めっちゃ尊敬していた、超絶ハイスペック透明人間だった先輩の話

20年前ほどの話になりますが、今思えば超絶ハイスペックな透明人間だった先輩がいました。今日はそのお話を書きたいと思います。

無駄のなさが、もはや芸術

私が一番最初に勤めた会社は大道具屋さん。ガテン系のお仕事でした。そこに10歳ほど年上の先輩がいたのですが、彼の在り方が素晴らしすぎて、とても憧れました。

どんな方か一言で言えば、まさにハイスペックな透明人間だったんです。

常に行動が早く、どこにいるのか姿が見えない（笑）とはいえ、彼がするべき仕事はいつも完璧に、いや、、、それ以上に仕上がっていました。

その作業は一切の無駄がなく美しく仕上がっていて、もはや芸術だわ、、、と憧れていました。そして作業をした形跡が残らないほど綺麗に片付けられていました。

「いま、ここで作業をしていたよね？」って思うくらい。そこに居た形跡がないんです。まるで透明人間のようですよね。

そんな超絶ハイスペックな透明人間の先輩から学んだマインドセットをあげてみたいと思います。

目的がはっきりしている下準備が大切

「多すぎず少なすぎずの気遣いが見える仕事」ができる先輩は多くの方に信頼を寄せられている人でした。彼がいる現場なら安心っていう声を多く聞きました。私も同じくその先輩と一緒の現場はとても安心して向かえました。

初心者だった私は、現場の下準備をする際の先輩の様子にいつも驚いていました。そこまで先を見越すんですね？！と。

現場の図面をみながら必要な道具の準備をしてゆくんですが、この図面の道具はこれだけあれば大丈夫という数＋アルファが徹底していました。

割合で言えば＋50%ぐらいでしょうか？必要な道具を100%だとすると、下準備でプラスするのが残り50％です。

道具を運ぶ車の積載量も決まっていますし、ほかの現場もあるから道具は余計な数を持って行けない。だから予備の道具は110％ぐらいです。

じゃあ、残りの40%はなにかというと、、、。

現場での作業の徹底したシュミレーション。

このシュミレーションから叩き出された、ありとあらゆるトラブルシューシングに対応するための道具です。

「もし〜」の後に続いて起こるかもしれないトラブルに即対応できるように揃える道具。何パターンものシュミレーションをした上で必要な道具。ここまで揃えて先輩の下準備は完了していました。

最初の頃は「なんでそれが必要なんだろう？」と首を傾げてみていました。自分も現場にでるようになって、ようやくその意味がわかるようになりました。

「仕事の準備」とは、こうゆうものなのかと、大変勉強になりましたし、真似させていただいてました。

そこまで準備できるようになるまで、とても時間はかかりましたが💦

シュミレーションできる経験も無かったし、トラブルにぶち当たった数もすくないわけですから、当然ですよね。

けれど、先輩の真似をしながら下準備をすると自分自身がすごく安心して現場に行けることが徐々にわかってゆき、目的がはっきりしている下準備の大切さを実感しました。

丁寧な言葉使いで、的確な指示を出す

仕事に慣れている人は言葉を端折って指示をする人が多かったのですが、先輩はいつ何時でも丁寧な言葉で的確な指示を出していました。

例え気の知れた仲間であったとしても、「〜して」「〜しろ」なんて言葉は使わず、「〜してください」「〜をお願いします」と言っていました。

（一度わたしの言葉使いが悪く、とっても叱られました💦）

いろんな人がいっぺんに仕事をする、めちゃくそ忙しい現場では、いろんな指示がたくさん飛び交います。時には感情に任せて怒号を飛ばす人もいました。

そんな中で、先輩の至極冷静で丁寧な言葉使いの指示というのは、聞いていても気持ち良く、咄嗟に指示をだされても焦ることなく対応しやすかったです。

気持ちが落ち着いているとミスも減るんですよね。大道具の作業はちょっとのミスが大きな事故につながるので焦りは禁物でしたし。集中力をMAXにまであげて時間との勝負的な作業を行うなかで、先輩の指示の仕方は実にスマートでした。

このスタイルも、もちろん真似させていただきました。そしたら現場でのミスも減りましたし、他のスタッフさんとのコミュニケーションも取れるようになったんです。

慌ただしい現場での丁寧な言葉で的確な指示の威力は素晴らしかったです。

最後まで「これで終わり」はない

「先輩がどこにいるのかわからない？！姿が見えない？！」ってなっていた一番の理由は、一箇所にとどまっていなかったからです。

作業が終わって楽屋で一服をしてたよな？と思った次の瞬間に姿が見えないんです（笑）はて？どこにいるのかな？と探してみると、作業が終わった箇所の再点検をしていました。正しく安全に道具は設置されているかを見直していました。

そのあとも、それで終わりではなくて他に作業されている方の動きをよくみていて、それに伴って発生するであろう次の作業を見越し移動していたんです。

だから、他の方が先輩を「〇〇さ〜ん」と呼ぶ必要がないんですよね。その場にちゃんと、すでに、居るんです。

または先回りして作業を更新していることもありました。必要な動線をあらかじめ見越して確保しているんです。

誰の作業も止めないように。現場がスムーズに進むように。

だから、自分が作業をした後の周りの片付けも完璧にしてあるんです。少しでも道具が残っていると動線を塞いでしまいますから。

「後からやる」のではなく「いますぐやる」が徹底されていました。

現場が安全に終了して、片付けも終わって完全撤収するまで「終わりのない動き」をされていました。

私が先輩の姿を多々見失った原因は、仕事のその先の動きを読めなかったからなんですよね。そして先輩が何人もいるかのように感じられたのは、先を見越して必要な場所に必ずいるからだったんです。

必要になるから用意するのではなく、普段から備えておく

そしてこれが先輩の超絶透明人間っぷりを支える一番の強烈なマインドセットだとおもうのですが、

必要になるから用意するのではなく、普段から備えておく

と、いうことを当たり前に行っていました。

例えば。

家に「こたつ」を置かない。

なんの関係が？と思うかもしれませんが「こたつがあると、居心地が良すぎて必要な時にすぐ行動しなくなるから」と聞いた時はすごい衝撃でした（笑）

現場で即座に対応するための、行動力や判断力を鈍らせないためなんですよね。現場以外でも自分を甘やかさない。（たぶんほかで甘やかす場所はあったんでしょうけれども）

さらに、

絶対に太らない。

「このジーンズがベストサイズ」というのを決めていて、それ以上は絶対に太らないように気をつけていました。

なぜって太ったら現場で身軽に動けないから。

現場では、けっこう狭い場所に体を押し込んで作業することもあります。そこに体がはいらなければ作業できないですよね。なので、身体のサイズを変えない努力もしていました。

、、、ここまで書いて、改めて尊敬の念が湧いてきましたよ。。。

そして「徹底した道具の管理」です。

自分が使う道具、工具の手入れを丁寧にしている姿をよく見かけました。現場に持ってゆく自分の道具箱の中身も綺麗に整頓されていて、必要な道具がすぐに快適に使えるように整っていました。

この道具箱が最高にクールで、めちゃくちゃ憧れました。だってある意味魔法の箱なんですもん。この道具箱から出てくるもので、先輩が作業をすると、見事な道具が出来上がる。滅多に中身は見せてもらえなかったんですけれどもね（笑）

そんな先輩を見習って、わたしも自分の工具は丁寧に管理できるようになりました。いまだにこの癖は残っていて、役に立っています。

圧倒的な存在感

超絶ハイスペックな透明人間な先輩のマインドセットをまとめてみますね。

✅目的がはっきりしている下準備

✅丁寧な言葉使いと、的確な指示

✅「これで終わり」はない先を見越した行動

✅普段から備えておく自己管理

大まかにわけるとこの４つです。

テキストで書いてみると簡単に見えるかもしれませんが、わたしはこの会社でお世話になった五年間で少しは先輩の在り方に近づけたかなぁ？と思えたのは、一度もありませんでした。（憧れて入社した会社でしたが、身体を壊してドクターストップで退社しました・涙）

すっごい尊敬してて、真似できることは真似ていたにもかかわらず。そばでその姿をみていて勉強させていただいていたにもかかわらず。

きっと、真似るだけじゃ体現できない、もっともっと深いところに表面では見ることのできない強烈なマインドセットが潜んでいるんだと思います。

そして、そのマインドセットも日々更新されていたように思います。

超絶ハイスペックな透明人間な先輩は、姿は見えずとも残す仕事は圧倒的な存在感を放っていました。

いま思い出すと、憧れの気持ちが再燃しますね。

先輩からしてみたら、私はとんだお馬鹿さんで、全然役に立たない後輩だったと思いますが💦

機会があったら、その当時と今のマインドセットを伺ってみたいです。

以上、心から尊敬していた超絶ハイスペック透明人間な先輩のお話でした。

せっかく思い出したので、先輩のマインドセットを今後も大切にしてゆきたいなと思いました。

いろんな方の、心に残る先輩などのお話も伺いたいです。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。

それでは、また！

shuri蔵

追伸：そうだ！この先輩のマインドセットを一つだけいまも受け継いでいます！我が家には「こたつ」がありませーん！一度こたつを起きましたが、やっぱり「いますぐ行動する」ができなくなったので、こたつは置かなくなりました。その時は意識しなかったけれど、先輩の言葉が意識の中に残っていたのかも。ありがとうございます！先輩！！

⭐️透明人間ゲームをマガジンにまとめています。

行動意識進化系【透明人間ゲーム】｜shuri蔵｜note

⭐️曼荼羅や自然をモチーフにしたオリジナルTシャツなども作っています。