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バクラクにはアナリストが不在?いいえ全員アナリストです!そんな理想を実現するData Enabling teamをつくります

アナリストが不在のバクラクですが、データドリブンなプロダクト開発、事業運営を実施できています。しかし、この体制に綻びが出始めており、なんとかすべくデータ分析組織の立ち上げを開始しました。本記事はそのあたりについて述べます。

改めまして、株式会社LayerXの たかぎわ @shun_tak と申します。バクラク事業には立ち上げから携わり、特にAI-OCRの初期バージョンの開発・運用を担当しました。2022年は機械学習チームの立ち上げをしたり、AWSのイベントに登壇するなど活動しておりました。今年は本記事にあるように、データ分析組織の立ち上げに注力していきたいと思います。

バクラクにおけるデータ活用の現状と課題

実は、バクラクを運営する組織には「アナリスト」と呼ばれる人が一人もいません。それでも常にKPIをモニタリングし、異常を発見したらすぐ課題ヒアリングする等、Fact baseに意思決定する組織文化を形成しています。

SQLは口ほどにものを言うーRedashによるクエリ共有、監視、データ連携によるチーム効率化ー (リンク)
LayerXの本質的な強みとは何か (リンク)

なぜアナリスト不在でデータドリブンな事業運営ができているかというと、現時点では「個」に依存したものと言わざるを得ません。自らデータの意味を調べて理解し、SQLを書き、ダッシュボードに可視化できる人が各部署に存在するからこそ、データドリブンな組織を実現できています。こういった人材はエンジニアに限らず、マーケター、BizDev、PdM、PMM、さらには事業部長も可能だったりします。

また、バクラクがリリースしてまだ2年ということもあり、データ規模が小さく、多少わからないことがあってもエンジニアやSalesforce Adminに聞けば解決することが多かったというのもあるでしょう。

こういった背景によりバクラクはデータドリブンな事業運営を実現していました。しかしこれは、属人化によりデータ分析がスケールしない・データ爆発により認知負荷が増大するといった課題を抱えることの裏返しでもあります。

バクラクはデータ分析の属人化&認知負荷の増大という課題を抱える

また、認知負荷が高いためデータ分析の方法が人によって異なり、分析の品質・信頼性が低下する問題が起きています。さらに、他の人が書いたクエリを意図を理解せずコピー&ペーストで再利用し、質の低いクエリが量産されるという悪循環が生まれつつあります…ぐぬぬ…。

この課題、どうやって解決したもんか…

最初に思いつく方法は、専門のデータ分析チームを組成し、データモデル、ドキュメント、ダッシュボードをごりごり作り、各チームの分析要求に対応していく方法です。チーム化することで属人化リスクが減少し、データの認知負荷を下げる活動を持続的に提供できます。

しかし、データ分析チームはビジネスドメインに対する理解が現場担当者に比べると深めづらく、それを解決するためにデータアナリスト(データ分析の専門家)とビジネスアナリスト(ドメイン理解の専門家)を分けて採用・育成することも考えられます。

そうすると、現場⇔ビジネスアナリスト⇔データアナリストのようにコミュニケーションパスが増え、スピード感が失われる恐れがあります。

理想は全員アナリスト

全員アナリストというのは、一部のマーケター、BizDev、PdMだけでなく、全員が自らデータ分析し、インサイトを獲得できる状態をいいます。

なぜ全員アナリストが理想かというと、深いインサイトを得るには深いドメインの理解が求められるからです。そして、深いドメインの理解を得るには、現場にDeep diveし、詳細の一つ一つを考え抜く必要があるからです

また、時間が重要な資源であるスタートアップにとって、スピード感も重要な要素です。一気通貫で分析するからこそ爆速での分析が実現すると考えます。

なぜ全員アナリストが理想か

いや、理想を目指した結果、結局は分業に至るのかもしれません…。それでも、まずはこの理想を追いかけてみたいと考えています。ワークマンさんの事例は共感しますし、とても勇気をもらいます。

ワークマンの強さの秘密は、Excelを使ったデータ分析にある。データ分析といっても、同社はデータサイエンティストのような専門家の採用を一切していない。全社員が社内研修で一通りのExcel関数をマスターし、自ら分析ツールを作り、品揃えや棚割りの改善、店舗在庫の最適化などに生かしているのだ。

同社専務取締役の土屋哲雄さんは、「数字だけに強い人はいらない」と言う。ワークマンの商品が好きで、加盟店への愛情があり、売り上げを上げたいと思う“普通の社員”が、勉強して自分たちの力でより良い店にする。それが土屋さんの理想であり、「社員の能力の限界が会社の成長の限界でいい」と思っている。

https://diamond.jp/articles/-/313666

全員アナリストを理想ではなく、当たり前の文化にしていくぞ!!!

全員〇〇 (全員採用, 全員コーポ, 全員広報, 全員営業 etc) (リンク)

全員アナリストを支えるData Enabling team

理想はさておき、全員アナリストをどう実現しようとしているか。タイトルにも書いたData Enabling teamが鍵になります。

そもそもなんでデータの認知負荷が上がってしまうのか。データは生まれる箇所で最適に利用しやすい形で存在します (顧客にプロダクトを提供する、営業管理する等)。このデータの形は、データ分析で使うには必ずしも最適でない形になっています。これこそが認知負荷の原因です。

データからインサイトを獲得したり、機械学習モデルを開発したりと、データから価値を生み出すプロセスを考えると、必ずデータを「利用できる形態へ加工する」プロセスが存在します。このプロセスは言い換えると、データ分析に最適化した構造に変換し、認知不可を下げる活動です。これを実行するのがData Enabling活動といえます。

データと価値の循環

Data Enablingチームはデータ活用推進の司令塔として、他チームの円滑なデータ活用を実現します。これによりプロダクト、セールス、マーケティング、BizDevなど各ドメインのプロたちは自由自在にデータ分析できるようになり、自らインサイトを獲得し、顧客への価値提供を加速します。

Data Enablingに関わるチームと役割

さて、ここまで無視してきたものがあります。なんと、現在(2023年2月)いわゆるデータ分析基盤を担当しているのは私を入れて2名しかいないという事実です。しかも2人とも兼務という…。

認知負荷の低いデータアーキテクチャやデータモデルの整備、法令や規制に準拠した安全なデータアクセス管理などなど、やりたいことは山積みですが、とても手が回る状態ではありません。

理想のデータ分析組織 = 全員アナリストを実現するため、そしてお客様に最高のバクラク体験を提供するため、一緒に挑戦する仲間を募集しております!
(以下の求人はData Platform (データ基盤) 寄りの求人なのですが、本記事で述べたようなData Enabling活動を担う方も募集しております。求人票がなくてごめんなさい。)

いきなり応募は…という方はお気軽にカジュアル面談からお声がけください!

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