服を引き取るということ。

飲食出身の僕とアパレル出身の彼女とBARと古着の店を京都でやってます。

お店をやってると来店された方に「買い取りはできるのか？」と聞かれることがあります。

そもそも、僕自身もリサイクルショップと古着屋の区別もイマイチよく分かってませんでした。

リサイクルショップはお客様から買い取ったモノを販売していて、古着屋は自ら買い付けたものを販売しています。

当然、買い取った方が安く、手間も時間もかからず在庫を抱えることができます。

しかし、たまたま流れて来た商品を並べるだけでは、そこの空間に世界観は生まれず、人間らしさを纏う（まとう）意思を感じないのです。

特に個人でやっている古着屋に行くと、空間の装飾、服のセレクトに「その人らしさ。」というオーラをひしひしと感じることができて、古着屋に関わるようになってから、小さな古着屋に足を運ぶのが好きになりました。

扱っている古着はお店によって異なり、私達のお店では、「レギュラー」と呼ばれる古着を扱っています。

レギュラー古着を扱う理由はこちらに書いてます。

「ヴィンテージ」が歴史があり、市場価値あるものなら、「レギュラー」はその逆で歴史浅く市場価値がつきにくいものです。

街に出ると大きな古着屋もあり、そこには、大量のレギュラーの古着が並んでいて、値段も安く、送料や交通費を考えれば、卸業者よりも安かったりします。

また、一度連れて行ってもらった卸業者の倉庫は凄まじく、服の山から探すよりも圧倒的に見やすいです。

それもあって彼女に、「古着屋で買い付けすれば？」と聞いたことがあります。

しかし、彼女は「その服達は、既にちゃんと商品になっているのでしない。」と言ってました。

「なぜ？」とその時は思いましたが、きっと気持ちの問題なんだろうなと今は察します。

私たちのお店は「つづく愉しさ」というコンセプトを持っていて、服に関しては「少しでも長く着てもらうこと」を意識しています。

それでも、

髪型を変えたり、体型などの変化で着たくても着れなくなることはある。

と彼女は言います。

着なくなった服は、リサイクルショップやメルカリなどに出品する人も多いのではないでしょうか。

しかし、レギュラーの古着はリサイクルショップでは価値あるものとして扱ってもらえず、メルカリでも高く売れないそうです。

そこで、ここのお店で購入した古着に限り、店頭に持ってきて頂ければ、「古着500円割引or好きなお酒（ノンアル）１杯無料」のクーポンと交換することにしてみました。

先日、一人の女の子が１年前に購入した服を持ってきました。

去年、買ったコートでサイズが少し大きかったけど可愛かったから買ったけど、着続けると重くて負担がかかる。

とのことでした。

でも捨てるのも、売るのも勿体ないので、せっかく可愛いので、ここの他のお客様に渡ればいい。

とのことでした。

戻ってきた古着もやっぱり自分で選んだものだから、嫌な気持ちにはならないとのことです。

ただ、お客様への伝え方は難しく、買った瞬間に「手放す」ことのお話は出来ないので、大々的には伝えていません。

もちろん１番良いのは、ずっと長く着てもらうことです。

これから２年、３年経ち、着なくなった時には、遠慮なくお持ち頂ければと思います。

END

【店舗情報】
STAND「C 」
〒603-8353
京都市北区平野上八丁柳町30-102
https://instagram.com/stand_c_?igshid=1cmj9ahlwnm57

【古着アカウント】https://instagram.com/sheer_usedclothing_?igshid=1xca4yukcgznw