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運動神経が悪い編集者、トレーニング本の取材をする。

こんにちは、高橋です。
タイトルの「運動神経が悪い編集者」というのは私のことです。ちょっと恥ずかしいのですが……。
今回は、私がトレーニング本を編集した話をしながら、本づくりで行われている“取材という工程”をご紹介したいと思います。

※この記事の棒人間は「棒人間図解大全──仕事に使える!」MICANO 著 自由国民社刊を参考に描きました。絵心がない筆者の助けとなりました。

取材って、こんなことをします

たとえば、『いいカラダになるための本』をつくる場合は、著者に「どうすればいいカラダになれますか!?」というストレートな質問から入り、理論と方法を教えてもらいます。

そして、私たち編集者が実践して、著者にアドバイスをもらいながら、読者に提供する情報をまとめていきます。

これが取材といわれる工程なのですが、こうしたトレーニングの本の場合、問題になることがあります。
編集者の私が、運動神経が悪いということです。
著者が紹介するトレーニングが、まずできない。
動きはできても、なんか違う。

カラダの奥の筋肉なんて、動かせる気がしません。

たとえば、私が担当した「お腹を凹ませる方法」という本では、フィットネストレーナーの中村勝美先生に、私と、編集プロダクションの編集者さん(男性)とライターさん(女性)で取材を行いました。

この時はお腹を凹ませるために「インナーマッスル(カラダの奥にある小さな筋肉)」を動かすというお題だったのですが、筋肉を動かすだけでもおぼつかないのに、カラダの奥の筋肉を動かすなんて、まったくできる気がしません。

中村先生は女性のフィットネストレーナーの中でも、ビシバシと厳しめの指導をされる方。容赦なく課題を出してきます。
「じゃあ、ゆっくりと腹筋してみて!」(そうするとインナーマッスルを動かせるらしい)と。寝た状態から、上半身を起こして、下ろす、“普通の腹筋運動”をゆっくりと行うようです。

ライターさんは、ダンスをやっていて運動神経がいいので、一回目で難なくできてしまいます。編プロさんは運動習慣がある方なので、徐々にコツをつかんでいきます。でも、運動神経が悪い高橋は、なんだかぎこちない……。

名トレーナーのアドバイスってすごい

とくに私ができなかったのは一度体を起こしてから、ゆっくりと上半身を床に下ろす動き。想像してみてください。ゆーっくりと上半身を下ろしていくのを、、、腹筋がぷるぷるして、、、で、耐えられなくなって、バタンと。。。

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「ちがーう!!!一気に力を抜かない!」と中村先生から即ダメ出し……。どうやってやればいいんだろう……。

でも、中村先生はダメ出しをするだけではありません。
ここで、さすが名トレーナー!というアドバイスが出ます。

「背骨をひとつひとつ床につけるようにやってみて」

最初は「え?」っていう感じなんですけど、
背骨って実は細かい骨にわかれていて、そのひとつひとつを床につけるイメージで体を下ろしていく……ということだそうです。
やってみると、確かにそれまでの動きと全然違うような気がする。
ゆっくりと上半身が床に下ろすことができる。

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そうすると、中村先生が「できたじゃん!すごいよ、高橋さん!」と駆け寄って、本人以上に喜んでくれます。もう、今までの厳しい中村先生がどこにいったんだというくらいに。

「え!?ほんとですか!やった!」と、その場の取材メンバーとみんなで喜ぶわけですが、実感するのはその取材が終わり一人で帰るときだったりします。「できるって、うれしいんだなぁ」と、しみじみ。

この取材でできたのがこんなページ

抽出された名称未設定のページ

運動ができないと取材で恥ずかしい思いをすることも多いですが、その苦労が解説やイラストの源になります。

そして、こういう本になりました。

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私は、子どもの時から運動ができないことが当たり前だったので、できることをあきらめていたところがありました。でも、中村先生の「本当のことを教えてくれる厳しさ」「生徒に寄り添うやさしさ」に触れて考え方や行動が変わりました。子供の頃、運動は好きではありませんでしたが、今では周囲がびっくりするくらい運動が習慣になってます。

運動、好きです。できるかどうかは別ですけど!

文 高橋ピクト
生活実用書の編集者。『新しい腸の教科書』『コリと痛みの地図帳』などの健康書を中心に担当。『マンガでわかる東大式麻雀入門』『はじめての囲碁入門』『競馬の教科書』『豪快バーベキューレシピ』『新しいキャンプの教科書』など、趣味の入門書を編集することに喜びを感じる。「生活は冒険」がモットーで、楽しく生活することが趣味。ペンネームは街中のピクトグラムが好きなので。

Twitter @rytk84


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