2つあると思います。

1つ目は「圧倒的な成長速度」です。本書ではSpotifyの財務情報もいくつか掲載されていたのですが、いわゆるスタートアップのJカーブを描いていました。Spotifyはずっとユーザーが数千万人になってもずっと赤字経営が続いており、数百億円規模の出資や、融資を何度も受けています。(その規模の融資や出資を受けられることがまずすごいですが笑)規模の追求を、とことんやり続けた結果、Spotifyはスウェーデンからグローバルサービスに成長できたのだろうと思います。

2つ目は、ダニエル・エク本人が「超優秀」だったことです。まず彼は、幼少期からエンジニアリングを学び、大学在籍期間中にはフルタイムでベンチャーのエンジニアとして働きます。その後、スウェーデンのスタートアップにCTOとして参画し、25才の若さで企業をバイアウトし巨額に資金を手にしています。ダニエル・エクの優秀さは魅力的な人々を惹きつけ続けました。その一人がマルティン・ロレンツォンです。彼は実際にダニエル・エクと共にSpotifyを設立しています。マルティン・ロレンツォンもまた事業を成功させている大富豪でした。彼の資金を元手に、Spotifyは初期からダニエル・エクのビジョンの実現のためアクセル全開でスタートしました。Spotify成功の要因として、ダニエル・エクのエンジニアとしての力、人を惹きつける力、そして経営者としての力は間違いなくあると思います。

ダニエル・エクを始め、Spotifyの創業メンバーはがつくほど優秀なメンバーでした。そんな優秀なメンバーでも、想像できないほどの努力をしてSpotifyが今の規模になったと考えると、スタートアップの世界はやはり厳しいものだなと思いました。
是非、スタートアップに関心がある方は読んでみてはいかがでしょうか。ザッカーバーグ、スティーブ・ジョブズ、ショーン・パーカーなど錚々たるメンバーが出てくるので好きな方は興奮すると思います。また音楽ストリーミング市場についての知見も深まるかと!
Amazonのリンクを貼っておきます!最後まで読んでいただきありがとうございました!

では!


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