見出し画像

捨てる覚悟”天地と一つになる極意”

自分自身の居場所を見つけて、
そしてその中にもう一人の自分が、
生まれる前からずっと存在していると想像します。

そして、自分の体内をゆったりと眺める。

人は、自分の体内で何が起きているかを知らない。
しかし今あなたは、自分の身体の流れにゆったりと自分を委ねていく。

血液の流れ
呼吸
代謝

ふと気が付くと、あなたは巨大な川の上の舟に乗っている。

そして、ここであなたは、今から2600年前
気功の達人から川の流れについて教わった。

気功の達人はこう教えた。

人の中には龍がいる。
この龍が目覚めれば人は天地と一つになる。

人はこの世で出世を求めるのは、高い地位に就けば
それだけ人生が恵まれると勘違いをしているからだ。

しかし、本当の幸せはそんなところにはない。
仮に高い地位についても、身が病いに倒れれば何の意味もない。

この川の流れはひと時と言えども留まるところがない。

この留まるところのない流れを我がものとするのじゃ。

そして、漕ぎ手を努めていた気功の先生は、
突如として腕(かいな)を捨てたのである。

どうじゃ、これでこの舟は川の流れに完全に身を任せたことになる。

この先、この舟は川の流れ次第では岸辺にぶつかるかも知れんぞ。
岩にぶつかるかも知れぬ。
それでも何ともしようがない。

まるで人生そのものではないか。

先生、それが悟りとおっしゃるなら起きること全てを受け入れます。

本当か?
岩にぶつかって木っ端微塵になっても、それでも受け入れる覚悟はあるのか?

今日は雨で増水しておる。
間もなく流れは急に早くなろうぞ。
岩にぶつかれば生きては帰れぬ。

しばらくすると本当に川が増水を始め、川の流れは急激に早くなっていった。

我らは今、死ぬも生きるも流れにすっかり任せた。
さて、わしは昼寝をするとしよう。

そう言うと、先生は舟の中でグーグーと居眠りを始めました。
始めは先生が起きていたので、ぶつかりそうになったら
何とかしてくれるだろうと安心し切っておりました。

しかし完全に寝息を立てて寝ているのを見ると不安になりました。

しばらくすると、眼前に大きな岩が近づいてくるのがわかります。
このままでは岩に激突してしまいます。

相変わらず先生は、スヤスヤと寝息を立てて寝ておられます。

流れに身を任すということがこんなに恐ろしいとは。

あなたは居ても立っても居られなくなりました。
間もなくあと数メートルで岩に激突してしまいます。

突如、先生は目を覚まされました。
そしてあなたの両腕を掴むと、

来い!

そう言って岩に掴まり、岩の上に立ち上がりました。

さあ、こっちへ来て座れ

先生が言います。

見事なもんじゃ、この眺めは。

先生、質問があります。

なんじゃ?

もし、増水が止まらず、この岩ごと沈んでしまったらどうなりましょう?

それは簡単じゃ。
我らの乗っていた舟を、今この岩に括り付けてある。
岩さえ沈むほどの高さになれば、もはや岩にぶつかることもない。
その舟に乗り換えて再びわしは居眠りをする。
わかったか?

と先生はおっしゃいます。

わしは波に身を任せるとは言ったが、
舟に身を任せるとはひと言も言ってはおらん。


その場その場でひょいひょいと乗り換えて行けばよいのじゃ。
今はこの岩が我らの乗る舟じゃ。

やがて数時間も経ちますと、増水はだんだん減っていきました。

おい、再び舟に乗り換えるぞ。

先生は言って、ヒョイと舟に乗り込みました。

恐る恐る先生に尋ねます。

なぜ舟は大破しなかったんですか?

それは簡単じゃ。

重い舟は木っ端微塵になる。
軽い舟は砕けることはない。

いつでも何が起きても平気なように、
この世のあらゆる物に執着を持ってはならん。

いつでも捨てる覚悟が有れば、如何様にでも生きられる。
これさえ有れば大丈夫だと思っても、いざという時には何の役にも立たん。
サッサと捨てる者が勝つのじゃ。

このようなわけで、あなたの潜在意識に

「執着をせず、淡々と生きる」

という教えが、通奏低音のように流れております。

このことをしかと心に留め、お忘れなきように。

タマシイヒーリング Dr.Shu 五島秀一

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?