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声に出して伝えよう。ただし、ダメ出しはNG!【フィードバック④ 観察し、傾聴する】

「毎朝、自分に言い聞かせていることがある。自分が話すことから自分が学ぶ事は何一つないと。学ぶ為には、絶対に相手の話を聴かなければならないと(ラリー・キング)」

今日からは、具体的なフィードバックに関して入っていきましょう。

まず、日本人のフィードバックで避けてほしいことからお伝えします。

日本人が、最もやっていて、しかも最もやってはいけないこと。それが、

「ダメ出し」

です。オープンに自由に、耳の痛いことも積極的にという話になると、多くの人がダメ出しを始めていまいます。もう本当に、病的なくらい・。

まず、ダメ出しがどうして「ダメ!」なのかをご説明しましょう。

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☆ ダメ出し文化が国をも亡ぼす

ダメ出しによって以下の4つの力が低下することが脳科学によりわかっています。

【言語理解力】
ダメ出しをすると言葉の理解力が下がるので、その後の説明を理解できなくなります。つまり、説明をしたのに失敗をした相手が悪いのではなく、ダメ出しをした人自身に大きな要因もあるのです。

【未来予測力】
ダメ出しを受けるとちょっと先の未来が想像できなくなります。その為に、ダメ出しを受けた後ほどリスクの高い、成功率の低い挑戦をしてリカバリーしようとします。これもダメ出しをした人自身に大きな要因があるのです。

【学習強化力】
ダメ出しを受けると、学んだことを記憶定着させる力が落ちます。ダメ出しを受けた事で、成長機会が奪われています。このことは、ダメ出しをした人に大きな要因があるといえます。

【エラー検出力】
ダメ出しを受けると、自分が何を失敗したかを判断する力が下がります。何を間違えたかが判断できないので、同じ失敗を繰り返すようになります。これも、ダメ出しをした人自身に大きな要因があるといえます。

つまり、ダメ出しによって人は、言語を理解できなくなっていき、未来を予測出来なくなり、学習の生産性がどんどん下がっていき、自分が何を間違えたかを見つける力もガンガン下がっていく。

日々繰り返される親や教師の子供へのダメ出しやリーダーの部下に対するダメ出し。そして傷ついた人が自分自身にさらにダメ出しをしていく。

その積み重ねこそが、子供の未来、人のキャリア、国の未来そのものを奪っていると言っても過言ではないでしょう。

 

☆ ダメ出しを手放そう

もし、あなたがダメ出しをしていた自分をひどく責めたりしていたら、まずそれをやめましょう。

自分に自分でダメ出し。これこそ根深く突き刺さります。

これからが大事。

変わればいいし、変われるんです。

というのも、もともと人の心には誰にもネガティヴなバイアスがあります。

その為に、良い所より悪い所、出来たところよりミスを最初に見つけてしまう。

これが、評論家ポジションや上から目線になり、良かれというダメ出しを促進してしまう一因でもあります。

ですので、前回(下記リンク参照)の事例で触れたような「情報交換」の世界では、正しさという物差しの中で「相手が理解しない」「相手が話を聞かない」という判断をしがちです。

例えば、教師が生徒に対し、上司が部下に対し「こうあるべき」という模範的な先入観や信念があると、模範的ではない生徒は全てイレギュラーな「やっかいもの」という判断になります。

実際(Fact)には、教師や上司が考えるような模範的部下や生徒は世の中に1人もいません。

彼ら自身も理想的な人間たりえないように、個人の脳内で生み出された理想を体現する人は、どこにもいないのです。
 

☆ 心理反応の真理

しかも、人はAという事象とBと事象が1分以内に起こると結び付けて考える仕組みを備えています。

仮に、部下や生徒が自身の失敗や困りごとを上司や教師に報告、相談したとしましょう。

そして(1分以内)、相談や報告が「責められた」「批判された」という結果になったと部下や生徒が受け取ればどうなるでしょうか?

当然、部下や生徒は、教師や上司に「報告」「相談」をすること自体にメリットや意味がないと考えるようになります。

そうなると、ミスや失敗を繰り返さないのではなく「挑戦」する行動を止めた方が得だと判断するようになっていきます。

かくして、受け身で寡黙な聞き手のポジションをとる人が、どこぞの国では日に日に多くなっていくのです。

人の主体性を奪うのは、常に上位者の行動。

そこにこそ「課題」があるのです。

☆ 「信用」から「信頼」へと変えていく

このような、人々に主体性の欠片もないような世界を回避する為には、上位者側が「情報交換」という薄っぺらコミュニケーションを手放す必要があります。

情報交換コミュニケーションは「信用」であり「信頼」ではありません。

「信用」は約束や取り決め、契約といった担保を必要とします。
ですので、個々の関係性は深くなりにくいのです。

「信頼」関係に契約は必要ありません。
お互いを知りあうことによってのみ積み上げていける心の結びつきだからです。条件のないOK。その質が大事なのです。

コミュニケーションを「信頼」を積む対話スタイルに変えていく。

その第一歩として、僕の場合は「傾聴」を重要視しています。

というわけで、大分長くなりましたので、今日はここまで。
次回は「傾聴」です。

ではでは!

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