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詩をかいて、気がついたこと

詩を書いていると、
「あ、じぶんってこんなことにこだわっていたんだな」
と気づくものがある。
今回はそれについて、書いていこうと思う。

どうしてそんなことを書くのかというと、
今こだわっていると気づいた事柄は、今の僕についての話であって、
もしかすると将来の僕にとっては
何の関心もなくなるかもしれない事柄だからだ。

こまったことに僕は移り気なのだ。
そして忘れっぽい。
だから、じぶんの記録をのこすために書いておく。

【一人称】

ほとんどの詩で、一人称は「僕」か「ぼく」だ。
これ以外の一人称を使ってみようと詩の中に入れてみても、
なんだかブカブカの服を着ているみたいで心地がわるい。
それで「僕」だとか「ぼく」にもどしてしまうのだ。

たとえば「俺」という一人称は「ぼく」に比べると荒っぽいから、
ぼくではない人なら詩の中に「勢い」や「飛び出した感情」などを
表現できるかもしれない。
「俺」だと周りから押しつけられる制約がすくないか、
制約があっても押し返せそうな人物をイメージできる。
そう思うと「ぼく」は、「俺」にくらべて一歩か二歩うしろにいる感じなのかな。
作者(ぼくのことだけど)は、あんまり目の前の現実にコミットしたくないという人間像が浮かんでくる。
そうか。現実から乖離していたいんだね、ぼくは。
なんて確認をするわけだ。
それがまず、今のぼくがこだわってしまう一つ目だ。

実を言うと、実生活のぼくは、多分に離人症の傾向がある。
あった、という方が正確かもしれないけど、今になっても他人の感情に
じぶんをうまく同調できないことが、わりと多くある。
それで、周囲からはトカゲのように?冷たい人だと思われている、と思う。それで胸が痛むわけではないのが、やっぱり離人症なんだろうなあ。
それはそうと、トカゲはかわいいよね。
うん?そういう話じゃないよ。

【推定年齢】

詩は、現実のぼくそのままの投影ではなくて、
けっこうな量でフィクションを盛り込んでいる。
それで作中に登場する一人称「僕」だか「ぼく」は、どういう人物なのかと、その詩を書き終わった後でぼくなりに想像する。
ちゃんとした詩人さんなら、書く前に想像するんだろうけどね。
でイメージがしっかり出来上がってから書き始めるんだろうけど。
まあ、そこは横において。

作中に出て来る「僕」「ぼく」は、けっこうな確率で幼少期から青春期までの人物だというイメージがぼくの頭のなかに浮かんでくる。
あるいは大人の「僕」が、思春期や青春期の彼自身を思い出している場合もある。
分析すれば、この年齢層にぼくがこだわっているということになるわけだ。「俺」とか「私」だと成人した大人のイメージが湧く。
だから「僕」をつかってしまうんだろうね。

さっきじぶんは離人症だと書いたのだけど、
思春期や幼年期のぼくは、人と会話したり何かしたりするより、
独りでいた方がおおいにリラックスできた。
人といると心臓の表面がヒリヒリする。
だからその時の感覚が、ぼくにあの年代をふり返らせようとして、
こういった年齢設定の詩を書かせているんだと思う。

大人の年齢が主人公の詩も書いているけど、
その主人公もいい意味ではなく、どこか幼さを残している。
幼少期になんらかのこだわりを残したまま、
大人になりきれていない人物だ。

【アダルトチルドレン】

ぼくはじぶんをアダルトチルドレンだと思っている。
アダルトチルドレンというのは、大人になっても子どものような振舞いをとってしまう人で、その原因は子供時代のトラウマから来ているらしい。

アダルトチルドレンの意味を知ったとき、ぼくにピッタリな椅子があるんだな、と思った(それまでは発達障害かと思っていた)。
それで専門書を読んだりしないのが、怠け者のぼくらしさなのだけど、
詩のなかに出て来る思春期や幼年期の「僕」は、
だから将来アダルトチルドレンになるような体験をしている年頃、
ということになる。
でもまあ、そんなヘヴィーな人物の
ルサンチマンポエムばかりじゃないけれど。

【あっちこっち】

いままでの詩をふり返ると、書くものの題材が一貫していない。
これはあえて一貫しないようにしている面もあるけれど、
ぼくという人物の気が散漫だからというのもある。
アダルトチルドレンと関係があるのかな?
現実の生活でも「さ、○○しなきゃ」と思っても
数秒後に別のことが気にかかって、そっちをやり始めたり。

将来は分からないけど、今のところ、
一人称は「僕」「ぼく」で統一している。
だからあっちこっちに散らかった世界にいる「僕」「ぼく」が、
実はぜんぶ同一人物、という解釈もできるわけだ。
その解釈、なにが楽しいの?とつっこまれたらそれまでだけど、
ぼく的にはこの思いつきはけっこう気に入っている。
あっちこっちに散らかった世界をつなぐ線が「ぼく」という仕掛け、
と考えるとおもしろい。

【おわりに】

多くの人もおなじだと思うけど、
ぼくがどうして詩を書いているのか、
じつはじぶんでも、よくは分かっていない。
でも詩を書くのはたのしいね。
突拍子もないことを書けるからね。
頭のなかに降りてきたものをそんなにいじらないで書いても、
詩なら許される。
ということで、これからも詩をかいていこう。


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