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”内”と”外”に曖昧さを創り出す「縁側」を愛でる

「縁側」について思いを巡らせたことはあるだろうか?

以前の日本家屋には必ずといっていいほど組み込まれていたのが縁側であり、今回私も古民家に泊まる機会があり、縁側についてなんとも言えない”興味深さ”を感じたので、少し縁側とは何か、縁側が持つ意味を調べてみることにした。

今回泊まった古民家。「くれ縁」と呼ばれる縁側

私が”興味深さ”を感じたのは、縁側が「内」と「外」の両面を持っている不思議な空間のように感じたからである。

調べてみるとやはりその通り、縁側は一般的に、部屋や家自体の内外を曖昧にする空間として認識されているということだ。

縁側の役割(メリット)としては、物理的な機能面のメリットとして、内と外の緩衝地帯として、夏も冬も部屋の中を室温などの環境を快適にしてくれるという点があるそうだ。

そしてこちらの方が興味深い魅力だと思ったのが、縁側が、コミュニケーションの場としての機能を果たすという点だ。

縁側では、来訪者が靴を脱がないまま座りコミュニケーションが取れるという気軽さがあり、半屋外であることから、お互い気負いすぎずにいられるという状況を演出してくれる。縁側のある家屋の、テレビやドラマで見るイメージとして、よく近所の方や子供たちが交流したり、庭で遊んだりしている姿を想像するが、これも縁側が内と外を曖昧にする機能を果たすことで、人と人とのコミュニケーションが自然と生まれる構造になっていることを表しているのだろう。

他にも縁側には、部屋を広く見せてくれるというメリットがあったりもする。また、生活の作業場となったり、子供の遊び場となったりと、使い方は人によって自由である。使う人、場面に応じて多目的に使われるというのも、縁側の持つ多義性なのだと思い、ますます興味深く感じる。

願わくば、縁側のある家に住んでみたいものだ。

それではまた。

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