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中国での「代替肉ブーム」で春雨工場に注目が集まっているのはなぜか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.9】

最近日本でも代替肉のニュースが出ているかもしれないが、実は中国市場での動きの方が早かった。中国国内のスターバックスやKFCなど外資系ファストフードではすでに昨年春から代替肉を使用した商品が発売され、スーパーの店頭にも植物肉が並んでいる。

米ビヨンド・ミートは2020年11月に中国浙江省での工場建設を発表。ビル・ゲイツや李嘉誠、グーグルが投資する米インポッシブル・フーズもシンガポールと香港での販売に続き、中国大陸での製造に向けてサプライチェーンの整備を進めていると報道されている。

またグローバル企業だけではなく、中国発の企業でも、2019年の中秋節にはすでに代替肉スタートアップ「zhen meat」が代替肉月餅を発売。いくつもの企業が先を競うように誕生している。

中国の代替肉市場は年20%で増加

中国紙「環球時報」によると、中国の植物肉市場規模が61億元にのぼり、毎年20%の勢いで増加する見込みらしい。

ちなみに中華圏ではもともと植物肉の存在は珍しいものではない。昔から仏教徒を中心に素食と呼ばれるベジタリアンフードが年代を問わず一般的に食されており、大豆などを原料にした代替肉があるからだ。

その中で注目を集めているのが国内最大手の春雨製造会社の「双塔食品」だ。

この企業はエンドウ豆タンパク質のビジネスチャンスに気づき、製品開発を実施。結果としてビヨンド・ミートの原料として採用された。

2020年の双塔食品のエンドウ豆タンパク質の世界シェアは30%に達し、そのうち代替肉製造に使われる高純度エンドウ豆タンパク質の生産量の半分をビヨンド・ミートに供給するという。

なぜビヨンド・ミートに採択されたのか!?

双塔食品の生産するエンドウ豆タンパク質は世界の他のサプライヤーに比べて低価格であることが強みだ。

エンドウ豆から春雨を製造する過程で得られる搾り取った後の水分やかすを分離、殺菌、乳化、脱水、乾燥を経ることで、食用タンパク質と食物繊維を精製する。

そこで排出される排水は発酵させることで、有機肥料やガスなどのエネルギーにして生産ラインで利用される。

食物繊維を取り出した後の搾りかすはキノコ栽培に利用される。このリサイクルシステムによって同社は、同業他社よりコストを30%も低くしながら価値の高い製品を生み出しているという。

これから、中国の代替肉市場はどんどん成長をしていくことが予測される中で、目が離せない。

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