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心から聴く、そして伝える!【フィードバック⑥ 伝えるというアクション】

Love does not consist in gazing at each other, but in looking together in the same direction. (愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめること)

前回の傾聴を振り返ると、サン・テグジュベリのこの言葉に集約できそうです。「聴く」は愛ですね!

というわけで、今日は「伝える」の所。
対話の大前提。聴く⇒伝える⇒引き出す を確認しましょう。

早速、前回の続きから。
東日本大震災時に支援した中学生とのお話、後編です。

☆ 信頼関係から始まる

当時の僕は、お寺の中に作られた自習室で、中学生達の様子をゆるゆると見守っていました。この自習室では学校や受験ではない学びも大丈夫。主体的に、自分がやりたいことをやる。疲れているかなという中学生には短時間の睡眠もOKにしていました(僕は)。

【既に有名になってきていますが、眠い時には15分程度の短時間の睡眠をとる。その方が眠さに耐えながら作業を続けるよりも、結果、生産性があがります】

信頼感が生まれてくると中学生達は、いろいろと考えてテーマを持ち込んできます。部活を続けていく意味、日本の他の地域の事、自分の未来の事。あるいは気になる女の子にテストで負けたくないこと(微笑ましい!)等等。

それぞれの好奇心を受け止め、同じ方向を見て伝えていきます。
前回お伝えした中学生の女の子とは、その後こんな感じの対話をしました。

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☆ タイミング大事

彼女が自習室で自分の課題に取り組んでいる時、手を止めるタイミングがありました。そこで、彼女が何を見て、どんな反応をしているかを確認して、初めて声をかけました。

「何につまったのかな?」

僕は話しかける時間やタイミングは大事だと思っています。相手にとって受け入れやすい、受け取りやすいタイミングがありますし、取り組んで挑戦する事も、自分で選択をして失敗することも大事な経験になるからです。

【集中の研究等で、集中を妨げられると同じレベルの集中に戻すまで数十分を要すといった指摘もあります。上司や先生、親が自己都合で部下や子供たちに声をかけたことが、相手の生産性を奪っているのです】

聴いて話を始めてみると、

《まったくわからない問題(数学)ではないです。なんとなくこうかなと思う式と答えはある。けど、書いて失敗したらと思ってちょっと止まってしまって・》

そんな言葉があふれてきました。

ここで回避したいアクションは、無責任で主観的な「出来る!」です。

自信のない人には自信がない理由や状況、背景があることを尊重しましょう。よくある「(俺は)出来る」から「(お前も)出来る」という話は相手に届かない事が多いように見えます。

出来ると伝えるならば、客観的な数字や相手が納得できるだけの証拠を一緒に伝えていく必要があります。

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☆ 伝えるのは正解ではなく「提案」

この時には、彼女と同じ方向を視て想像した僕は、彼女が見ていた【失敗への怖れ】に対して提案をすることにしました。

「もし今、頭の中に浮かんでいるものを書いて、仮に間違っていたとしたらどうなりそう? 今ここでは誰も責めないと思うし、僕自身は、むしろチャレンジしたことを励ましたいと思ってるんだけど」

彼女ははっとした感じで少し周囲を見渡して「あ、そうですね!」と返事をしてくれました。そこで僕が「こっちに、こっそり書いてみようか」とメモを渡すと、こちらがびっくりするくらいスラスラと正解が書き込まれていきました。

「正解! 完璧!」

と伝えると、彼女の周りの空気がぱあっと明るくなったように見えました。そう。彼女は自分の中から勇気を出して、挑戦をして、小さな自信を手に入れたのです。

【フィードバックでは盲点に光をあてられるかどうかで結果が大きく変わる】

と言われています。ですので、私達が誰かにフィードバックを「伝える」ということは、共感のポジションで相手と同じもの、同じ方向を視て、相手には見えていない何かを提案するということです。

この時に僕が発見したのは彼女の「解答用紙には正解を書かなければいけない」という思い込みでした。

そして、安全、安心の場所で「失敗してみる」という機会を提案したわけです。

この日からは僕は、彼女との話の中で、僕自身や著名なアスリート、ビジネスマンがいかに失敗してきているか。その失敗したことが、大事なシーンでどんな役に立ったかということも意識的に話をするようにしていきました。

人は、自分自身でしか変化できません。

ですので、自分自身で決めて、自分自身で成長していきます。

このプロセスを「義務」や「正しさ」で強要すれば反発しますし、効果も一時的となり持続しません。

フィードバックで相手に伝える事。

それは、相手にとって新しい気づきであり、新しい発見であり、新しい情報であること。それはもちろん、私自身の心からの言葉であること。

その新しい心からの何かが加わることで、相手の分析や判断、認識に変化が生まれ、言葉や行動も自然と変わっていく・ということです。

ということで、今日はここまで。
次回「引き出す」に続きます。

今日も長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

ではでは!

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